マクスウェル・D・テイラー
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テイラー将軍は、バストーニュにおける第101空挺師団の防衛戦を第二次世界大戦における「最もすばらしい時間」であったとし、当時彼がその現場に不在であったことを、第二次世界大戦で最も当て外れの出来事であったと述べた[3]
戦後

1945年から1949年まで、テイラーは陸軍士官学校の校長を務めた。1947年に彼は「士官候補生表彰規定」を作成した[4]。1949年から1951年まではベルリンで欧州連合軍総司令官を務めた。

1953年には第8軍 (アメリカ軍)司令官として、朝鮮戦争に参加する。1955年にはマシュー・B・リッジウェイ陸軍大将の後を継いで陸軍参謀総長に就任、1959年まで同職を務めた。陸軍参謀総長として彼は、歩兵師団の再編成により核兵器の時代における陸上戦力の削減を試みた。デヴィッド・ハックワース大佐のような観察者は、その試みがアメリカ陸軍における佐官クラスの将校の役割を意味のないものにし、ベトナムでの戦闘に適合できなくしたとする。

1957年、リトルロック高校事件に際してアイゼンハワー大統領はテイラー将軍に対して第101空挺師団から1,000名の兵士をアーカンソー州リトルロックに派遣するよう命じ、リトルロック・セントラル高校の人種差別を廃止せよという連邦裁判所の命令を実施させた。

陸軍参謀総長としてテイラーは、アイゼンハワー政権の国防政策である「ニュールック」政策に対する辛辣な批評家であった。彼は「ニュールック」政策が過剰に核兵器に頼っており、通常戦力をないがしろにしているとして批判したほか、統合参謀本部のシステムの不備も指摘した。しかしその批判・指摘は取り上げられることはなく、そのことに不満を持ったテイラーは、1959年7月に現役を退いた。退役後、彼は公的に「ニュールック」政策への反対運動を始め、1960年1月には『不確実なトランペット (The Uncertain Trumpet)』と題する非常に批判的な本を出版した。
現役復帰

1960年の大統領選が始まると、民主党候補のジョン・F・ケネディはアイゼンハワーの国防政策を批判し、テイラーが『不確実なトランペット』で述べた、力強い「フレキシブルな応答」政策を擁護した。ケネディはこの大統領選で勝利を収め、1961年1月に大統領に就任する。同年4月にピッグス湾事件キューバの政権転覆に失敗すると、統合参謀本部が十分な軍事的アドバイスを提供していなかったと感じたケネディは、ピッグス湾事件の調査を行う特別委員会の委員長にテイラーを任命した。

ケネディ大統領と弟のロバート・ケネディ司法長官は、共にテイラーに対して敬意を抱いていた。ピッグス湾事件の特別調査委員会は、悲惨な事件の検証を行うため1961年4月から5月まで6週間会合を行った。テイラーはロバート・ケネディと共に仕事を行い、その友情を育んでいった。

テイラーはロバート・ケネディについて「彼は『甘言』に常に目を光らせており、回避と不正確に不快感を持ち、真実を追求するという決意に容赦がない」と語り、その姿勢を評価している。また、ロバート・ケネディは息子の一人をマシュー・マクスウェル・テイラー・ケネディと命名しており、このことからテイラーに対する尊敬の念がうかがえる。

調査完了後間もなく、テイラーに対するケネディ一家の信頼感と統合参謀本部に対する大統領の不信感により、ケネディ大統領はテイラーを現役復帰させ、彼を新設のポストに就けることにした。大統領との個人的な親密さにより、テイラーは統合参謀本部議長を差し置いて事実上の軍事顧問となった。1962年10月1日にケネディ大統領はテイラーを統合参謀本部議長として任命し、ねじれ状態を解消させた。テイラーは統合参謀本部議長職を1962年から1964年まで務めた。
ベトナム戦争

ベトナム戦争の最初の週はテイラーにとって非常に重要であった。ケネディ大統領はテイラーに対して「南ベトナムの独立は、その国の人々と政府に責任がある。」と語ったが、テイラーはすぐに8,000名の実戦部隊を派遣するように進言した。内閣と参謀本部に対してレポートを作成した後、テイラーは南ベトナムに部隊を派遣するという決定を考えることになっていた。「私は反対者のことを思い出したくない。たった一人を除いては。その一人は大統領であった。大統領はちょうどこれが正しい行いであったことを納得したくはなかった......陸軍の地上部隊を投入すべきでないというのは、本当に大統領の個人的な信念であった[5]。」

テイラーはゴ・ディン・ジエム大統領を打倒した1963年の南ベトナムのクーデターに反対した。一連の短命な臨時政府が続き、テイラーが1964年に南ベトナム大使に就任した後、彼は頻繁にグエン・カーン将軍と衝突した。
退役


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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