マンハッタン
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マンハッタン区は、マンハッタン島と小さな諸島(ルーズベルト島ガバナーズ島エリス島ランドールズ島ワーズ島ミル・ロックウ・タント島)、そして北米大陸のごく一部地域(マーブル・ヒル(英語版))からなる[注釈 1]
マンハッタン島

マンハッタン島は、西をハドソン川、東をイースト川ハーレム川、北をスパイテン・ダイヴィル川(およびハーレム川運河)、南をアッパー・ニューヨーク湾によって囲まれている。幅は約4 km、長さ約20 kmで、ほぼ南北方向に細長い形状をしている。面積は58.8 km2で、東京の山手線の内側(約64 km2)にほぼ相当する。ブロンクスに隣接するマーブル・ヒル(英語版)もかつてはマンハッタン島の一部であったが、スパイテン・ダイヴィル川の付け替えにより現在はマンハッタン島から分離している。

マンハッタン島は1枚の岩盤から構成されており、島の大部分を構成している基盤岩はマンハッタン片岩 (Manhattan Schist) と呼ばれる雲母結晶片岩である。この岩は強度が高く、その構成成分の変成岩パンゲア大陸が形成された過程で作られた。この岩盤上は高層ビルの建設に適しており、ダウンタウンミッドタウンの表面はこの岩石に富んでいるためこれらのエリアには高層ビルが多く建ち並んでいる[2][3]セントラルパークにはマンハッタン片岩の露頭があり、ラット・ロック(英語版)はその一例である[4][5]

地形は沿岸部に向かって極緩い傾斜があるほか、ダウンタウンからアップタウンに向けては緩やかに上る地形となっている。これはコロンビア大学付近を頂上とし、モーニングサイド・ハイツなどの高所を抜けると北に向けて大きく下がり125丁目が谷間となる。そこから北は再び高度は上がり、マンハッタン北部のインウッドまで高台が続く。埋め立ては、沿岸の埠頭部分などに限られている。
その他の小島

ルーズベルト島は、マンハッタン島の東を流れるイースト川の中州であり、南北に細長い島である。その先はクイーンズ区となる。ニューヨーク市地下鉄の駅があり、マンハッタン島とはルーズベルト・アイランド・トラムウェイロープウェイ)でも結ばれている。

ガバナーズ島はマンハッタン島の南のニューヨーク湾にある。かつては、マンハッタン島の至近距離にありながら、沿岸警備隊の中枢施設があり公共輸送機関はなかった。しかし、2003年1月に国から州および市へ1ドルで売却され、一般に開放されて、現在ではマンハッタン島南端のバッテリー・パークからフェリーが運航されている。イギリス植民地時代の総督の保養地であり、独立戦争では対英軍のための要塞、南北戦争では南軍の捕虜収容所となった。

エリス島は、マンハッタン島の南西部ハドソン川河口付近にあり、移民博物館となっている。こちらへもバッテリー・パークからフェリーが運航されている。

いずれの島も、マンハッタン島との間の橋はない。ルーズベルト島は、クイーンズに繋がる橋がある。橋の数が少ないのは意図的なものでマンハッタンからの経済流出を防ぐためである。そのため、マンハッタン区とその他のニューヨーク市区域の光景は大きく異なる。東側のイースト川には、クイーンズ/ブルックリン地区と結ぶ5本の橋が、ハーレム川には15本の橋が架かっている。また、地下鉄の線路が7本走る。これに対しニュージャージー州(西側・ハドソン川)には橋が1本、道路トンネルが2箇所、鉄道トンネルが2本通っているのみである。これは、イースト川は市内を流れる川であるのに対し、ハドソン川は州を区切る川であることによる。合衆国において、州が独立性の高い構成単位であることを示していると言われる。「ニューヨーク市の橋とトンネル」も参照
地名

Manhattanの名はインディアン部族のデラウェア(レナペ)語の「丘の多い島」を意味する "Mannahate"、"Manna-hata" に由来するとされる。一方、レナペ族は宣教師のジョン・ヘッケウェルダーに、"Manahachtanienk"(マナハクタニエンク)から来たと説明している。これは「我々がみな、酔っぱらいにされた島」という意味である。
気候2006年降雪

緯度としては日本の青森県に位置し、やや冷涼な気候ではあるが、区分上は温帯気候である。

春:冬の期間が長く、春は4月頃から始まる。

夏:気温は最高でも摂氏約33?5度程度であるが、多湿であり、体感温度は高い。いわゆる盛夏は1か月程度である。6月くらいから9月中旬。

秋:9月下旬から10月の短い期間。

冬:11月?3月までと冬は比較的長い。セントラルパークの沼が完全に凍るなど冷え込みは厳しく摂氏-10度程になり、海からの風により体感温度は最低-25度近くになることもある。

ハリケーンの進路に当たることもあるが、大西洋岸を北上する途中で勢力を弱めることが多い。夏場には夕立が多い。梅雨がないので降雨量は日本に比べ少ない。冬場の冷え込みは厳しいが、降雪はそれほど多くない。降った場合でも街の熱と除雪により直ぐに除去される。気温は日中でも摂氏マイナス10?15度ほどになる。沿岸都市のため、海から吹く風が強い日が秋を中心に見られ、体感温度を下げる。湿度は比較的低い。都市部特有のヒートアイランド現象の影響がある。秋・冬は北方からの冷たい空気、夏は大西洋南方からの暖かい空気により気温の変化がもたらされる。
人口

統計年人口増減率
16561,000-
16986,788+578.8%
171110,538+55.2%
173011,963+13.5%
17318,628?27.9%
175615,710+82.1%
177321,876+39.2%
177423,600+7.9%
178229,363+24.4%
179033,131+12.8%
180060,489+82.6%
181096,373+59.3%
1820123,706+28.4%
1830202,589+63.8%
1840312,710+54.4%
1850515,547+64.9%
1860813,669+57.8%
1870942,292+15.8%
18801,164,674+23.6%
18901,441,216+23.7%
19001,850,093+28.4%
19102,331,542+26.0%
19202,284,103?2.0%
19301,867,312?18.2%
19401,889,924+1.2%
19501,960,101+3.7%
19601,698,281?13.4%
19701,539,233?9.4%
19801,428,285?7.2%
19901,487,536+4.1%
20001,537,195+3.3%
20101,585,873+3.2%
20181,628,701+2.7%
参考文献
[6][7][8]
アメリカ合衆国国勢調査局[9]

以下はマンハッタンの人種別の人口構成。

人口構成2018年[10]2010年[11]1990年[12]1950年[12]1900年[12]
コーカソイド(白人)64.5%57.4%58.3%79.4%97.8%
 他の人(ヒスパニック系ではない)47%48%48.9%不明不明
アフリカ系アメリカ人(黒人)17.9%15.6%22.0%19.6%2.0%
ヒスパニック(人種は様々)25.9%25.4%26.0%不明不明
アジア系12.8%11.3%7.4%0.8%0.3%

宗教

マンハッタンは宗教的に多様である。 2000年に最大の宗教的所属はカトリック教会で、564,505人の支持者(人口の36%以上)で、110の会衆を維持していた。 ユダヤ人は、102の会衆で314,500人(20.5%)の2番目に大きい宗教グループを構成した。3番目はプロテスタント、139,732人のフォロワー(9.1%)、4番目はイスラム教徒、37,078(2.4%)である[13]ヒンズー教無神論および無宗教を含む他の宗教的所属が、残りの大半を構成した。


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