マージービート
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

ちなみに英米では、特にリヴァプール出身のバンドを指してマージー川に由来するマージービート(Merseybeat)という名称で呼ぶ[注釈 5]。ロンドンやマンチェスターなど他地域のバンドも含めた場合はブリティッシュビートという総称で呼ぶのが一般的である。

この時期、リヴァプール以外のバンドでリバプールサウンド(ブリティッシュビート)の波に乗って全国区あるいは世界的な人気を獲得していったのは、マンチェスターのフレディー&ザ・ドリーマーズ、ハーマンズ・ハーミッツホリーズ、バーミンガムのスペンサー・デイヴィス・グループムーディー・ブルース、ニューカッスルのアニマルズ、ベルファストからのゼムなど錚々たる顔ぶれであった。そしてロンドンからはデイヴ・クラーク・ファイヴ、そしてよりブルースに感化されたバンド、ローリング・ストーンズヤードバーズである。

ビートルズの影響力は世界中に波及し、数年のタイムラグをおいて世界各地で熱狂的なビートバンドブームが起きた。1967年 - 1969年にかけて日本中を席巻したGS(グループ・サウンズ)もその一環である。それまでアメリカ主導だった音楽エンターテイメントは、このブームを境に英米二極型へと大きく変貌を遂げることになった。そして外貨を稼いだビートルズにMBE勲章を授けたイギリスはこれ以降、ロックを最大の輸出商品としていくのである。

しかし1966年頃には、ビート音楽は時代遅れになっていった。生き残ったバンドはビートルズを先頭に、サイケデリックプログレッシブな方向、あるいはよりブルースを突き詰める方向へと進化していった。1967年頃には、音楽業界の情報の共有化も進み世界的に共通なスタイルが流行するようになって、ブリティッシュ・インヴェイジョンも終焉を迎えた。
主要ミュージシャン

ビートルズ

ローリング・ストーンズ

ザ・フー

ヤードバーズ

キンクス

ジェリー&ザ・ペースメイカーズ

アニマルズ

ゾンビーズ

デイヴ・クラーク・ファイヴ

ハーマンズ・ハーミッツ

ホリーズ

サーチャーズ

スウィンギング・ブルー・ジーンズ

フレディ&ザ・ドリーマーズ

マンフレッド・マン

ピーター&ゴードン

代表曲

シー・ラヴズ・ユー /ビートルズ(リヴァプール)

朝日のあたる家 /アニマルズ(ニューキャッスル)

バス・ストップ /ホリーズ(マンチェスター)

ビコーズ /デイヴ・クラーク・ファイヴ(ロンドン)

朝からごきげん /ハーマンズ・ハーミッツ(マンチェスター)

恋のテクニック /ジェリー&ザ・ペースメイカーズ(リヴァプール)

ヒッピー・ヒッピー・シェイク/スウィンギング・ブルー・ジーンズ(リヴァプール)

愛なき世界 /ピーター&ゴードン(ロンドン)

好きなんだ /フレディ&ザ・ドリーマーズ(マンチェスター)

シーズ・ノット・ゼア /ゾンビーズ(ロンドン)

ドゥワ・ディディ・ディディ /マンフレッド・マン(ロンドン)

脚注
注釈^ 日本ではリバプールサウンド=イギリスでのサウンド、イギリスでのロックという解釈。
^ ビートルズがクリケッツの名前を自分たちのグループ名のモデルにしたことは有名。
^ ピーター&ゴードン、アニマルズ、マンフレッド・マン、ペトゥラ・クラーク、フレディー&ザ・ドリーマーズ、ウェイン・フォンタナ&ザ・マインドベンダーズ、ハーマンズ・ハーミッツ、ローリング・ストーンズ、デイヴ・クラーク・ファイヴ、トロッグス、ドノヴァンらは少なくとも1曲以上アメリカでのナンバーワン・ヒットを放っている。
^ テレビ・レポーターのウォルター・クロンカイトによって作られた言葉。
^ 「マージービート」という言葉そのものはビートルズ・デビュー以前、1961年にビル・ハリーによって創刊されたリバプールのコミュニティ・タブロイド紙のタイトルとして初めて登場した。

出典^ かまち 1998, p. 10-11.
^ かまち 1998, p. 12-13.
^ かまち 1998, p. 116.
^ 星加 1977, p. 7.
^ かまち 1998, p. 170.
^ かまち 1998, p. 18.
^ かまち 1998, p. 190-192.
^ 星加 1977, p. 5.

参考文献

星加ルミ子訳『これがリヴァプール・サウンドだ!』洋版出版株式会社、1977年1月。 

かまち潤『これがリヴァプール・サウンドだ!』小学館、1998年12月1日。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 4-09-440803-7


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:47 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef