メディア産業は、出版がやや小規模の資本でも行えることを除けばいずれも巨大な資本を必要とするため、企業の大規模化が進んでいる[50]。さらに大規模化した企業は同業他社の買収や系列化、他メディアへの進出、さらにはコンテンツ産業であるプロ野球(球団)やサッカー、所有不動産の賃貸、まったくの別分野である旅行会社やホテルなどへの多角化を行い、巨大なメディア・コングロマリットを形成しているところも多い[51]。こうしたメディア・コングロマリットは経営の安定をもたらす一方で、メディアの寡占化が進み健全な言論空間の構築に悪影響をもたらす恐れがあるため、独占禁止法以外にもさまざまな規制が導入されている。一例として、日本の放送法93条においてはマスメディア集中排除原則が定められ、過度の系列化を禁じている[52]。 以下、現代におけるマスメディアを媒体別に区分する。 もともと、マスメディアは「印刷媒体」と「非印刷媒体」に分けられる、とされている[2]。広義のマスメディアには映画や音楽(レコード)、出版(書籍)全体を含むこともある。このなかでも影響力が強いテレビ・ラジオ・新聞・雑誌はマスコミ四媒体と呼ばれ、狭義においてマスメディアとはこの4つのメディアのことを指していた[53]。 1990年代後半から普及したインターネットは既存のマスメディアの構造を大きく揺るがした。取材には資金と組織力が必要なこと、検証可能性の高さなどから、インターネット時代においても新聞社などマスコミ企業の優位性は変わらないという意見がある。一方、マスコミ企業は取材中心の通信社的な役割に縮小し、評論や世論形成はブログなど個人のウェブサイトやSNSなどが中心になるという見方もある(ソーシャルメディアという語も生まれている)[注釈 2]。インターネット上の市民ジャーナリズムに期待する向きもあり、実際にいくつかのメディアが創刊されたものの利用が伸びず、2010年ごろには日本ではほとんどの市民メディアが閉鎖に追い込まれた[55]。 マスメディアに対する外部からの干渉は古くから問題となっている。特に政府からの干渉は検閲や発行禁止など様々な形で行使されており、その干渉を禁じる形で制定されたものが表現の自由である[56]。また、表現の自由や言論の自由に含まれる形で、報道の自由も保障されている。報道の自由には取材の自由や媒体の流通・頒布の自由が含まれている[57]。しかし表現の自由が確立されたのちも、政府とマスメディアの間ではその自由の範囲をめぐってしばしば対立が起きている[58]。軍事的・外交的なものを中心に重要事項がしばしば国家機密に指定される[59]一方、情報公開法が制定され政府の公文書等が一般に公開されるよう定められている国家も多くなってきている[60]。
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外部からの干渉
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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