マンチェスターは産業革命の進展と共に急成長し、1851年には30万人以上の人口を擁していた。更にその後も順調に発展を続け1930年代には市域人口がおよそ75万人に到達し、ロンドン・リバプール・バーミンガムに次ぐ大都市として英国経済を支えた。
しかしその後イギリスは『英国病』と呼ばれる長期不況に突入。マンチェスターは主力の繊維産業や日用品製造などの軽工業が衰退し、人口は急激に減少していった。それと共に中心部には放置された空き工場や無人住居、空き地、倉庫などが目立つようになっていく。
1980年代、地方自治推進政策や産業構造転換により街は徐々に息を吹き返し、金融機関や新聞社・テレビ局などのメディア企業、学術機関、研究所などが立地するようになり人口は2000年前後にようやく下げ止まり、増加に転じた。
現在では市域内人口こそ全国第6位(ロンドン、バーミンガム、リーズ、グラスゴー、シェフィールドに次ぐ)であるものの、国全体の都市の位置づけとしてはバーミンガムなどと並んで2位、3位あたりを争うと言われている。市域人口は2018年現在547,627人で徐々に回復している。移民の流入が多く、中でも市中心部を中心としてインド人や中国人、黒人の増加が目立っている。非白人の全住民に占める割合は20%近くに達し、ロンドンやバーミンガム、リーズなどと並んで多民族都市の色彩が濃い。
なお市の年齢構成は2007年時点で0?14歳が17.0%、15?24歳が20.7%、25?64歳が51.0%、65歳以上が11.2%となっている。大学が多いことなどもあり、若年人口が多いことが特徴である。[9]
マンチェスターの人口の推移年1881191119311961198120052018
人口516,868711,941751,292612,537437,660441,200547,627
経済マンチェスターシティセンターにあるディーン・ゲート・スクエア(2021年)
近年新都心として、「ディーン・ゲート・スクエア」が都市開発され、オフィス機能の集積が進められている。 ⇒Index of Multiple Deprivation 2004 によれば、マンチェスター市の1世帯当たり平均年収は16,500ポンド(約358万円)で英国平均21,300ポンド(約462万円)より2割あまり少ない。なお都市圏(グレーター・マンチェスター)全体では19,400ポンド(約421万円)となり、市単体よりもやや多くなる。生活保護を受けている世帯は割合にして英国平均の約2倍に上り、全体には中・低所得者が多い。→ ⇒[3] ハレ管弦楽団およびBBCフィルハーモニックが本拠をマンチェスターに置き、1996年以降は音楽ホールとして新たに建設されたブリッジウォーターホール
生活水準
交通メトロリンク
鉄道
マンチェスター・ピカデリー駅 - イングランド北部最大のターミナル駅のひとつ、長距離列車の多くが発着。
マンチェスター・ヴィクトリア駅 - イングランド北部地方内の近郊路線が主。
マンチェスター・メトロリンク - マンチェスターの路面電車は1949年に廃止されたが、1992年に全く新しいライトレールシステムとして復活した。
空港
マンチェスター空港 - イングランド北部の拠点空港で、国際線も充実している。
文化
音楽
マンチェスターは1960年代以来、ポップス・ロック・テクノなどの分野の著名なミュージシャンやバンドを多く輩出している。英国を代表するロックバンドのニュー・オーダーや808ステイト、ザ・スミス、ハッピー・マンデーズ、ザ・ストーン・ローゼズ、オアシス が結成された地である。特に1980年代後半にはファクトリー・レコードを中心にマッドチェスターというジャンルが生み出された。
グループ
ザ・ホリーズ
ハーマンズ・ハーミッツ
ビージーズ
10cc
バズコックス
ジョイ・ディヴィジョン
ニュー・オーダー
ザ・スミス
エレクトロニック
ジェイムス