マツ
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タイワンゴヨウマツ[25] P. morrisonicola

台湾に分布。現地名は台湾五針松。樹高は25m程度になる中型種。種小名morrisonicolaは「モリソン山に住む」の意味。モリソン山とは台湾最高峰の玉山(標高3952m)の欧米での呼び名であり、台湾産種の学名にはよく登場する。この山は日本統治時代には新高山と呼ばれ、こちらは和名でよく見られる。


モンチコラマツ[32] P. monticola

北米西部山岳地帯に分布。英名はWestern White Pine(西の白いマツ)、高山種でありながら条件次第で樹高50mに達する巨大種で林業用樹種として有用であったが、五葉マツ類発疹さび病によって壊滅的な被害を受けた。種小名のmonticolaは「山に住む」の意味[28]


ゴヨウマツ P. parviflora

日本原産。名は針葉が5枚になることから。北方系の個体と南方系の個体では形態的に異なり、一般に変種として認められている。この2変種の和名については混乱しており、南方系をヒメコマツ、北方系をゴヨウマツとするものや、その逆などはっきりとしていない[4]、分かりやすく南方種をゴヨウマツ、北方種をキタゴヨウマツと呼ぼうという提案などもされているようである[4]。種小名parvifloraは「小さい花」の意味[28]


P. peuce

ヨーロッパのバルカン半島北部の山岳地帯に分布。種小名peuceはギリシア語で松の意味[28]


ハイマツ P. pumila

シベリアから朝鮮半島、日本にかけて分布。寒冷地を好み、日本では北海道から本州中部の山岳地帯にかけて分布する。和名は地表を這うように生える樹形からの命名で学名のpumilaも小さいことを指す[28]。ただし、北方の分布地ではこの通りの樹形にはならないこともあるという。種子は動物散布型であり、また、マツとしては珍しく伏条更新と呼ばれる取り木的な方法で増えることが知られている。本州中央部の個体と北海道産個体を比較した場合、形態的な特徴、特に針葉の長さや針葉内の樹脂道の配置に明らかな違いがあるという[4]


P. strobiformis

アメリカ大陸南西部地域、メキシコ北部を中心に分布する。樹高30稀に40mに達する中大型種。種子は大きく鳥が好み、ネイティブアメリカンも食用にする。


ストローブマツ P. strobus

北米大陸北東部、五大湖周辺の広い地域に分布し東部では唯一の五葉松である。樹高60m、直径5m近くに成長することもある大型種。英名Eastern White Pine(東の白いマツ)。現地では有用な林業用樹種であり、欧米や日本(特に北海道)にも移入されて造林された。アジアからの侵入病害五葉マツ類発疹さび病に弱く壊滅的な被害を受けた。


ヒマラヤゴヨウ P. wallichiana

ヒマラヤ地域原産で時に森林限界まで分布する。針葉は長さ10-20cmと中程度だが、軟らかく垂れ下がる。


P. wangii

中国南西部、雲南省を中心に一部隣接するベトナム北部にも分布し、石灰岩土壌を好むという。個体数が減少している。中国名は毛枝五針松。
Cembra 節

球果は成熟後に自然に落果するものの、自然には開かず種子を撒き散らさない。球果は柔らかく、素手でも分解することは容易で種子には翼が無く大きい。種子の発芽には球果の腐敗か動物による散布が必要になるグループで一般に耐陰性は高い。


P. albicaulis

アメリカ北西部の山岳地帯に分布する五葉松の一種。樹皮は灰白色で細かくうろこ状に割れることから、英名はWhitebark pine(樹皮の白い松)、種小名albicaulisも同じく「白い幹」を表すラテン語である
[28]。幹が直立した場合の樹高は20mに達するが、森林限界付近の厳しい条件下では日本のハイマツ同様の匍匐型の樹形になる。本種の分布域ではモンチコラマツ (P. monticola) やP. flexilisなどの高山性strobus属が複数見られるが、樹皮の色、葉の長さと触り心地、球果の特性などで見分けることができる。


シモフリマツ[36] P. cembra

ウクライナからフランス・イタリアにかけて分布する五葉松、球果の大きさや葉内の樹脂道の数を除いてP. sibricaと酷似しており本種とは別種ではなく亜種や変種に当たるのではないかと考える学者もいる。


チョウセンゴヨウ P. koraiensis

シベリア・中国東北部、朝鮮半島にかけてと日本に分布。樹高30mに達する。シベリアではカラマツ属やトウヒ属の樹木とともに森林の主要な構成種であるが、日本では比較的まれな種である。木材採取を目当てに伐採される他、種子は食料として利用される。種小名koraiensisは朝鮮半島周辺を示す「高麗」に由来。シベリアでは違法伐採が後を絶たないことなどから、2010年(平成22年)10月付でロシア産の本種がワシントン条約附属書に記載され取引の監視が強化された。マツ属としては初である。


シベリアマツ P. sibirica

シベリアに分布。
Ducampopinus 亜属

Pinus亜属とStrobus亜属の中間の形態を示す小グループ。アメリカ西部からメキシコにかけての一帯と、東アジアに分布するが日本には一種も分布しない。葉断面の維管束は一つなのでStrobus亜属と同じく単維管束亜属に含まれることもあるが、葉の数・葉の付け根の鞘の取れにくさ・球果の形や硬さなどはPinus亜属に近く、Strobusとは別グループとして認めることが多い。
Parrya 節
Nelsonianae 亜節


P. nelsonii

メキシコ原産。樹高10 m程度の小型のマツ。針葉は3葉であるが基部では、癒着しておりまるで1葉のように見える。球果はカプセル型の独特の形で、長い柄を持つ。他のマツに比べると受粉後極めて速く受精に至り、球果は受粉同年に成長を開始し翌年に熟す。種子は食用。

長い柄が目立つ球果をつけるPinus nelsonii

Krempfianae 亜節


P. krempfii

ベトナム原産。マツ属の中で唯一、扁平の葉を持つ。

Pinus krempfiiイラスト

Gerardianae 亜節


シロマツ P. bungeana

中国原産。漢字表記は白松で、音読みからハクショウと呼ばれることも多い。針葉は3葉。樹皮は滑らかでマツとは思えない装いである。成木の樹皮は名の通り、白色になる。種小名bungeanaは中国やシベリアの植物を調べたAlexander Bungeに由来。


P. gerardiana

ヒマラヤ地域に分布。種子は食用でインド北部では「neje」や「chilgoza」と呼ばれる。


P. squamata


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