マジョルカ島
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トラムンターナ山脈内の道路状況は貧弱であるが、山脈内の村から村に渡るための多くのハイキングコースを持ち[16]、その他には登山、ノルディックウォーキング、急流下りなどのスポーツを行うことができる[13]。山脈内の多くの地域は保護地域となっており[16]、2011年には「トラムンターナ山脈の文化的景観」がユネスコ世界遺産文化遺産)に登録された[19]。山脈は石灰岩で構成されており、その浸食作用によって洞窟、湧き水、急流を形成[13]、約700の湧水場がある[17]
湾・平原・属島北岸にある入江

マヨルカ島北東部にはポリェンサ湾とアルクーディア湾があり、南西部にはパルマ湾がある[8]。ポリェンサ湾はトラムンターナ山脈の北端部に囲まれており、アルクーディア湾はリェバン山地の北端部の先にある[17]。洞窟や小規模な入江はマヨルカ島の観光資源であり、それらは主に東岸に位置している[8][17]。アルクーディア付近のアルブフェラ・デ・マヨルカ自然公園(スペイン語版)はラムサール条約登録地である[20]

マヨルカ島の中央部には肥沃なマヨルカ平原が広がっており、動植物の豊かさで知られている[13]。典型的な植物はマツトキワガシキャロブなどの樹木である[13]アーモンドオリーブの栽培など、島の農業の大部分はこの平原で行われている[8]。南岸はマヨルカ島の中でも乾燥して岩がちな地域であり、エス・ミグジョルンと呼ばれている[17]。エス・ミグジョルンと2つの山地は島の中央部にある肥沃なマヨルカ平原を取り囲んでいる[17]

マヨルカ島の沖合にあるすべての小島は行政的にパルマに属している[13]。東南岸にある無人島のカブレラ島はカブレラ群島マリティメ=テレストリアル国立公園(英語版)に指定されており、西岸にある無人島のドラゴネーラ島も保護地域となっている[13]。マヨルカ島にあるその他の特徴的な地形には、アルファビア山地、アス・クルナドルス、フルマントール岬などがある。
周辺海域バレアレス海の範囲

イベリア半島とバレアレス諸島の間の海域はバレアレス海と呼ばれ、その最大水深は2,065mである[21]カステリョン・デ・ラ・プラナの沖合約50km、バレアレス海南西部には無人島のコルンブレテス諸島があるものの、その他に島や浅瀬は存在しない[21]。イベリア半島の沿岸部から20-65kmの範囲に大陸棚が広がり、水深がもっとも深いのは中央部である[21]。バレアレス海の主要な港湾都市はスペイン本土のバルセロナバレンシア、マヨルカ島のパルマなどである[21]

地中海西部には長さ900km、幅200kmに渡って平坦な海底があり、この平均水深2,000-3,000m、最大水深3,150mの海底はバレアレス深海平原と呼ばれる[21]。その東端はフランスのコルシカ島とイタリアのサルデーニャ島、南端はアフリカ大陸のアルジェリア、北西端はスペインのバレアレス諸島であり、フランス本土の沖合はバレアレス深海平原には含まれない[21]。フランスのローヌ川やアルジェリア北岸の海底谷から多くの堆積物が供給される[21]
地質

マヨルカ島の平原や山地は主に新第三紀後期(鮮新世)に形成されたとされ[22]、バレアレス諸島は150万年前(更新世)に形成されたとされる[23][10]。この平原や山地は南西から北東方向に連続性を持ち、イベリア半島南東部のベティコ山系と連続性を持つ[22]。マヨルカ島の地質はほぼ完全に石灰岩からなり[24]、石灰岩は強力な浸食作用で峡谷や洞窟を形成している[25]

もともと降水量に乏しい地中海性気候に高透過性の石灰岩が組み合わさっているため、大半の河川はすぐに水流が途絶える[24]。マヨルカ島内には一年を通じて水を湛えている河川は存在せず、淡水資源の大部分は地下水が占めている[12]。雨水は石灰岩を透過して地下水となるため、マヨルカ島に池や湖は少ない[25]。地下水に極度に依存しているという点で特筆すべき地中海地域の島嶼であるとされる[12]
気候

マヨルカ島の気候は典型的な地中海性気候であり[24]ケッペンの気候区分ではCsaに分類される。特に降水は季節性が顕著である[26]。冬季には低気圧の中緯度偏西風ベルトの影響で大雨が降ることもあり、偏西風ベルトが高緯度に移動する夏季には高気圧の亜熱帯ベルトの影響を強く受け、乾燥した暑い気候となる[24]。この結果、年降水量の大半は秋季と冬季に集中し、もっとも降水量の多い時期は10月から12月である[24][26]。年降水量は地域的な差異が大きく、南東部ではわずか300mmであるのに対して、そこから100kmも離れていない北西部のトラムンターナ山脈では1,200mmとなる[24]。平原は暑い夏季と穏やかで涼しい冬季を持つが、冬季のトラムンターナ山脈は平原より温度が低くなり、しばしば降雪も見られる[26]

平地では年間300日以上が好天日とされており、古くから「地中海の楽園」と呼ばれる[9]。冬季の日中の気温は摂氏10-15度と穏やかであるが、夜間には摂氏10-5度まで下がる[27]。夏季の気温は摂氏約27度であり、最高気温は摂氏30-32度である[27]。パルマの年平均気温(摂氏17.9度)は日本の鹿児島市とほぼ等しいが、年間の気温較差は鹿児島市と比較して遥かに少ない[28]


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