マスカットは天然の良港として知られ、港の周囲を岩山に守られている[8]。ペルシア湾の出入り口に位置するマスカットは戦略的に重要視され、軍事拠点とされている[8]。
マスカットには「小マスカット」と呼ばれる、オールド・マスカット(Old Muscat)、ムトラ (マトラフ、Muttrah)、ルイ (ルーウィー、Ruwi) の3つの市街地がある。岩山に囲まれ、増加する人口の収容と発展に限りのあるオールド・マスカットに代えて港湾機能と流通機能がムトラに移り、近郊のルイ、ワッタヤ、クルム、スルターン・カーブース・シティに新興住宅地や商業地が形成された[8]。オールド・マスカットと周辺の都市は、「拡大マスカット」といえる都市を形成している[8]。 マスカットというと本来オールド・マスカットを指し[12]、旧市街と新市街は城壁によって隔てられている。旧市街にはアラム宮殿、ポルトガルの支配時代に完成したミラニー砦とジャラリー砦が建ち[8]、夜間になると、アラム宮殿、ミラニー砦、ジャラリー砦はライトアップされる[16]。州庁は宮殿と同じく旧市街に建てられているが、省庁は新市街に置かれている[8]。オールド・マスカットの港は現在は使用されていない[15]。 マトラ、マトラフともいう。オマーン最大の港であるスルターン・カーブース港がある港湾地区[15]。オールド・マスカットの北西部に隣接する港町として形成され、かつては小規模ながらオールド・マスカットの積み荷を国内に向けて出荷する商人で賑わっていた[12]。ムトラ内のラワティヤには、インド系の商人が多く居住する[16]。オマーン最古のスークの一つであるマトラ・スークや[17]、コルニーシュの美しい夜景が有名。コルニーシュは中級のホテルや安宿が密集する地域としても知られている[18]。 内陸にある、マスカット随一の商業地区。ルイ・ハイ・ストリートには商店が立ち並び、電化製品、香水、時計などが売られている。中央郵便局やONTC(オマーン・ナショナル・トランスポート)バスターミナルなどがある。 マスカットは砂漠気候に属し、長い酷暑に襲われる夏と温暖な「冬」の2つの季節がある。4月から10月にかけての気温は非常に高く、平均気温は40度に達し、最高気温が50度を超えることもある[19]。また、海に面しているため湿度も高い[12]。一方、11月から3月にかけての平均気温は20度前後と過ごしやすい[19]。 マスカットの気候 主な空港として、マスカット国際空港(旧名:シーブ国際空港)が都市から40kmほど離れたところにある[8]。オマーン・エアをはじめとして、多くの国際便が就役している。この他に、港湾があり、高速道路も発達している。 市内の公共交通機関は鉄道がないため、バスとタクシーが中心である。ルイのアル=ジャーム・ストリートにあるONTCバスターミナルは、国内外の都市に向かう長距離バスの発着地となっている。 2010年アジアビーチゲームズ開催のため、アル・ムサナ・スポーツシティー 2001年5月にオマーン最大のモスクであるカーブース王大モスク (Sultan Qaboos Grand Mosque) が建立された[21]。マスカットにはモスク以外にキリスト教徒の寺院も存在する[21]。
オールド・マスカット
ムトラ
ルイ
気候
月1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年
平均最高気温 °C (°F)25.1
(77.2)26.4
(79.5)29.5
(85.1)34.7
(94.5)39.6
(103.3)40.0
(104)38.0
(100.4)35.6
(96.1)35.6
(96.1)34.6
(94.3)30.3
(86.5)26.8
(80.2)33.02
(91.43)
平均最低気温 °C (°F)16.7
(62.1)17.8
(64)20.3
(68.5)24.2
(75.6)28.7
(83.7)30.3
(86.5)30.1
(86.2)28.2
(82.8)26.8
(80.2)24.2
(75.6)20.8
(69.4)18.3
(64.9)23.87
(74.96)
降水量 mm (inch)13.2
(0.52)14.0
(0.551)16.4
(0.646)11.3
(0.445)0.0
(0)10.9
(0.429)3.4
(0.134)1.6
(0.063)0.0
(0)0.8
(0.031)1.6
(0.063)16.5
(0.65)89.7
(3.532)
平均降雨日数3.22.71.91.40.10.10.30.60.00.20.71.412.6
出典:World Weather Information Service -Muscat (Seeb)[20]
交通
文化
スポーツ
施設
主な観光施設
マスカット・ゲート博物館
オマーン国軍事博物館
文化遺産博物館
ベイト・アル=バランダ - 1930年代に建てられた邸宅を改修した博物館。
ベイト・アル=ズベール - 伝統工芸品を所蔵する博物館。
オマニ・フレンチ博物館 - 1896年から1920年まででフランス領事館として使用されていた建物を改修した博物館。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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