マチク
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熱帯雨林のように一年中継続して降雨がある地域では1個のタケノコは90日前後で成長を完了し、さらに次の芽が発芽してゆくサイクルとなっており、多くて年に3回から4回の発筍期がある場合もある[13]
食材としてのタケノコ鈴木春信, 1765

春先、地面から芽が出かけているものをタケノコとして食用にし、は4 - 5月とされる[14]。一般に食用にするのは地上に稈が出現する前後のものである[5]。タケノコは地上に現れると次第に固くなり、えぐみも強くなるため、穂先が出るか出ないうちに収穫する[2]。ただし、先述のように広義には竹の皮(稈鞘)が稈に付着していて離脱するまでのものはタケノコであり、特にタケが大きく伸びた後でも先端部のみが竹の皮に覆われている場合にはその先端部のみを「穂先タケノコ」と称して食用とする種もある[5]。収穫されたタケノコは、先端、中央部、根元部分でそれぞれ食感に違いがある[3]

形はずんぐりして穂先が黄色っぽく、外皮はツヤがあり薄茶色のもので、根元の周囲に出た赤紫色の突起が小さめのが良く、この突起が大きくて濃い紫色になっていると食材としては育ちすぎの場合がある[14][2]。タケノコは掘り上げてからの鮮度落ちが極端に早く、時間が経つとかたくなると同時に灰汁が増えてえぐみが増すため[2][15]、掘って収穫したその日のうちに調理するか灰汁抜きして下ごしらえするのが理想といわれている[14][16]。そのため、おいしくタケノコを食べるためには鮮度が重要であり、すぐに食べない場合は生のままではなく、下茹でしてから保存する[2][17]。下茹では収穫後できるだけ早く茹でて皮を剥いて、さらに10分ほど茹でたら水にとって冷ましておく[14]。茹でたタケノコは容器に水を張って入れておき、毎日水代えして冷蔵保存すれば、5 - 6日ほど日持ちする[14]。茹でたタケノコを皮付きのままラップなどに包んで冷蔵しても、1週間ほど保存できる[17][18]

タケノコの加工品としては、水煮缶詰がある。タケノコの水煮は、春の旬の時期以外でも通年市販されており、南九州で多く出回っている細いタイプはコサンチク(鼓山竹:ホテイチクの別称)、関東などで多く出回っている大きいものはモウソウチク(孟宗竹)などの種類がある[2]。水煮の断面に見られる白い粉状のものは、茹でることによって出てくるチロシンというアミノ酸物質で、取り除かずにそのまま食べられる[2]
種類

タケ類の種類の数は多いが、タケノコとして食用にされるのは数種である[1]。タケ類ではモウソウチク(孟宗竹)、ハチク(淡竹)、マダケ(真竹)、カンチク(寒竹)など、ササ類ではカンザンチク(寒山竹)、ネマガリダケ(根曲がり竹)などである[19]。中でもよく食べられるモウソウチクが最も馴染みがある[1]。ふつうタケノコといえば、モウソウチクのタケノコを指す場合が多い[20]
温帯性タケ類(単軸型)収穫後のタケノコ(孟宗竹)陳列例老舗京都特産品店でのたけのこ販売例(京都市中京区)

モウソウチクの場合、土から顔を出す前に掘るのが望ましい(地面が盛り上がっているのを見分けて掘る)とされる。マダケやネマガリタケのように、30センチメートル (cm) 程度に生長した地上部を折り取って収穫できる種類もある。その他の種類を含めた外見やは以下のような違いがある。

モウソウチク(孟宗竹)日本で最も多く食べられている代表的なタケノコである[14][4][2]。正月用に早どりして出荷される10 cm前後のものは「ちび竹の子」とよばれている[21]。えぐみが少なく、肉厚でやわらかい[18]。時期は3 - 5月で、タケノコの中では最も早い[21]。日本では九州産から始まり、徳島、京都、静岡、関東地方、福島へと産地が北上して5月ごろまで食べられる[2]。皮は黒斑と紫褐色の粗毛に覆われ、稈の直径が最大20 - 25 cmに達するほどタケ類の中でも最も大形であることが特徴[9][3]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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