一方、マレー系実業家の多くは政府と癒着関係にあり、官製企業の主要役職を務めていることが多い。たとえば、プロトン社長のサイド・ザイナル・アビディンや、ペトロナスCEOにして原油輸出に関する国営企業AET(英語版)の会長を務めるシャムスル・アズハル・アッバスなどである。
インド系は概して貧しい傾向にあるが、通信大手マクシス・コミュニケーションズの買収に成功した投資家にして国内第2位の富豪であるアナンダ・クリシュナン(英語版)のような例外も存在する。また、印僑の父とポルトガル系マレー人(マラッカの少数民族)の母を持つトニー・フェルナンデス(エアアジア代表)のような人物も存在する。
交通詳細は「マレーシアの交通 (英語版)」を参照
鉄道「マレーシアの鉄道」を参照
マレー鉄道がタイ国境(西線。東線は国境付近まで)からシンガポール(マレー鉄道のシンガポール国内区間はマレーシアの権益)まで縦断しているほか、クアラルンプール周辺では高架電車や近郊通勤列車、モノレールが整備されている。
マレーシアではペナンとバターワースを結ぶリニアモーターカーの建設プロジェクトがあり、クアラルンプールとクアンタン、クアラルンプールとジョホールバルを結ぶ時速350キロの高速鉄道建設プロジェクトも検討されており、マレーシアの鉄道は近代化し高速化もする見込みである[39]。
自動車詳細は「マレーシア車(英語版)」を参照プロトの自動車
イギリスの植民地時代から道路が整備されていたが、特に近年は都市部を中心に道路の整備が進んでおり、高速道路網の整備は非常に進んでいる。市街地では国産車・プロトンを使ったタクシーやバス路線網が発達しているが、一部整備状態の悪い車両もあり、またタクシーにおいては不当請求が常態化するなどの問題もある。
航空「マレーシアの空港の一覧」を参照マレーシア航空
国内の主要都市は、「ナショナルフラッグ・キャリア」のマレーシア航空や格安航空会社のエアアジアなどの航空会社により結ばれているほか、これらの航空会社が諸外国との間を結んでいる。
特に東南アジアのハブ空港のひとつとして1996年に完成したクアラルンプール国際空港は、ヨーロッパとオーストラリアとの間を結ぶ「カンガルー・ルート」の中継地のひとつとして利用されている。 マレー半島は海のシルクロードと呼ばれており、中世の頃に中国、インド、中東そしてヨーロッパからも貿易商人が訪れた。 3つの主要民族と地域の歴史が複雑に入り混じって並存するマレーシアは、民族構成がきわめて複雑な国のひとつであり、多民族国家である。単純な人口比では、マレー系(約65%)、華人系(約24%)、インド系(印僑)(約8%)の順で多い。
国民マレーシアの人々詳細は「マレーシアの人口統計(英語版)」を参照
多民族国家・民族構成
ほかにも、先住民ではない少数民族として民族間における混血グループが複数存在し、華人系の混血(ババ・ニョニャ)やインド系とマレー系の混血(チッティ)、旧宗主国などのヨーロッパ系移民とアジア系の混血(ユーラシアン)が少数民族集団(マイノリティグループ)を形成している。 マレーシアの華人の歴史は、主に広東省などから貿易業の移住者が始まりとされ、英国植民地時代には錫鉱労働者、清朝崩壊(あるいは中国国民党の追放)後の政治難民もいる(浙江財閥など)。 華人系マレーシア人の多くが話す中国語は、広東語や福建語、客家語、潮州語(まれに上海語)といった南方系方言であり、中国本土で一般的に使われる標準中国語の普通話(北方系方言由来)とは異なる。ただし、多くの華人系の子女は中華系の学校に就学し、標準中国語(Mandarin) を学び、標準中国語と普通話は差異が小さいため、普通話との意思疎通は可能である。一方、プラナカンのように中国語がまったく話せない華人系住民も少なくなく、また中国語での会話はできるが漢字が読めない華人系は多数存在する。 ちなみに、かつてマラッカ海峡を拠点とした海賊(後期倭寇)の末裔もいるとされるが、統計的に言えば「華人系」のカテゴリに吸収される。華人系には極少数であるがイスラム教徒もいる[40]。 イギリス統治下において奴隷的な立場で連れられてきた賃金労働者の子孫(苦力など)[41] も多数存在している。
華僑系住民