マスターベーション
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しばしばリベラル寄りであると言われる日本のカトリック教会ではこの傾向がさらに強く、彼らによる『カトリック教会の教え』では、自慰についてこう述べられている。それは人間の性的な成長段階における自然な現象としての側面を持っており、それを極端に罪悪視することによって性能力を抑圧する危険性もあります。そのような行為に対する倫理的な判断のためには、その人の意志と動機又はその習慣化の程度なども考慮する必要があります。ですから、自慰行為の悪性を認めるにしても罪悪感だけを抱かせてはなりません。むしろ、他者との出会いへ向けて開かれている性能力の面を重視する必要があります。 ? 『カトリックの教え』カトリック中央協議会、2003年4月8日、p356

このように、やはり自慰を罪とみなす姿勢を前提とした言明ではあるものの、自慰をする者をいたずらに糾弾すべきでないことが強調されているのである。
オナニーの方法
男性

主に、陰茎を手で握るかつまみ、上下にピストン運動を行う。これを「手淫」ともいう。

亀頭や陰茎を手や物で刺激したり、ベッドに押し付けたりして行う場合もある。いわゆる仮性包茎の場合、包皮を手や物を用いて引っ張ったりつまんだり、包皮を亀頭に被せたり露出させたりするなど、包皮に刺激を与えて行う場合もある。オナホール女性器を模したものやTENGAなど)などの性具を使用したり、乳首陰嚢も手で刺激しながら行う場合もある。包皮は亀頭を保護する膜なので、包皮を被せたまま刺激するケースも多い。陰茎に刺激を与え続けるとオーガズムに達し、精通以後であれば射精し、精通以前の男児であれば射精を伴わないドライオーガズムに至る。

刺激だけで射精に至る場合もあるが、性的興奮を高めるため、アダルトビデオアダルトサイトエロ本を視聴したり、性的対象の人物や、特定の場面を空想したりしながらオナニーを行うこともある。これらをスラングで「オカズ(ズリネタ)」「オナペット」=オナペともいう。中にはアダルトアニメアダルトゲームなどを視聴しながら行う者もいる。

射精に至るまでの時間は、個人や状況によって異なり、すぐに射精する者から2時間以上かける者もいる。一度射精すると勃起状態が一気に解消されるため、短時間で連続して射精しようとしてもできない。オナニーを行う頻度も、人により様々である。

性行為と同様、一般的にはオナニーは他人に見られることを避け、1人で行うものである。しかし、それを利用し、本人の意に反し、あえて人前で陰茎を晒させオナニーをするよう命じ、他者に見られている状態で勃起、射精などをさせ、当人に羞恥心屈辱感を与えるなどの行為を、性的いじめや「性的シゴキ」、「儀式」として行うこともある[注釈 9][注釈 10][注釈 11]。反対に、他人にオナニーを見られたりすることや、命令や強要のもとにオナニーをすることや、他人により陰茎に刺激を与えられることなどで性的興奮が高まる者もいる。また、第二次性徴の心身の発達などから来る、自分以外の同性の性器やオナニーへの好奇心、連帯感、あるいは性的嗜好から、自ら進んで同性の友人同士など複数人で一緒にオナニーや射精を見せ合ったり互いに相手の陰茎を刺激しあうこともある。またそのような行為を商材としたアダルトビデオも存在する。
女性

基本的に陰核への刺激であるが、まず陰核の包皮上と陰核周囲に刺激を与え膣分泌液の分泌を促す。次に、膣分泌液を指先につけ、その指で陰核の包皮を剥いて陰核を刺激する。また、陰核以外の性感帯へも刺激を行う。それを行うことで尿道口から液体が吹き出す現象、いわゆる潮吹きに至ることもある。

バイブレータ陰茎を模した振動機)を使用する人もいる。また、陰部を圧迫するだけでオーガズムに達するという人もいる。

女性科学研究所によると女性は、基本的に男性と違いホルモンバランスの影響を除き生理的な欲情が発生しないため外的要因によって、脳を興奮状態に置く必要があるとされている。その例として「好きな男性が抱きついてくること」や「実際に性交に及ぶことをイメージする」などがあげられる一方で「ポルノ映画などのシーンを想像することは少ない」とされている。それに加えて純粋に体の気持ちいい場所を探すことや脳を興奮状態にできるようにオナニー時の衣装やオナニーを行う場所を選ぶ必要がある[22]。また女性は18歳までに約80%が自慰行為を経験しているという[23]

YouTubeで性教育動画チャンネルを配信している、助産師の大貫詩織は、「多くの女性が、自分の性欲を恥ずかしいものと認識しているが、セルフプレジャーは自分の快楽を知る上では有効な手段である」と指摘し、女性がオナニーをする際に重要な3つのポイントを提示している[24]
道具

オナニーは手のみで行うことが多いが、人によっては道具を使用する場合がある。

男性の場合、オナホールと呼ばれる女性のを形取った物に挿入することで、女性器への挿入に近い快感を得て射精する場合もある。同様に女性の場合は、男性器を模した性具ディルドー(昔はこれを「張形」と呼んでいた)を使用する場合もある。また電動で振動する「バイブレーター」を膣口に挿入し性交に近い快感を得る者もいる[注釈 12]

また、異性の人形ラブドールダッチワイフ)を使って、擬似的な性行為を行なう者もいる。
前立腺などへの刺激

直腸に指や性具浣腸を挿入し刺激することをアナルオナニーと呼ぶ(略してアナニーと呼ぶ場合もある)。単に挿入の快感そのものを楽しむものや、S字結腸を刺激し楽しむもの。男性の射精(オーガズム)は前立腺の刺激によるものであるため、エネマグラなどの器具で直接前立腺を刺激して性的快感を得る方法もある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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