監督のジョージ・ミラーは医学生時代に負傷者を搬送する救急車に同乗したことがあり、この経験がバイオレンスシーンの参考になったという。もっとも、劇中での直接的なバイオレンス描写は少なく、代わりにそれを暗示させる映像効果を挿入することで表現している(例:マックスが病床のグースを見た瞬間、画面が不気味に揺らめく)。
1970年代のオーストラリアでは暴走族が社会問題化しており、暴走族やバイクが登場する映画が多数制作された。特に1974年のマッドストーンは主要キャストの多くがマッドマックスにも出演している。
低予算映画であり、その大半をフォード・オーストラリア製のファルコンXBを改造したインターセプターを始めとする車輌の改造に費やしたため、金銭的な余裕は無かった。撮影の多くで既存の建物を利用しており、M.F.P.が入っていた司法省のビルは昔の水道局のものを、地下駐車場はメルボルン大学のものを使っていたという。『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』に抜かれるまでは「制作費と興行収入の差が最も大きい映画」としてギネスブックに掲載されていた。
スタントマンによるアクション・シーンでは、無謀な撮影により2名の死者が出たと噂された。DVDのコメンタリーでも「死者が出た」となっているが、グース役のスティーヴ・ビズレーや元撮影スタッフなどのインタビューなどでは否定されている[注 7][注 8]。
クライマックスのトーカッターとトラックの激突シーンの撮影は、車両が破損する事にトラックの持ち主が難色を示したため、車体前面に鉄製の頑丈なガードを取り付けて行われた。ガードに貼り付けた板にはトラックのライトやラジエーターのイラストが描かれ、ライトが点灯したときの黄色い色までつけてある。衝突場面はロングショットでの撮影であったが、そのままでは呆気無い最期となるため製作陣は剥き出た両眼のアップを挿入する事でショッキングさを強め、よりインパクトのある場面となるよう演出した。この手法は後のシリーズにも活かされる事になる。
オーストラリアの俳優はオーストラリア特有の訛りがあるため、劇場公開時にはアメリカ人による吹き替えの英語版に差し替えられた。吹き替えは配給会社の判断だった模様で、監督のミラーは事前の断りも無く声を差し替えられたことに対して不満を露わにしている。 主演のオーディションに現れたメル・ギブソンはボロボロの服装だった。前夜に喧嘩をして、そのまま来たという。これをミラーが気に入って主演が決まった。メルは当時演劇学校に通う学生だった。 暴走族のリーダーであるトーカッターを演じたヒュー・キース・バーンはマッドストーンにも出演していたが、キャスト決定時点ではバイクの免許を持っておらず、撮影時は免許を取得したての初心者状態だったという。映像に登場する暴走族は、セリフのある者やスタントマンを除けばほとんどが本物だったため、現場には不穏な空気が流れていたとのこと。当時オーストラリアで社会問題となっていた暴走族を登用することで映画に真実味を持たせ、さらに、彼ら素人を使うことで予算を安く上げるという思惑もあった。トーカッターの片腕でもある副リーダー“ババ”役のジョフ・パリーは、セリフが少ない上に演技も達者とは言えず、その容姿も「悪のオーラが全身から漲っている」ことなどから、本物だとの噂が絶えなかった。登用した暴走族グループの親分がこのパリーだとされたこともあるが、その後、日本のファン達の調査により、俳優であったことが判明している。 年映画賞賞結果 “ロックさせた前輪を軸に後輪をパワースライドさせ、路上に円を描くようにタイヤ痕を付ける”という技の呼び名「マックスターン」は、この作品に由来する。和製英語であり、海外では単に「ドーナッツ」と呼ばれている。
配役
受賞
1979オーストラリア映画テレビ芸術アカデミー賞作曲賞受賞
録音賞受賞
編集賞受賞
作品賞ノミネート
監督賞ノミネート
助演男優賞(ヒュー・キース・バーン)ノミネート
脚本賞ノミネート
1980アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭特別賞受賞
2014サターン賞ベストDVD/ブルーレイ・コレクションノミネート
影響
エピソード
低予算映画の為にセット設営を極力排した“近未来”という舞台設定で、撮影場所は水道局など既存の施設を利用し、往来の少ない地区や路上でロケ撮影を行った。
映画4作目『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の前日譚コミック『Mad Max Fury Road Nux and Immortan Joe #1』の設定においてチャーリー、ループ、サースの三人は本作後の世界でも存命で路上のならず者らを処刑、排除を行っており、警官時代の職務を遂行している。
この作品には「カワサキ・Zシリーズ」「カワサキ・KH」や「ホンダ・CB」など、当時のオーストラリアで人気だったバイクが多数登場する。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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