マチュ・ピチュの歴史保護区
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大塔の下にはミイラを安置する陵墓として機能したらしい洞窟があるが[15]、ビンガムが推測したような王家の墓だったのかの確証はない[18]。
王女の宮殿 - 大塔の隣にある外階段を持つ2階建ての構造物で、インカ建築としては珍しくない様式だが、マチュ・ピチュではほかに見られない[21]。
コンドルの神殿 - コンドルをかたどった大きな平石がある神殿で、翼をかたどったとされる背後の2つの巨石部分の構造物には、牢獄として機能したとされる半地下の空間がある[22][23]。
インティワタナ
大塔(太陽の神殿)
コンドルの神殿の平石
マチュ・ピチュの精密な石積み
水汲み場
都市遺跡の斜面南東部の比較的日照が期待できる区画には、アンデネスという石壁で区切られた段々畑が広がる。耕作用の土はウルバンバ渓谷から運び込まれたと考えられており[13]、土だけでなく、肥料として海岸地域のグアノが持ち込まれていた[18][15]。耕作されていたのはトウモロコシ、ジャガイモ、コカなどとされる[24][15]。畑の土の中からはキヌア、アボカド、豆類の花粉も見つかっている[25]。
アンデネスのある側に入り口が配され、インカ道ともつながっている[13]。この都市は山麓のウルバンバ川から見上げても見ることはできず、南以外の三方は断崖になっている[24]。そのため、都市が放棄されたあと、1911年にビンガムが発見するまでほとんど知られることがなく[10]、他のインカ都市と異なり、スペイン人による破壊や略奪を受けることなく、良好な状態で保存され続けた[4]。
自然的側面ワイナ・ピチュ側から見たマチュ・ピチュマチュ・ピチュに咲くラン科の花
歴史保護区は標高1,725mから6,271mまでの山々で[26]、その植生も多彩である。
気候帯マチュ・ピチュの保護区の気候は、ユンガス
(英語版)のエコリージョンに属する。世界遺産登録範囲の標高は1850 m から4600 mまでである[7]。標高2,500m付近では年平均気温12度から15度、年平均降水量は約1,950mmである[7]。マチュ・ピチュの生態系にはアンデスとアマゾンの特色が混在している。これは、それら2つの生態系の境界域にあたっているためである[7]。
植物相標高2000mくらいまでは常緑樹の森林が広がり、ヨシ属、ヤナギ属、ハンノキ属、マホガニー属、セクロピア属、キナノキ属など多くの植物が見られ、マホガニーの仲間には危急種が含まれる[27]。
標高2000 m から3000m付近の森林はウェインマンニア属
(英語版)、ネクタンドラ属(英語版)、パパイア属、ヘゴ属、チャンチン属(英語版)などの木々が生えており、ことにチャンチン属のいくつかの種は危急種となっている[28]。それ以外の危急種にはミュルキアンテス・オレオピラ(英語版)などが挙げられる[28]。この地域には着生植物のシダ、コケ、アナナスなどが多く、アナナス科ではプヤ・ライモンディも見られる。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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