マノエル・ド・オリヴェイラ
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父親は電球の製造工場を経営しており、オリヴェイラ自身も17歳で父の会社に入って以降、人生の大半を実業界で過ごすこととなった。

一方で、若い頃から俳優を志し、20歳の時にイタリアの映画監督リノ・ルポが主宰する俳優養成所に参加した。1931年、デビュー作となる短編ドキュメンタリー『ドウロ河』を監督。1942年には初の長編である『アニキ・ボボ』を発表したが、興行的には失敗に終わり、オリヴェイラはその後しばらく映画から離れて本業に専念することとなった。1950年代後半から1960年代前半にかけて数本のドキュメンタリー作品を撮ったものの、当時のアントニオ・サラザール政権(エスタド・ノヴォ)を批判して逮捕されたこともあって、映画監督としてのキャリアは低空飛行が続いた。

60歳を過ぎてから、再び本格的かつ定期的に作品を創り上げるようになった。63歳の時に撮った『過去と現在 昔の恋、今の恋』(1971年)以降世界的に注目を集め、1980年代に入り70歳を過ぎてからは1年に1作に近いペースで新作を撮り続けた。

2006年、97歳の時にルイス・ブニュエル監督の『昼顔』(1967年)のオリジナル続篇『夜顔』を撮り上げた。2007年第60回カンヌ国際映画祭オムニバス映画『それぞれのシネマ』に参加、3分の短篇を撮る。さらに同年『コロンブス 永遠の海』を、2009年ブロンド少女は過激に美しく』を監督。この撮影中に100歳の誕生日を迎えた。その後2010年には新作『O Estranho Caso de Angelica』を撮り上げた。2014年の秋には、105歳で『レステルの老人』をベネチア映画祭に出品した。2015年4月2日、106歳で死去[3][4]
主な監督作品

ドウロ河 Douro, Faina Fluvial(1931年)

アニキ・ボボ Aniki Bobo(1942年)

春の劇 Acto da Primavera(1963年)

過去と現在 昔の恋、今の恋 O Passado e o Presente(1972年)

フランシスカ Francisca(1981年)

文化都市リスボン Lisboa Cultural(1983年)

繻子の靴
O Sapato de Cetim(1985年)

カニバイシュ Os Canibais(1988年)

ノン、あるいは支配の虚しい栄光 'Non', ou A Va Gloria de Mandar(1990年)

神曲 A Divina Comedia(1991年)

アブラハム渓谷 Vale Abraao(1993年)

階段通りの人々 A Caixa(1994年)

メフィストの誘い O Convento(1995年)

世界の始まりへの旅 Viagem ao Principio do Mundo(1997年)

不安 Inquietude(1998年)

クレーヴの奥方 La lettre(1999年)

家路 Je rentre a la maison(2001年)

家宝 O Principio da Incerteza(2002年)

永遠の語らい Um Filme Falado(2003年)

O Quinto Imperio - Ontem Como Hoje(2004年)

Espelho Magico(2005年)

夜顔 Belle toujours(2006年)

コロンブス 永遠の海 Cristovao Colombo - O Enigma(2007年)

それぞれのシネマ(2007年)※オムニバス映画、3分の短篇

ブロンド少女は過激に美しく Singularidades de uma Rapariga Loura(2009年)

アンジェリカの微笑み(英語版) O Estranho Caso de Angelica(2010年)[5]

家族の灯り O Gebo e a Sombra(2012年)

ポルトガル、ここに誕生す?ギマランイス歴史地区 Centro Historico(2012年)※オムニバス

レステルの老人 O velho do Restelo(2014年)

脚注[脚注の使い方]^ Manoel de Oliveira - Biography
^ポルトガル映画祭 2010
^ “マノエル・ド・オリベイラ氏が死去 ポルトガルの映画監督”. 日本経済新聞 (2015年4月3日). 2020年11月17日閲覧。
^[1]
^ “マノエル・ド・オリヴェイラ101歳時監督作の邦題が決定、12月に公開”. 映画ナタリー (2015年9月4日). 2015年9月14日閲覧。


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