マチュ・ピチュの歴史保護区
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耕作用の土はウルバンバ渓谷から運び込まれたと考えられており[13]、土だけでなく、肥料として海岸地域のグアノが持ち込まれていた[18][15]。耕作されていたのはトウモロコシジャガイモコカなどとされる[24][15]。畑の土の中からはキヌアアボカド、豆類の花粉も見つかっている[25]

アンデネスのある側に入り口が配され、インカ道ともつながっている[13]。この都市は山麓のウルバンバ川から見上げても見ることはできず、南以外の三方は断崖になっている[24]。そのため、都市が放棄されたあと、1911年にビンガムが発見するまでほとんど知られることがなく[10]、他のインカ都市と異なり、スペイン人による破壊や略奪を受けることなく、良好な状態で保存され続けた[4]
自然的側面ワイナ・ピチュ側から見たマチュ・ピチュマチュ・ピチュに咲くラン科の花

歴史保護区は標高1,725mから6,271mまでの山々で[26]、その植生も多彩である。
気候帯

マチュ・ピチュの保護区の気候は、ユンガス(英語版)のエコリージョンに属する。世界遺産登録範囲の標高は1850 m から4600 mまでである[7]。標高2,500m付近では年平均気温12度から15度、年平均降水量は約1,950mmである[7]。マチュ・ピチュの生態系にはアンデスアマゾンの特色が混在している。これは、それら2つの生態系の境界域にあたっているためである[7]
植物相

標高2000mくらいまでは常緑樹の森林が広がり、ヨシ属ヤナギ属ハンノキ属マホガニー属セクロピア属キナノキ属など多くの植物が見られ、マホガニーの仲間には危急種が含まれる[27]

標高2000 m から3000m付近の森林はウェインマンニア属(英語版)、ネクタンドラ属(英語版)、パパイア属ヘゴ属、チャンチン属(英語版)などの木々が生えており、ことにチャンチン属のいくつかの種は危急種となっている[28]。それ以外の危急種にはミュルキアンテス・オレオピラ(英語版)などが挙げられる[28]。この地域には着生植物シダコケアナナスなどが多く、アナナス科ではプヤ・ライモンディも見られる。また、200種以上のランが生育している[28]

より標高の高い地域には雲霧林が見られ、グアドゥア属(英語版)、クスクェア属(英語版)といったの仲間が生えている[28]。3700mを超えると植生はまばらになるが、危急種を複数含むバラ亜科のポリレピス属(英語版)(Polylepis)が群生しているほか、マキ科ウシノケグサ属なども見られる[28]
動物相遺跡にとまるアンデスカラカラマチュ・ピチュのステノケルクス属(英語版)(トカゲの一種)

動物相も豊富で、哺乳類には絶滅危惧種危急種が含まれている[29]。絶滅危惧種としてはアンデスネコが、危急種としてはメガネグマジャガーネコのほか、アンデスジカの仲間であるペルーゲマルジカ(英語版)(Hippocamelus antisensis)、シカ科マザマ属のコビトマザマ(英語版)(Mazama chunyi)などが挙げられる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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