括弧内はマン島語名
(町)
ダグラス(マン島語: Doolish ドゥーリッシュ)
カッスルタウン(英語版)(マン島語: Balley Chashtal バレ・ハスタル(?) 発音:「バリェ・ハシュチャル(?)」/?bal?? ?xa?t??l/)
ピール(英語版)(マン島語: Purt ny hInshey プルト・ナ・ヒンジャ(?) 'purt-na-HINZH-a'[20])
ラムジー(英語版)(マン島語: Rhumsaa ラムサー(?) 'Rum-SAA'[20])
(地区)
マイケル(英語版)(カーク・マイケル)
オンカン(英語版)
(村)
ラクシー(英語版)
ポート・エリン(英語版)
ポート・セント・メアリー(英語版)
政治詳細は「マン島の政治(英語版)」および「マン島政府」を参照
イングランド法のベースとなった独自の法律を持ち、長い民主主義の伝統を持つ。立法権を持つ立法評議会(英語版)とハウス・オブ・キーズ(英語版)と呼ばれる下院の二つはティンワルドと総称され、世界最古の議会であるといわれる。現在でも7月初旬の「ティンワルドの日」には伝統にのっとった青空議会が開かれている。議会が可決した法案はマン島領主またはその代理であるマン島副総督(英語版)によって裁可される。マン島領主はマン島閣僚の輔弼は受けず、イギリス本土の枢密院の助言に従って統治を行う。イギリス議会はマン島に独自の法律を施行できる権限を持っているが、マン島議会の承認を受けて法律を施行する。イギリス議会側はこの制度が慣習に基づくもので法的なものではないとしており、法的拘束として扱うように求めるマン島側の要求を拒否している[21]。
行政権は首席大臣(マン島首席大臣(英語版))をトップとする内閣評議会(内閣評議会 (マン島)(英語版))が持つ。
自由バンニン党(英語版)とマンクス労働党(英語版)の二つの政党が存在している。しかし閣僚の選出は政党を基準とするものではなく、いわゆる政党政治は行われていない[22]。
外交・軍事はイギリス王室に委ねるという法律があり、その代金を毎年支払っている。
地方行政詳細は「マン島の地方行政区画」を参照
マン島の地方自治制度は、古くはキリスト教会の17の教区 (parish) からなる6つの管区を基本とし、首都ダグラスは、バラ (borough) という「町」にあたる行政区分で、自治体 (municipal corporation) が治めていた。
現在は、市街区・地区・村落区・教区に分かれ、市街区はダグラス(バラ)、カッスルタウン、ピール、ラムジー、地区(村落と教区が合併した自治体)はマイケル、オンカン、村落区はポート・エリン、ポート・セント・メアリー、残り13の教区がある。各区には、役員会 (body of commissioners) を置いているが教区の役員会の権限は村落区の役員会より弱い。これら地方自治体は、2010年よりマン島政府の建設省 (Department of Construcion) の監督を受けている。 1938年に成立したマンクス連隊
軍事・治安
経済詳細は「マン島の経済(英語版)」を参照
通貨はマンクス・ポンド。マンクス銀行により独自の通貨が発行されている。為替レートはイギリスのスターリング・ポンドと同じである。イングランド銀行、スコットランド銀行などで発行されたイギリスポンドも国内で問題なく通用するが、マンクス・ポンドはマン島のみで通用し、マン島以外は外貨両替の扱いが無い。
観光・産業マン島TTレース
マン島の主要産業は伝統的な農業と観光である[22]。マン島はイギリス本土、アイルランド、チャンネル諸島と共通旅行領域を形成しており、この領域内での旅行では入国審査が免除される[21]。
島の公道を使って一周60キロメートル (km) を走るオートバイレースであるマン島TTレースは、世界でもっとも歴史の長いオートバイレースである。
タックス・ヘイヴンとしても有名で、保険業でない企業が子会社として設立する自社専用の保険引受業者であるキャプティブ保険会社が数多く設置されている。2010年に英国のシンクタンクが、世界第32位の金融センターと評価した[23]。2017年11月にパラダイス文書を元にして、租税回避目的でアップルなど国際的巨大企業や有名人らが税逃れを続けていた事実が報じられた[24]。British passport (Isle of Man) マン島の住民はイギリスの市民権を有しており、マン島独自の市民権は存在しない[12]。マン島の住民には、連合王国(UK)のパスポートか、イギリス本土と異なる旅券のマンクス・パスポート
住民
文化詳細は「マン島の文化(英語版)」を参照
マン島は道路の制限速度がないなどの制度が残存している。保存鉄道でも知られる。保存鉄道は、蒸気機関車、フェル式登山鉄道、狭軌の電車の3系統がある。「マン島の鉄道」も参照
言語マン島語と英語で書かれた看板詳細は「マン島語」を参照
住民は主に英語で会話し、公用語としている。土着の言語はケルト語派のゴイデル語系に属するマン島語があり、現在はこちらも公式言語として認められている。英語の方言はマン島英語(英語版)と呼ばれ、固有独特な単語や表現も多いが、使用減少の一途をたどっているという。方言にはマン島語の借用語が多いが、北欧ノルド語由来の語も幾つか見られる[26]。
1974年末、マン島語を母語とする最後の話者が死亡したが、1970年代以降に言語復権運動が興隆し、現在はマン島語識者を自称する者が約1700名いる。住民はイギリスから独立の意識が高いことから英語に次ぐ公用語として位置づけられ、国民はマン島語による教育の機会も与えられている。2005年にマン島語のみを教授言語とする初等教育の学校が設立された。
国家象徴の象形詳細は「三脚巴」を参照
マン島のシンボルの三脚巴(旗画像参照)は対称性があり、数学の群論の説明に用いられることが多い。 国を代表する伝統料理は「スパッズ・アンド・ヘリン」(Spuds and Herrin) で、茹でジャガイモと燻製ニシンの開きであるキッパーを合わせる。昔から農作や漁労に従事する島民が常食の糧とした。 近年は「チップス・チーズ・アンド・グレイヴィー」が街中で多く見られ、国民的料理の様相である。これはプーティーヌに似た一品で、拍子切りにした太めのフライドポテトチップスに、チェダーチーズの粗びきをまぶし、濃厚なグレイビーソースをかけて完成する[27]。 地元の食生活では、従来、魚介類を多く摂取してきた。近頃は商業漁業の漁獲量もめっきり減っており、西岸のピールの町の燻製工房ではニシンをマン島風のキッパーに加工しているが、原料は北海ものが多くなっている[28]。
食文化