マルチタッチ
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マルチタッチが発展し始めたのが1991年からで、ピエール・ウェルナーが数本の指とピンチングモーションをサポートしたマルチタッチの「デジタルデスク」を論文として発表した[7][8]

初期のタッチスクリーン地図用のテーブルインターフェースの一部として、ダニー・ヒリスによって、現在「ピンチ・トゥ・ズーム」と呼ばれるズームインターフェースを制御するために複数のタッチポイントを使用すること発明が公開され、特許を取得した[9]。マルチタッチにはいくつかの特許があるが、後に法廷紛争となった事例として、アップル社とサムスン間での「ピンチ・トゥ・ズーム」がある。これは「ピンチ・トゥ・ズーム」特許に関するアップル社の主張を、ヒリスの特許に記載されているという理由で却下したUSPTOの決定[10]根拠となった。

21世紀始めにこれらの発明により数社の企業が拡大していった。フィンガーワークス(英語版)という企業はタッチストリームキーボード、iGesture Padといった数種類のマルチタッチ技術を1999年から2005年の間に開発した。マルチタッチ技術のいくつかの研究は2000年代初期にコーネル大学のヒューマンファクター・人間工学教授のアラン・ヘッジによるものである[11][12][13]Appleがフィンガーワークスと同社のマルチタッチ技術を買収したのは2005年のことである。マルチタッチ技術が主流となっていったのはiPhoneが人気を得ていった2007年のことでアップルがiPhoneの発表で「マルチタッチを発明した」と述べた[14]。発表やキャパシティブモバイルスクリーンのようなアプリケーション領域を除く特許の出願以前のマルチタッチに関する機能や用語は少なくともアップルとフィンガーワークスによる技術以前は存在していない(フィンガーワークスは2001年から2005年の間に特許を出願しており[15]、その後改良されたマルチタッチはアップルが特許を取得している[16])。アップルは最初に携帯電話でマルチタッチを搭載したことになる[17]。2001年に開発が始まったマイクロソフトのテーブルトップタッチプラットフォームであるMicrosoft PixelSenseはユーザーによるタッチと自身の電子デバイス両方による対話を可能にする。同じく2001年に三菱電機の米国研究所がダイアモンドタッチ(英語版)というマルチタッチ、マルチユーザーシステムの開発を始めた。静電容量式がベースだが、ユーザー(各ユーザーの椅子や立っているユーザーのフロアパッド)を同時に識別できる。商品化されたのは2008年のことだった。

小型化されたタッチデバイスの一般化は急速になっており、タッチスクリーン携帯電話の出荷台数は2006年の20万台から2012年の2100万台にまで増加されると予想されている[18]
ブランド・製造メーカーiPadバーチャルキーボード

アップルはマルチタッチ技術を使用した製品を数多く販売しており、特に有名なのがスマートフォンのiPhoneとタブレットのiPadである。さらに、アップルはユーザーインターフェイスにおけるマルチタッチの実行に関する特許を持っており[19]、加えてアメリカ合衆国で「マルチタッチ」を商標登録しようとしたが、米国特許商標庁普通名称と判断したため承認しなかった[20]

マルチタッチによる感知や処理はタッチ面に張り付いているASICセンサーを経由する。通常、別々の企業で生産されたASICとスクリーンを組み合わせてタッチスクリーンとなるが、トラックパッドの表面とASICは通常同じ企業によって生産される。カジュアルユーザーから多国籍企業まで全てのためのシステム設計によるマルチタッチ産業の成長によって数年で拡大した大企業もある。

今どきの一般的なラップトップ製造メーカーは自社のラップトップやタブレットにマルチタッチトラックパッドを搭載しており従来のスタイラス入力からタッチ入力に取って代わっており、従来の多くのオペレーティングシステムに対応している。

一部の企業はパーソナルエレクトロニクスに代わって大型マルチタッチテーブルや壁面の大型面コンピューティングに注目している。これらのシステムは政府組織、博物館や企業が情報の伝達手段や展示ディスプレイとして使用している。
実行

マルチタッチはインターフェイスのサイズや種類によっていくつかの違った方法で実行されている。もっとも普及している形状は携帯デバイス、タブレット、タッチテーブルや壁である。タッチテーブルや壁はLEDバックライトによってアクリル板やガラス板を通して描写される。

種類[21]

静電容量技術

表面静電容量技術(英語版)もしくはニアフィールドイメージング (NFI)

投影型静電容量タッチ (PST)

相互キャパシタンス

セルフキャパシタンス


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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