マチュ・ピチュの歴史保護区
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世界遺産登録範囲の標高は1850 m から4600 mまでである[7]。標高2,500m付近では年平均気温12度から15度、年平均降水量は約1,950mmである[7]。マチュ・ピチュの生態系にはアンデスアマゾンの特色が混在している。これは、それら2つの生態系の境界域にあたっているためである[7]
植物相

標高2000mくらいまでは常緑樹の森林が広がり、ヨシ属ヤナギ属ハンノキ属マホガニー属セクロピア属キナノキ属など多くの植物が見られ、マホガニーの仲間には危急種が含まれる[27]

標高2000 m から3000m付近の森林はウェインマンニア属(英語版)、ネクタンドラ属(英語版)、パパイア属ヘゴ属、チャンチン属(英語版)などの木々が生えており、ことにチャンチン属のいくつかの種は危急種となっている[28]。それ以外の危急種にはミュルキアンテス・オレオピラ(英語版)などが挙げられる[28]。この地域には着生植物シダコケアナナスなどが多く、アナナス科ではプヤ・ライモンディも見られる。また、200種以上のランが生育している[28]

より標高の高い地域には雲霧林が見られ、グアドゥア属(英語版)、クスクェア属(英語版)といったの仲間が生えている[28]。3700mを超えると植生はまばらになるが、危急種を複数含むバラ亜科のポリレピス属(英語版)(Polylepis)が群生しているほか、マキ科ウシノケグサ属なども見られる[28]
動物相遺跡にとまるアンデスカラカラマチュ・ピチュのステノケルクス属(英語版)(トカゲの一種)

動物相も豊富で、哺乳類には絶滅危惧種危急種が含まれている[29]。絶滅危惧種としてはアンデスネコが、危急種としてはメガネグマジャガーネコのほか、アンデスジカの仲間であるペルーゲマルジカ(英語版)(Hippocamelus antisensis)、シカ科マザマ属のコビトマザマ(英語版)(Mazama chunyi)などが挙げられる。ほかにも、オセロットコロコロカナダカワウソイタチ属のオナガオコジョ(英語版)(Mustela frenata)、プーズーの近縁種オナシプーズー(英語版)(Pudu mephistophiles)などが棲息している。

哺乳類以上に特筆されるのが鳥類で、2001年の調査では423種が確認されている。その中には絶滅寸前のロイヤルカマドドリ(英語版)(Cinclodes aricomae)、絶滅危惧種のマミジロエナガカマドドリ(英語版)(Leptasthenura xenothorax)、タカネカラタイランチョウ(英語版)(Anairetes alpinus)、危急種のハシナガシギダチョウ(英語版)(Nothoprocta taczanowskii)が含まれる[29]。ほかに観察されている主な鳥類は以下のとおりである[29]

アカエリシトド

アメリカチョウゲンボウ

アンデスイワドリ(英語版)(Rupicola peruviana)

アンデスカモメ(英語版)(Larus serranus)

アンデスカラカラ

アンデスツメバゲリ(英語版)(Vanellus resplendens)

インカマユミソサザイ(英語版)(Thryothorus eisenmanni)

キノドカマドドリ(英語版)(Asthenes virgata)

キノドモリフウキンチョウ(英語版)(Hemispingus parodii)

キバシコガモ

コンドル

シロガシラカワガラス(英語版)(Cinclus leucocephalus)

ズアオフウキンチョウ(英語版)(Thraupis cyanocephala)

セアカノスリ(英語版)(Buteo polyosoma)

トラフサギ(英語版)(Tigrisoma lineatum)

ハジロクロタイランチョウ(英語版)(Knipolegus aterrimus)

マルハシミツドリ(英語版)(Conirostrum cinereum)

ミドリフタオハチドリ(英語版)(Lesbia victoriae)

ヤマガモ

ほかに爬虫類ではボアカイサカなどが棲息している[29]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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