マーベル・ユニバースでは、ストーリーテリングが連続しているため、現実世界に比べて時間の経過が少なく、ある号のストーリーは前の号の結末からほんの数秒後に再開され、「リアルタイム」では1ヶ月が経過していることになっている。マーベルの主要ヒーローが誕生したのは1960年代だが、宇宙自体の時間の経過は(1990年代半ばから後半にかけて約10年と言われたが)最近では13年と言われている[5]。その結果、執筆時には現代的だったいくつかの出来事の設定は、この浮動的な時間軸の中で「意味をなす」ために、数年ごとに更新されなければならない。そのため、過去の物語の出来事は、現在の号の発行日から一定の年数以内に起こったとみなされる。例えば、スパイダーマンの高校の卒業式は『アメイジング・スパイダーマン』28号(1965年9月)、大学の卒業式は『アメイジング・スパイダーマン』185号(1978年10月)、高校の同窓会は『マーベル・ナイツ・スパイダーマン』7号(2004年12月)に掲載されている。浮遊的タイムラインのため、現実の歴史的な出来事に言及していても、後にそれらの言及が無視されたり、現在の感覚に合わせて書き換えられたりする。例えば、アイアンマンの起源は、2004年のストーリーラインで、アフガニスタンでの対テロ戦争に関連するように変更された[6]が、オリジナルのアイアンマンのストーリーではベトナムでのベトナム戦争に関連していた。
マーベル・コミックス自体はマーベル・ユニバース内の会社として存在しており、スタン・リーやジャック・カービーといった人物のバージョンがいくつかのストーリーに登場しているほか、スティーブ・ロジャース(キャプテン・アメリカのオルター・エゴ)といったキャラクターがマーベルで働いている。 この現実のマーベルは、スーパーヒーローたちの実際の体験を再現したコミックを出版している(ただし、彼らの秘密の正体など、一般には知られていない詳細を除く)。また、DCコミックス・ユニバースは、数あるオルタナティブ・ユニバースのひとつとして、マーベル・ユニバースにも存在すると言われている。その逆もまた然りである。これは、両社が共同で出版している様々なクロスオーバーストーリーを説明する一つの方法である。
マーベル・ユニバースには、ドラキュラ(英語版)やフランケンシュタイン・モンスター(英語版)などのポップカルチャーのキャラクターが存在する。これは通常、作者であるブラム・ストーカーやメアリー・シェリーに語られた出来事の二次資料として正当化されているが、一般の人々は彼らを架空の存在と信じ続けている。ロバート・E・ハワードの『コナン・ザ・バーバリアン』、『レッド・ソニア(英語版)』、『カル・ザ・コンケラー』、『ソロモン・ケイン(英語版)』もマーベル・ユニバースに実在する。コナンとカルのハイボリアン・エイラ(英語版)は、アース-616の記録された歴史の一部であると考えられている。しかし、彼らが現代のマーベル・スーパーヒーロー・キャラクターと出会うことはほとんどない。これは、パブリックドメインとなった2006年以前のハワード作品の法的地位が不確かであることが原因である可能性が高い。2019年現在、コナン・ザ・バーバリアンはもちろん、カル・ザ・コンケラーやソロモン・ケインも、マーベルがキャラクターの出版権を取り戻したおかげで、しっかりと組み込まれている。マーベル・ユニバースに組み込まれた他のライセンス作品には、ゴジラ、トランスフォーマー、映画『2001年宇宙の旅』(マシンマン(英語版)のキャラクター)、ロム・ザ・スペースナイト(英語版)、マイクロノーツ(英語版)、ショーグン・ウォリアーズなどがある。ほとんどの場合、これらの作品は、著作権侵害を避けるために、ライセンスの期限が切れた後は使用が制限されるか、キャラクターのデザインや名前が変更される。 マーベルの地球に住む超人のほとんどは、数百万年前に地球を訪れ、有史以前の祖先に実験を行った宇宙の存在、セレスティアル
超人的な力の起源
超人的な力の起源としては、魔法、遺伝子操作、バイオニックインプラントなどが考えられる。また、ヒーローやヴィランの中には、力を持たず、格闘訓練や高度な技術設備に頼る者もいる。マーベル・ユニバースでは、テクノロジーは現実世界よりもかなり進んでいる。これは、ファンタスティック・フォーのリード・リチャーズ(ミスター・ファンタスティック)のような、天才レベルの知能を持つような人物によるものである。しかし、パワードアーマーや殺人光線などの高度な装置のほとんどは、一般市民には高価すぎるため、通常はS.H.I.E.L.D.などの政府組織や、A.I.M.などの強力な犯罪組織の手に渡っている。これらの装置を製造している大手企業は、トニー・スターク(アイアンマン)が経営しているスターク・インダストリーズだが、他にもある。また、過去にロボット産業に影響を与えたことで知られるカーン・ザ・コンケラーのように、隠れた種族や宇宙人、あるいはタイムトラベラーから高度な技術が人間に与えられたこともある。