マレー半島南部(国土の4割)とボルネオ島北部(同6割)を領土とする。マレー半島でタイと、ボルネオ島でインドネシア、ブルネイと接する。領海はシンガポール、フィリピン、ベトナムと接する。
インドネシアとはボルネオ島で広く隣接する。ほぼ同じ言語の国であり、ともに最大の宗教がイスラムである(ただし、マレーシアではイスラムは国教となっているがインドネシアではそうではない)。なおボルネオ島はインドネシアではカリマンタン島と呼ばれている。
シンガポールとはジョホールバルの南からコーズウェイ(土手道)で、またジョホール州西部からはセカンドリンクと呼ばれる大橋で結ばれており経済的なつながりが強いが、政治的には衝突することが多い。
ブルネイとはボルネオ島のサラワク州で国境を接し、同じ言語、宗教の国である。なおブルネイには飛地があり、マレーシアとの国境線は2本ある。
フィリピンとは海域で接している。フィリピン諸島とボルネオ島の間に連なるスールー諸島にかつては王国が存在した。
一般的にはマレー半島の部分が「半島マレーシア(地区)」(Semenanjung Malaysia)、ボルネオ島の部分は「東マレーシア(地区)」(Malaysia Timur) と呼ばれる。東マレーシアのサバ州および、サラワク州は独立性が高く、ほかの州(サバ州、サラワク州との相互往来を含む)との往来はマレーシア国民であってもパスポートを必要とする。マレー半島部分は南北740キロ、東西320キロで、ティティワンサ山脈が走る。ボルネオ島のキナバル国立公園にはUNESCO世界遺産に登録され、マレーシア最高峰のキナバル山(標高4,095メートル)がそびえる。熱帯気候だが海に囲まれるため気温はあまり高くなく、湿度は1年を通じて高い。4月から10月の南西モンスーンと11月から3月の北東モンスーンの影響で年間降水量は2,500ミリに達する。マレー半島をカバーする山地はテナッセリム丘陵と呼ばれ、北はタイまで延びる。半島には南北に伸びる東西2列の山地があり、東側はビンタ山脈、西側はティティワンサ山脈と呼ばれる。最高峰は東側のタハン山(標高2,187メートル)と西側のコルブ山(標高2,183メートル)である。
地方行政区分詳細は「マレーシアの行政区画」を参照クアラルンプール
13の州と3つの連邦直轄領から構成される[27]。
主要都市町村
詳細は「マレーシアの都市の一覧」を参照
クアラルンプール
ジョホールバル
ジョージタウン
イポー
コタキナバル
マラッカ
バターワース
アロースター
クラン
サンダカン
ミリ
クチン
クアラ・トレンガヌ
経済ジョホール州で工業団地の例詳細は「マレーシアの経済(英語版)」を参照
IMFによると、マレーシアの2013年のGDPは3,124億ドルであり、一人当たりの名目GDPは10,548米ドルである。2015年の1人あたり国民総所得(GNI)は10,570米ドルであり[28]、世界銀行による高所得国の基準である12,476ドルにはわずかに及ばず高・中所得国に位置づけられる[29]。日本(2015年1人あたりGNI36,680ドル)、シンガポール(同52,090ドル)、香港(同56,878ドル)、ブルネイ(同37,320ドル)などには遠く及ばないものの、一人当たりのGDPが10,000ドル以上という数値は、アジアの熱帯地域の中では珍しく高い方であり、東ヨーロッパのロシア(同11,400ドル)やルーマニア(同9,500ドル)、クロアチア(同12,690ドル)などと同水準である[28]。
イギリス植民地時代からのゴムのプランテーションや錫の採掘、天然ガスの掘削など、特定の農作物や鉱物の生産が盛んであるが、マハティール・ビン・モハマド首相の指導の下、従来の農作物や鉱産物の輸出、観光業に依存した体質からの脱却を果たし、2020年に先進国入りするとの目標「ワワサン(マレー語でvisionの意)2020」を掲げた。