マン島
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2017年11月にパラダイス文書を元にして、租税回避目的でアップルなど国際的巨大企業や有名人らが税逃れを続けていた事実が報じられた[24]British passport (Isle of Man)
住民

マン島の住民はイギリスの市民権を有しており、マン島独自の市民権は存在しない[12]。マン島の住民には、連合王国(UK)パスポートか、イギリス本土と異なる旅券のマンクス・パスポートが発行されている。ダグラスのマン島旅券事務所では、正式にマンクス・パスポート発行を担当するマン島副総督宛の旅券申請書を提出する[25]
文化詳細は「マン島の文化(英語版)」を参照

マン島は道路の制限速度がないなどの制度が残存している。保存鉄道でも知られる。保存鉄道は、蒸気機関車、フェル式登山鉄道、狭軌の電車の3系統がある。「マン島の鉄道」も参照
言語マン島語と英語で書かれた看板詳細は「マン島語」を参照

住民は主に英語で会話し、公用語としている。土着の言語はケルト語派のゴイデル語系に属するマン島語があり、現在はこちらも公式言語として認められている。英語の方言はマン島英語(英語版)と呼ばれ、固有独特な単語や表現も多いが、使用減少の一途をたどっているという。方言にはマン島語の借用語が多いが、北欧ノルド語由来の語も幾つか見られる[26]

1974年末、マン島語を母語とする最後の話者が死亡したが、1970年代以降に言語復権運動が興隆し、現在はマン島語識者を自称する者が約1700名いる。住民はイギリスから独立の意識が高いことから英語に次ぐ公用語として位置づけられ、国民はマン島語による教育の機会も与えられている。2005年にマン島語のみを教授言語とする初等教育の学校が設立された。
国家象徴の象形詳細は「三脚巴」を参照

マン島のシンボルの三脚巴(旗画像参照)は対称性があり、数学の群論の説明に用いられることが多い。
食文化

国を代表する伝統料理は「スパッズ・アンド・ヘリン」(Spuds and Herrin) で、茹でジャガイモと燻製ニシンの開きであるキッパーを合わせる。昔から農作や漁労に従事する島民が常食の糧とした。

近年は「チップス・チーズ・アンド・グレイヴィー」が街中で多く見られ、国民的料理の様相である。これはプーティーヌに似た一品で、拍子切りにした太めのフライドポテトチップスに、チェダーチーズの粗びきをまぶし、濃厚なグレイビーソースをかけて完成する[27]

地元の食生活では、従来、魚介類を多く摂取してきた。近頃は商業漁業の漁獲量もめっきり減っており、西岸のピールの町の燻製工房ではニシンをマン島風のキッパーに加工しているが、原料は北海ものが多くなっている[28]スモークサーモンベーコンも加工される。

カニ、オマール海老ホタテガイを対象に操業している。特にクイーンホタテ(英語版)はマンクス・クイーニー (Queenies) の愛称で知られ、淡白で甘みのある味わいで喜ばれる[29]。マダラ、タラ科クロジマナガダラ、サバなど海岸でも釣果のある魚が地元の食卓に上る[30]。地元の河川や湖で捕れるサケ・マス類はCornaaに所在する国営の孵化場が支援している。

牧牛、牧羊、養豚、養鶏がおこなわれ、丘陵地のマン島産ラム肉は、人気である。マン島特産のラクタン品種の羊は、味わいぶかい濃赤味の肉質で、料理人のあいだで定評があり[31][32]原産地名称保護制度 (PDO) 認可取得な食材である[33]

マン島産のチーズには、オーク材のチップの燻製品や、ハーブで香りづけした商品があり、イギリスの食品店にも入荷されるようになっている[34]。ロンドン主催の2011年度ワールドチーズアワード大会において、某社のマン島産チェダーはシュレッドチーズ部門で銀賞を獲得した[35]

地ビールは1850年創業のオケルズ醸造(英語版) (Okells ) や、ブッシーズ醸造(英語版) (Bushy's Brewery) などがある。マン島で1874年以来施行されているビール純粋法 (beer purity law) は、ドイツビール純粋令と目的を同じくした法令である[36]
特有の動物マン島のラクタン羊は、食肉用に放牧飼育されている。

マン島を代表する特有の動物には、マンクス種の猫とラクタンシープという品種の羊がいる。
マンクス猫詳細は「マンクス」を参照

マンクス種の家猫は、尾が極端に短い変異をもつ血統の品種である。数センチほどの短い尾の個体をスタンピー ("stumpy")、まったく尾の外見を欠いたものをランピー ("rumpy") と称する。毛並みは様々であるが、後肢がやや長め。貨幣や郵便切手などにも図柄が使われる国の象徴的な動物である。しかし、1930年代より米国での関心と需要が高まり、島内での品種の存続を危惧したマン島政府は一時期、国費でこの猫のブリーダー事業所を運営させていた[37][38][39]
ラクタン羊

「マン島ラクタンシープ」はマン島で家畜化されたの純血種をさす。濃い褐色の羊毛をした頭角本数が多い品種で、牡羊では2、3、4本から5?6本の角を生やすこともある[40]。その名の由来であるラクタン(マン島語: loaghtyn, lugh-dhoan)は毛並みの色合いをさす言葉だが、これはlugh「マウス」+dhoan「褐色」の合成語で、英語に同義語はないと言われる[41]。短尾の品種に珍しく、採れる羊毛は柔らかく良質とされる[40]。肉は美味でグルメ食材として珍重され、ある程度成熟したものがラムではないが若い羊であるホゲットやマトンとして出荷されている[42]
スポーツ詳細は「マン島TTレース」および「サッカーマン島代表」を参照

クリケットサッカーが盛んである。クリケットは19世紀からプレーされている[43]。マン島クリケットクラブは、スポーツの関心を高め、既存のクラブを支援するために1930年に設立された。2004年に国際クリケット評議会に加盟した[43]
カマグ

カマグ(英語版)(マン島語: cammag; 発音: [k?ama?][44])は、スコットランドでいうシンティ(英語版)やアイルランドハーリングと同種同源の[45]マン島のスポーツで、フィールドホッケーを簡略したようなステックをもちいるチーム球技である[45]。かつてはマン島の国技であったが、その後サッカーにとって変わられている[45]。一度は廃れたが21世紀に再興をみせており、4人 - 200人の人数でゲームに参加する[46]。使用する尖端がフック状に曲がったステックをカマグといい、これは「小さな曲がったもの」の意とされる[47]
著名な出身者

スタンリー家 - イングランド貴族トマス・スタンリー

ビージーズ - 音楽グループバリー・ギブロビン・ギブモーリス・ギブの三兄弟)


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