ミシガン大学
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ミシガン大学は1817年ミシガン準州(現ミシガン州デトロイトに創立された、米国で最も歴史のある名門公立大学である。1837年、同校のキャンパスは現在のアナーバーに移設された。同校最初の授業は1841年に1年生6名と2年生1名、2名の教授によって行われた。1845年には同校最初の卒業式が行われ、11名が卒業した。同校の歴史については「en:History of the University of Michigan」を参照
学問分野

ミシガン大学アナーバー校はカリフォルニア大学バークレー校などと共に、米国トップの名門州立大学として全米で高い評価を得ている研究機関型総合大学である。世界での評価も極めて高く、どの様な世界大学ランキングでも概ね20位前後に位置される。特に社会科学分野における実績は目覚ましく、人工知能分野、言語学、政治学、心理学、社会学等の先駆的研究は、米国内のみならず世界の学会に大きな影響を及ぼしている。例えば、当大学サーベイリサーチセンターによって毎月発表されるミシガン大学消費者信頼感指数は、米国の主要な経済指標のひとつになっている。更に、米国の医療コンピュータサイエンス・工学の分野における発展にも多大な貢献を続けている。

1935年に卒業したジェラルド・フォードは、アメリカ合衆国の第38代大統領である。1955年には、ポリオワクチンの開発に成功。また、宇宙飛行士も輩出しており、ジェミニ4号1965年打ち上げ)とアポロ15号1971年打ち上げ)は、乗員のすべてがミシガン大学または同大学院で学位を取得した宇宙飛行士であった。近年ではGoogle共同創業者のラリー・ペイジが著名な卒業生の筆頭として挙げられる。これまでに26名のノーベル賞受賞者を輩出している。

US NEWS誌のランキングでは、同校の200以上にわたるプログラムのうち、70%が全米ベスト10、90%がベスト20に入る高い評価を得ている(詳細はランキング項を参照)。州立大学中ではカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、UCバークレー、ジョージア工科大学、バージニア大学に次ぐ合格率の低さで、Princeton Review誌の合格難易度指数では97(最高99)と州立大学中第4位の難関とされている。(1位:UCLA/ 2位:UCバークレー、バージニア大学)同校の一年次入学生の平均GPA(評定)は3.72 (4.00 を満点とする)、高校在学時の成績が上位1割に属していた学生が全体の92%を占める。25%が全米共通テストSATにおいて1,400点以上を有しており、これは名門私立大学アイビーリーグ8校それぞれの上位25%の新入生の平均である1,430点に匹敵する。ミシガン大学は州立大学であるため、ミシガン州出身の学生を優遇している。学生数のおよそ半分を占めるミシガン州出身の学生とその他の学生の間では合格難易度に差がある可能性があり、ミシガン大学の学士課程を志望する者はその点には留意すべきである。

教育の質が高く評価されている同校ではあるが、規模の大きさや学費の高さが多くの学生にとって悩みの種であるという問題が存在する。例えば、The Princeton Review誌によると、同校はTA(大学生の上級生や大学院生)による授業の割合が全米で7番目に高い大学とされており、十分な意欲がなければ学業面などにおいて満足のゆくサポートが受けられないことが多い。また授業料も私立の名門大学に匹敵するほどの額であり、学部によって差異はあるものの州外出身者の年間の授業料は48,000USドルに達する。(州内出身者は15,000USドル前後)。[8]
キャンパスメインキャンパスに位置するAngell Hall、教養学部、文学部、理学部等を置く同校の主要機関の内の一つ本校の医学部に属する生物医学の研究施設

ミシガン大学アナーバー校は、主に、ノース・キャンパス、セントラル・キャンパス、ロス・アスレティック・キャンパス、メディカル・センター、イースト・メディカル・キャンパスの5つのキャンパスに分かれており、総敷地面積は3km2ほどである。これらのエリア間は、ブルー・バスと呼ばれる大学運営の無料バスにより行き来できる。大多数の学生はセントラル・キャンパスとノース・キャンパスにて授業を受け、ロス・アスレティック・キャンパスとメディカル・センターは実質的なセントラル・キャンパスの一部、イースト・メディカル・キャンパスは実質的なノース・キャンパスの一部として捉えられている。

US News誌の評価によると、アナーバーは全米でも屈指の住みやすい街とされている。近年再開発が進むデトロイト近郊に位置し、治安や雇用環境が良好であることに加えヒューロン川沿いを中心とした自然環境も豊かであることがその評判に寄与している[9]が、街の中核を占めるミシガン大学は街の発展に大きな影響を及ぼしていると言える。
セントラル・キャンパスミシガン大学セントラル・キャンパス(ダイアグ周辺)セントラル・キャンパスは、アナーバーの中心部、ダウンタウンの東側に位置している。セントラル・キャンパスは、ミシガン大学のアナーバーにおける発祥の地であり、1841年に同校がアナーバーに移設された時から存在する。アナーバー市とミシガン大学は共に発展したため、大学とダウンタウンとのはっきりとした境界はなく、一部では、街と大学の施設が混在している。ビジネス・スクール(経営大学院)、ロー・スクール(法科大学院)、メディカル・スクール(医学大学院)などの多くの大学院やプロフェッショナル・スクールが、このセントラル・キャンパスを本拠としている。キャンパスの中心には、学生の多く集まる「ダイアグ」と呼ばれる広場があり、様々なイベントや学生の活動が毎日のように催されている。
ノース・キャンパスノース・キャンパスは、セントラル・キャンパスの北東に新しく作られたキャンパスである。歴史が古く趣のある建物が多いセントラル・キャンパスとは対照的に、ノース・キャンパスには、緑に包まれた広大な敷地の中に近代的な建物が立ち並んでいる。主に、工学部と芸術系の学科が使用しており、そのほか、学部生、大学院生のための寮やアパートもある。飲食店や遊技場が周辺に一切存在しないため、授業がない日は閑散とする。
ロス・アスレティック・キャンパスロス・アスレティック・キャンパスは、主に、ミシガン・スタジアムや、クライスラー・アリーナ、ヨースト・アイスアリーナなどのスポーツ施設がある。
メディカル・センターメディカル・センターはノース・キャンパスとセントラル・キャンパスの間にある、医療機関が立ち並ぶエリアのことを指す。
イースト・メディカル・キャンパスイースト・メディカル・キャンパスはノース・キャンパスからさらに北東に進んだ先に飛び地として存在する。放射線科、精神科、老人科などの医療機関及び研究施設がある。
ミシガン大学バイオロジカル・ステーションミシガン大学バイオロジカル・ステーション(英語版)はロウアー半島北端のシボイガン郡のダグラス湖(英語版)の南岸にある北方広葉樹林(英語版)である。水はけの良い土壌ではブナ属カエデ属ヤマナラシ属コナラ属マツ属、湿潤な土壌ではトウヒ属モミ属シダーの森林があり、一帯の湿地には沼地フェンおよび多数のがある。1979年にユネスコ生物圏保護区に指定された[10]。このサイトはシュガー島アッパー半島最東部、ビーバー島リーラノー半島などを含む「オブタワイング生物圏保護区」に拡大・改名する計画がある[11][12]
ランキング
主要世界大学ランキング

THE世界大学ランキング: 第24位(2022年度)[13]

QS世界大学ランキング: 第23位(2022年度)[14]

世界大学学術ランキング: 第26位(2021年度)[15]

CWUR世界大学ランキング: 第22位(2022年度)[16]

Forbes世界大学ランキング: 第22位(2021年度)[17]

US News世界大学ランキング: 第19位(2021年度)[18]

U.S.News & World Report大学ランキング「USニューズ&ワールド・レポート」も参照

世界大学ランキング: 第17位(2018年度)[19]


全米大学総合ランキング:第28位(2018年度)[20]


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