マフムード・アッバース
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2012年11月2日に放映されたイスラエルの民放番組で、「私にとって(東エルサレムを含む)ヨルダン川西岸ガザがパレスチナであり、それ以外はイスラエルだ」「私は難民だが、現在はラマッラーに住んでいる」「(生まれ故郷の)サファド(ツファッド)を訪ねることは私の権利であるが、住むことはそうではない」などと述べ、パレスチナ難民の帰還権について大幅に譲歩するとも受け取れる発言をした。イスラエル側は同年11月3日、シモン・ペレス大統領が直ちに歓迎する声明を発表し、「議長の勇気ある言葉は、イスラエルが和平の真のパートナーを有していることを示している」「われわれは最大限の尊敬をもってその言葉に応えなければならない」などと表明した。しかし、パレスチナ側では「現実的」と評価する声がある一方、ハマースイスマーイール・ハニーヤ指導者は「極めて危険なものだ」「生まれ故郷への帰還権を放棄する発言を行うことは誰であっても許されない」と強く反発、PLO反主流派最大派閥のパレスチナ解放人民戦線(PFLP)も、「難民帰還は譲歩できない権利だ」と反発しており、波紋が広がった[11]

2015年3月のアラブ連盟首脳会議では挙国一致内閣を主宰する身でありながらガザ地区への爆撃を提案してハマースから非難を受けた[12][13]
主張

2023年8月のファタハ幹部に対して行った演説において、
ホロコーストについて「ヒトラーユダヤ人を殺したのは、彼らがユダヤ教徒だったから」というのは「真実ではない」とし、「(欧州で)ユダヤ人が敵視された原因は、宗教とは関係なく、社会的役割にある。高利貸し行為と財産だ」と主張した。パリ市はこの発言を受けて2015年に授与した同市最高位の勲章「パリ市大金章」を剥奪した[14]

日本との関係

訪日歴は数度ある。一度目は1981年、アラファト議長の訪日に同行しての訪日。二度目は2005年5月の実務訪問賓客としての訪日で、このときは皇太子徳仁親王(当時。令和時代の天皇)に謁見したほか、小泉純一郎首相・町村信孝外相と会談した。三度目は2010年2月で、鳩山由紀夫首相と会談したほか、同年2月7日には広島県広島市を訪問し、原爆死没者慰霊碑への献花、原爆ドーム等の視察を行った[15]。四度目は2012年4月の実務訪問賓客としての訪日で、野田佳彦首相と会談したほか、同年4月12日には、東日本大震災で被災した宮城県名取市を視察した[16]

2019年10月21日に迎賓館赤坂離宮安倍晋三内閣総理大臣と会談を行い、翌22日の即位礼正殿の儀に参列した[17]
脚注^ パレスチナ自治政府の「大統領」は、英語の President、アラビア語の ???? (ra‘īs) の訳語である。日本語の報道では「自治政府議長」や単に「議長」とすることがあるが、実際には自治政府の元首にあたる役職である。日本政府は従来この職を「自治政府長官」と呼んできたが、2005年5月のアッバース訪日にあわせて「大統領」に呼称を変更した。
^ Zanotti, Jim、2010年1月8日「 ⇒The Palestinians: Background and U.S. Relations」『CRS Report for Congress』RL34074号(2011年1月23日閲覧)27ページ目参照
^Аббас на глиняных ногах (Abbas on the feet of clay), Kommersant-Vlast No. 2(605), 17 January 2005) (Russian)
^ David Seddon (2004). A political and economic dictionary of the Middle East. Taylor & Francis. pp. 1?2. ISBN 978-1-85743-212-1.
^ 日本政府外務省 (2007年5月). ⇒“マフムード・アッバース(アブー・マーゼン)パレスチナ自治政府大統領兼パレスチナ解放機構(PLO)執行委員会議長略歴”. ⇒http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/plo/cv/r_abumazin.html 2015年1月20日閲覧。 
^ Arafat vs Abbas. Al-Ahram Weekly, 17?23 July 2003,
^ 英国放送協会「 ⇒Abbas achieves landslide poll win」『BBC NEWS』(2011年1月23日閲覧)参照。
^ 2008年イスラーム諸国会議機構第33回外相会合バクー決議
^ Issacharoff, Avi (March 29, 2007). "Arab states unanimously approve Saudi peace initiative". Haaretz.
^ Arab peace plan ads in Israeli papers. The Brunei Times. November 21, 2008.
^ しんぶん赤旗 2012年11月5日 国際欄
^[1]


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