マツ綱
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ケイロレピディア科[15][16][17](ケイロレピス科[18][19][注釈 2] Cheirolepidaceae も球果植物であると考えられており、針葉樹目 Coniferales に置かれることも[20]、ボルチア綱 Voltziopsida Doweld, 2001 内の独自の目 Cheirolepidiales J.M.Anderson & H.M.Anderson, 2007 または Hirmeriellales Doweld, 2001 に置かれることもある[21][注釈 4]
形態「球果植物」および「グネツム類」も参照

球果植物(針葉樹類)とグネツム類では、大きく形態が異なる。
多胚形成

マツ綱では、受精卵の最初の数回の遊離核分裂において、遊離核のそれぞれがとして発生を始め、1つの受精卵から前胚(ぜんはい、proembryo)と呼ばれる複数の胚が形成される[22][注釈 5]。これを多胚形成と呼ぶ[24][25]。これらの胚は配偶体の基部方向に伸長して先端に細胞塊を形成し、その中に茎頂端幹細胞が形成される[22]。前胚は互いに独立して競争的に成長し、最終的にはそのうち1つが胚となる[22][24]
雌性胞子嚢穂「球果」も参照

マツ綱の雌性胞子嚢穂(大胞子嚢穂)の形態は多様化しており[26]マツ目ヒノキ科コウヤマキ科ナンヨウスギ科など(針葉樹類)では苞鱗種鱗複合体を持つ雌性胞子嚢穂(雌性球果)を形成するのに対し[27]、ヒノキ目のマキ科イチイ科グネツム類ではの葉腋に胚珠と小苞からなる枝を形成する[28]

グネツム類では胚珠の珠皮が周りの小苞より長く胚珠から伸びだし、珠孔管を形成するという形質を共有する[28][29]。針葉樹類の雌性球果やグネツム類の雌性胞子嚢穂は化石裸子植物であるボルチア類の持つ雌性胞子嚢穂が変化して形成されたものであると考えられている[26]
受精

マツ綱では、精子花粉管によって卵に輸送される花粉管受精(かふんかんじゅせい、siphonogamy)を行う[30][31]。これは被子植物とは独立に獲得されたと考えられている[30]。グネツム類のグネツム属マオウ属 Ephedra、マツ類、ヒノキ類では1つの雄性配偶体は卵と癒合して胚を形成するが、もう1つは胚溝細胞と融合するもののそのまま数回分裂して消失する[30][32]。そのため、被子植物の重複受精とは異なり、栄養組織は形成されない[33]
下位分類

Yang et al. (2022) に基づくマツ綱のまでの下位分類を示す。

各クレードの分類階級は用いる分類体系によって様々である。例えば、グネツム類は3科を合わせて1つの目とされることも[9]、逆にマツ綱から独立させ1つの綱[34]や門[35]とされることも多かった。また、長谷部 (2020) では、ヒノキ目はナンヨウスギ目も含む(ヒノキ類を指す)分類群として扱われている[5]
マツ綱 Pinopsida Burnett


グネツム亜綱[36] Gnetidae Pax


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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