マダガスカル島
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19世紀半ば、イギリスの動物学者フィリップ・スクレーター(1829-1913)は、キツネザルを中心とした原猿類のなかまレミュール[注釈 1]が、マダガスカル島およびマダガスカル島から5000kmも離れたスマトラ島スリランカに生息しているにも拘らず、アフリカ大陸に居ないことに気が付いた[1]。スクレーターは、1864年に Quarterly Journal of Science に発表した論文で、海により隔てられているにもかかわらず、上記レミュール類など哺乳類の分布に共通点を持つマダガスカル島、マスカレーニュ諸島スリランカ島スマトラ島を含む広い地域を、レムリア(Lemuria)と呼ぶ、動物分類学上の地域区分のひとつとして位置づけた[1]。スクレーターはレムリアが海中に没した超大陸であるとも考えた[1]
地形と地質

マダガスカル島は、南北に走る中央高原と、東側および西側の平原の三つに分けることができる。中央高原は、2,000m級の山々が存在し、高原で最も高いチャファジャボナは、標高2,643mである。マダガスカルの最高峰は、マロモコトロ山で標高2,876mである。

地質としては先カンブリア時代に形成された花崗岩が島の基盤となっている。サファイアなどの希少鉱物やアンモナイト化石などが多く発掘される。
気候

大まかに区分すると、マダガスカル全土は熱帯に属する。しかし島の中央に位置する高原が風を遮るため、島の東部、中央部、西部で大きく異なる。

冬の間(5月から9月)は島の南東から貿易風が吹き込み、島の東側は降水量が増える。一方で西側は逆に降水がほとんどない。

夏の間(10月から4月)は、アフリカ大陸からの季節風が強くなり、島の西側の降水量が比較的増え、東側は乾燥する。

中央高原は、熱帯山岳気候の特徴を示している。マダガスカルの首都、アンタナナリボは、標高約1300mで、南回帰線より赤道側にあるにもかかわらず冬の間10度を下回ることも珍しくない。

島の東部は、年間の降水量が2000mmから多いところでは3500mmにのぼる。一方、島の西側は乾季雨季の差が大きく、東側に比べて降水量は少ない。特に西側では南に進むほど降水量は少くなる傾向があり、島北西部では降水量が約1500mmであるが、島南西部では年間500mm程度の場所もある。島の北部にはサイクロンの襲来がある。
自然
哺乳類

マダガスカル島に住む哺乳類は極めて独特である。サル目内では、真猿類は分布せず原猿類のみ分布する。インドリベローシファカキツネザル科、日本では童謡でその名前がよく知られたアイアイ、世界最小の霊長類であるピグミーネズミキツネザルなどで、全原猿類のうち3/4がマダガスカル固有種といわれるほどである。

他にエウプレレス亜科(ジャコウネコ科)、ワオマングース亜科(マングース科)もマダガスカル固有で、テンレック科も多くの構成種がマダガスカル島固有である。
爬虫類

爬虫類は、300種を超えるものが確認されている。

カメ目 - リクガメ科(現生種では人為移入されたと考えられているベルセオレガメを除いてヒラオリクガメ属、ホウシャガメ属ヘサキリクガメ属が固有属<固有種>)とヨコクビガメ科マダガスカルヨコクビガメが固有種)が分布。

有鱗目 - カメレオン科は種数の約半数にあたる61種(多くのカルンマカメレオン属、フサエカメレオン属、ヒメカメレオン属の構成種)がマダガスカル島固有種。ヒルヤモリ属ヘラオヤモリ属等の数多くの固有種をみることができる。旧世界では珍しくボア科(サンジニアボア、デュメリルボア、マダガスカルボア)が分布する。一方で、島内には人命に影響をもたらすほどの強い毒を持つヘビは存在しない。

ワニ目 - ナイルワニ

両生類


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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