またミカエルは、地上におけるカトリック教会全体の保護者とされていて、第2バチカン公会議以前はミサのあとに唱える「大天使聖ミカエルへの祈り」があった。
カトリック教会ではミカエルはガブリエル、ラファエルとともに9月29日が祝日になっており[7]、かつてイギリスの大学ではこの日が始業日であった。カトリック教会ではミカエルに捧げられた教会や修道院が多数作られている。492年のイタリアはガルガーノ山の「大天使聖ミカエルのバシリカ(聖堂)」をはじめ、有名なものではフランスのモン・サン・ミシェルがあげられる。590年、ローマのハドリアヌス廟にミカエルが現れ、ペスト蔓延が終焉に至ったという。これにより、ハドリアヌス廟は「サンタンジェロ城」と呼ばれることになった。
正教会モスクワの聖天使首大聖堂にあるミハイル(ミカエル)のイコン
正教会では、ミカエルはしばしばガウリイル(ガブリエル)とともにイコノスタシスの門に描かれる。「天使首ミハイル大聖堂」も参照 聖書信仰に立つ福音派では聖書の教理に基づいてミカエルの存在を認識している[10]。 エホバの証人、セブンスデー・アドベンチスト教会ではミカエルはイエス・キリストと同一視されている[11][12][13]。エホバの証人側では、天におられる時の名前がミカエル、地上におられた時の名前がイエス・キリストであるとしている。 末日聖徒イエス・キリスト教会では人祖アダムの天上における姿がミカエルであると考えられている。 イスラム教ではミカエルはミーカールと呼ばれる。彼は四人の大天使(ミーカールとジブリール、アズラーイール、イスラーフィール)の一人であるとされ、『クルアーン』の中でもミーカールについて言及されている箇所がある[14]。 ただしイスラムでは、ジブリール(ガブリエル)が神と預言者ムハンマドの仲立ちをし啓示をもたらしたとされるため、天使の首位を占めるのはジブリールであり、ミーカールは次点であるとされている。 ミーカールは慈悲深い性格で、地獄で苦しむ罪人の様子を見ては、嘆き悲しみ、神に彼らへの恩赦を乞うている。神は、ミーカールの慈悲深さを貴び、ミーカールの目から流れる涙を全て天使に変え、第七天にミーカールと共に住まわせ、最後の審判まで世界の維持を務めさせてる。 ミーカールは、地獄の罪人に同情するが故に笑う事が無くなったという。 3世紀のラビ、シメオン・ベン・ラキシュは、ミカエルという名前や天使の思想はユダヤ人が新バビロニア王国に捕囚されていた時代にバビロニアの宗教の影響によって彼らの信仰する神(たとえばマルドゥク)が取り込まれたものだという説を唱えた。この説は現代の学者たちに広く受け入れられている。元々ミカエルはカルデア人に信仰された神であったと考えられている[15]。このほか、彼がメタトロンと同じくミトラ神を起源とするという説がある[16]。 儀式魔術 初期ユダヤ教の占星術では彼は水星と結びつけられたが、中世キリスト教の頃に太陽と結びつけられるようになった。 ミカエルは菓子職人の守護聖人とされる。フランスでは、彼の名をとった「サン・ミシェル」と呼ばれるケーキが生まれているほか、ミカエルの祝日である9月29日は「洋菓子の日」である[18]。 ラリー・ニーブンとジェリー・パーネルが共著したSF小説「降伏の儀式」には、異星人の母船を攻撃するために、核爆発を推進力とする大型宇宙船が登場するが、このコードネームが大天使「ミカエル」である。
プロテスタント
キリスト教系の新宗教
イスラム教におけるミカエル
その他
異教由来の起源
西洋儀式魔術
俗説
小説での登場
ギャラリー
悪魔を倒す聖ミカエルの勝利。コベントリ大聖堂(en
大天使ミカエルの木像。
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