マツ
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ポンデローサマツ[25] P. ponderosa

和名は英名Ponderosa pineの直訳。英名は種小名前に由来し、その種小名ponderosaは「重量のある」の意味[28]。グループの中心となる種でアメリカ西部山岳地帯に広く分布し分布域はこのグループでは最大。地域差が大きくいくつかの亜種が認められている。サトウマツ(P. lambertiana)と並び最大樹高80mを超えるものが記録されている巨大種。アメリカ西部のロッキー山脈から西海岸にかけての地域は巨大な針葉樹が多く、ヒノキ科最大のセコイアデンドロンセコイア、マツ科カラマツ属の最大種であるLarix occidentalisもこの地域が原産である。


P. pseudostrobus

和名未定の種。メキシコから中米ホンジュラスにかけて分布。葉は垂れ下がる。


P. sabiniana

和名未定の種。カリフォルニアの乾燥した山岳地帯に広く分布。樹高15m程度の小型種、樹形は枝が細く葉の付き方も粗雑、葉の色も灰色味を帯び艶のない色なためか荒れた印象を受ける。英名Ghost Pine(幽霊の松)やGray Pine(灰色の松、活気のない松)、foothill pine(小さい丘の松)など、 種小名はイギリス人Joseph Sabineに因む。小柄な外見に似合わず球果は最大30cm以上になる巨大で種も大きく、先住民達の間でも古くから食用として認識されてきた。このため多数の現地名を持つ。


P. torreyana

カリフォルニア本土及び沖合の島に局所的に分布する。

widowmakers(未亡人製造機)の名前を持つ大きな球果

ポンデローサマツ

ポンデローサマツの樹皮

Pinus pseudostrobusの葉

Pinus sabinianaの球果

Strobus 亜属

一般に五葉松と呼ばれる仲間であり針葉は5葉、葉の付け根の鞘は落ちやすいのが特徴。葉内の維管束は一本であるから単維管束亜属とも呼ばれる。一般にその材は白く柔らかく英語ではWhite Pine(白いマツ)やSoft Pine(軟らかいマツ)類と呼ばれることもある。一般に2葉、3葉のマツ類より耐陰性は高いとされ、種子の散布も風だけでなく動物によって行うものもある。成長も2葉、3葉のものに比べると遅い。
Strobi 節


ヤクタネゴヨウ P. amamiana

日本原産。屋久島種子島に分布する五葉松で、和名の屋久種子五葉はここからきている。ただし下記のタカネゴヨウ(カザンマツ)の変種とも扱われることもある。絶滅危惧種。種小名は奄美という地名由来し、和名も「別名アマミゴヨウ」と呼ばれることもある。


タカネゴヨウ P. armandii

中国南部、山西省からインドシナ半島付け根の山岳地帯と台湾に分布。樹高35m直径1mに達する大型種で、種子は食用。中国名は華山松、華山とは陝西省にある険しい岩山である。


P. ayacahuite

 和名未定の種。メキシコ南部から中米西部の海抜2200-3500 mに分布。樹高40mを超えることもある大型種でアフリカなどでも栽培される。


P. bhutanica

和名未定の種。ヒマラヤ東部地域、ブータンから中国南西部にかけて分布する五葉松。樹高は25m程度の中型種、針葉は長めで30cm近くまで成長する。


P. chiapensis

和名未定の種。メキシコに分布。個体数が減少している。


P. dabeshanensis

和名未定の種。中国中部、湖北省安徽省の境にそびえる険しい岩山である大別山を中心に分布。中国名は大別五針松、種小名dabeshanensis共にこの分布地からきている。個体数が減少している。


P. dalatensis

和名未定の種。インドシナ半島の山岳地帯に分布。樹高は30 - 40mに達するという。


P. fenzeliana

中国南部の標高400 - 1800m付近に分布する。中国名は「華南松」や「広東松」。


P. flexilis

アメリカ西部のロッキー山脈沿いを中心に分布する五葉松の一種で森林限界の指標になることも多い高山種。樹高は低地で条件が良ければ20mに達するが、10m以下の灌木状のことも多い。葉は短くコントルタマツ (P. contora) に似るが、contortaは2葉。同じくロッキー山脈沿いで分布域の重なる高山性の五葉松であるP. albicaulisやP. monticolaに比べてやや南まで分布しニューメキシコ州までが範囲。種子は翼を持たない。アメリカ産strobus亜属共通でアジアからの侵入した五葉マツ類発疹さび病に弱い。木材内を顕微鏡で観察するとシュウ酸カルシウムの結晶が見えることが特徴的だという[35]


P. reflexa

北米アリゾナ・ニューメキシコに分布。上記P. flexilisと同種または変種ともみなされる場合もある。


サトウマツ[32]P. lambertiana

カリフォルニアに分布 。和名は英名Sugar Pineの直訳。P. ponderosaと共に最大樹高は80mを超すものが記録されている巨大種。球果も最大60 cmにもなる非常に大きく細長いもので別名ナガミマツ(長実松)とも呼ばれる。アジアからの侵入病害である五葉マツ類発疹さび病[注釈 4](White Pine Blister Rust) に弱い。


タイワンゴヨウマツ[25] P. morrisonicola

台湾に分布。現地名は台湾五針松。樹高は25m程度になる中型種。種小名morrisonicolaは「モリソン山に住む」の意味。モリソン山とは台湾最高峰の玉山(標高3952m)の欧米での呼び名であり、台湾産種の学名にはよく登場する。この山は日本統治時代には新高山と呼ばれ、こちらは和名でよく見られる。


モンチコラマツ[32] P. monticola

北米西部山岳地帯に分布。英名はWestern White Pine(西の白いマツ)、高山種でありながら条件次第で樹高50mに達する巨大種で林業用樹種として有用であったが、五葉マツ類発疹さび病によって壊滅的な被害を受けた。種小名のmonticolaは「山に住む」の意味[28]


ゴヨウマツ P. parviflora

日本原産。名は針葉が5枚になることから。北方系の個体と南方系の個体では形態的に異なり、一般に変種として認められている。この2変種の和名については混乱しており、南方系をヒメコマツ、北方系をゴヨウマツとするものや、その逆などはっきりとしていない[4]、分かりやすく南方種をゴヨウマツ、北方種をキタゴヨウマツと呼ぼうという提案などもされているようである[4]


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