標高2000 m から3000m付近の森林はウェインマンニア属(英語版)、ネクタンドラ属(英語版)、パパイア属、ヘゴ属、チャンチン属(英語版)などの木々が生えており、ことにチャンチン属のいくつかの種は危急種となっている[28]。それ以外の危急種にはミュルキアンテス・オレオピラ(英語版)などが挙げられる[28]。この地域には着生植物のシダ、コケ、アナナスなどが多く、アナナス科ではプヤ・ライモンディも見られる。また、200種以上のランが生育している[28]。
より標高の高い地域には雲霧林が見られ、グアドゥア属(英語版)、クスクェア属(英語版)といった竹の仲間が生えている[28]。3700mを超えると植生はまばらになるが、危急種を複数含むバラ亜科のポリレピス属(英語版)(Polylepis)が群生しているほか、マキ科、ウシノケグサ属なども見られる[28]。
動物相遺跡にとまるアンデスカラカラマチュ・ピチュのステノケルクス属(英語版)(トカゲの一種)
動物相も豊富で、哺乳類には絶滅危惧種や危急種が含まれている[29]。絶滅危惧種としてはアンデスネコが、危急種としてはメガネグマ、ジャガーネコのほか、アンデスジカの仲間であるペルーゲマルジカ(英語版)(Hippocamelus antisensis)、シカ科マザマ属のコビトマザマ(英語版)(Mazama chunyi)などが挙げられる。ほかにも、オセロット、コロコロ、カナダカワウソ、イタチ属のオナガオコジョ(英語版)(Mustela frenata)、プーズーの近縁種オナシプーズー(英語版)(Pudu mephistophiles)などが棲息している。
哺乳類以上に特筆されるのが鳥類で、2001年の調査では423種が確認されている。その中には絶滅寸前のロイヤルカマドドリ(英語版)(Cinclodes aricomae)、絶滅危惧種のマミジロエナガカマドドリ(英語版)(Leptasthenura xenothorax)、タカネカラタイランチョウ(英語版)(Anairetes alpinus)、危急種のハシナガシギダチョウ(英語版)(Nothoprocta taczanowskii)が含まれる[29]。ほかに観察されている主な鳥類は以下のとおりである[29]。
アカエリシトド
アメリカチョウゲンボウ
アンデスイワドリ(英語版)(Rupicola peruviana)
アンデスカモメ(英語版)(Larus serranus)
アンデスカラカラ
アンデスツメバゲリ(英語版)(Vanellus resplendens)
インカマユミソサザイ(英語版)(Thryothorus eisenmanni)
キノドカマドドリ(英語版)(Asthenes virgata)
キノドモリフウキンチョウ(英語版)(Hemispingus parodii)
キバシコガモ
コンドル
シロガシラカワガラス(英語版)(Cinclus leucocephalus)
ズアオフウキンチョウ(英語版)(Thraupis cyanocephala)
セアカノスリ(英語版)(Buteo polyosoma)
トラフサギ(英語版)(Tigrisoma lineatum)
ハジロクロタイランチョウ(英語版)(Knipolegus aterrimus)
マルハシミツドリ(英語版)(Conirostrum cinereum)
ミドリフタオハチドリ(英語版)(Lesbia victoriae)
ヤマガモ
ほかに爬虫類ではボアやカイサカなどが棲息している[29]。 「ペルー国民の矜持とインカ文明の顕著な象徴」[2]ともいわれるマチュ・ピチュでは、1981年に国立歴史保護区(National Historic Sanctuary)が設定された[2]。 ペルーの世界遺産条約批准は1982年2月のことであり[30]、マチュ・ピチュはペルー当局が最初に推薦した物件のひとつだった。
登録経緯