これより少し低い部分は固有種のマウナケア銀剣草(en:Mauna Kea silversword)が見られる地域である[17]。
1,600-2,400 mはかつてはコア-ママネ森林だったが、ほとんど全てが牧草で覆われる牧場地帯になっている。この地域はハワイにとって外来種であるハリエニシダの大繁殖に脅かされている。北と西斜面のほとんども牧草地である。絶滅の危機にあるフィンチに似たハワイミツスイ類であるキムネハワイマシコ(en:Palila)はほとんどママネの実のみを食べる鳥で、西斜面のママネ-ナイオ森林に棲息する。多数の野生化したヒツジが標高の高い部分に棲息し、土着の植生に深刻な影響を及ぼしている[18]。
風上 (東) 斜面は約460-1,600 mで多雨林に覆われる。山の下部は広範囲にわたって農業地であり以前は広大なサトウキビ畑地域だった。1990年代に起こった砂糖産業の崩壊とともに、この地の多くは休閑地となっているが、一部はウシの放牧地、小規模農場、および木材パルプ用のユーカリ園になっている。
かつて北米本土より持ち込まれたサボテンが異常繁殖した時代があった(米国本土でのロデオ大会の優勝賞品として持ち込まれた)が、サボテンを食べる蛾によって駆除が行なわれ、現在はほとんどサボテンを見かけなくなっている。
天文台詳細は「マウナケア天文台群」を参照
マウナ・ケア山頂は世界中で最も天体観測に適した場所のひとつで、13基の世界最先端の天文台が設置されている。山頂は地球の対流圏のおよそ40%の位置にあり、大気中の水蒸気量も低く、他では見られない明瞭な夜空の像を得ることができる。さらに、山頂は逆転層より上にあり、晴天日は年間300日にのぼる。また、北緯20度という低緯度に位置し、北天と南天両方の多くの領域を観察することができる。斜面がなだらかな楯状火山なので、山頂への資材輸送も比較的簡単である。ハワイ島の低い人口密度は人工の光汚染が少ないことを意味する。これらの因子のすべてがマウナ・ケアを最新の天文学にとって理想的な場所としている。
近年マウナ・ケアへの望遠鏡の建設は法的および政治的な論争の種となっている。地元の先住民と環境活動グループはさらなる望遠鏡の建設はかなりの環境ダメージを引き起こし偉大な文化的重要性を持つ地を汚すことになると抗議している。神話によると、マウナ・ケアの山頂は雪の女神ポリアフと多くの他の神々の住まう地である。ここは祈り、埋葬、子供の清め、および伝統的天体観測にも重要な場所である。それに加えて、山頂地域は固有種の昆虫、ウェキウ・バグ (Nysius wekiuicola) の棲息地であり、開発による影響が議論されている[19]。この虫は、上昇気流によって山頂へと飛ばされてきた昆虫を食べる。水銀がこぼれ (1995年以前) 汚水の投棄が既存の望遠鏡で起こっていた[20]。10年以上にわたって、この問題を巡って法的闘争がハワイの法廷で行われてきた。2007年1月19日、第三巡回裁判所は適切な管理計画が承認されるまでマウナ・ケアでのさらなる開発を停止する判決を確認した。この判決が下されたにもかかわらず、いくつもの望遠鏡の建設計画が進行中である。
脚注[脚注の使い方]^ “N? Puke Wehewehe ??lelo Hawai?i - mauna” (ハワイ語). wehewehe.org. 2022年1月15日閲覧。
^ “ ⇒N? Puke Wehewehe ??lelo Hawai?i - kea” (ハワイ語). www.wehewehe.org. 2022年1月15日閲覧。
^ “ ⇒N? Puke Wehewehe ??lelo Hawai?i - Mauna Kea”. www.wehewehe.org. 2022年1月15日閲覧。
^ “世界大百科事典 第2版の解説”. コトバンク. 2018年4月8日閲覧。
^ a b Fujikane, Candace (2019-09-01). “Mapping Abundance on Mauna a W?kea as a Practice of Ea” (英語). H?LILI 11 (1): 23?54. https://www.researchgate.net/publication/344210651_Mapping_Abundance_on_Mauna_a_Wakea_as_a_Practice_of_Ea.
^ Poepoe, J. M. (1906-02-10). “Ka Moolelo Hawaii Kahiko” (ハワイ語). Ka Na?i Aupuni 1 (65): 1.
^ Warren Beckwith, Martha (1976). Hawaiian Mythology. University of Hawaii Press. pp. 293
^ “ ⇒SUMMIT USGS 1977 TU2314”. The NGS Data Sheet. U.S. National Geodetic Survey. 2009年1月7日閲覧。
^ “ ⇒Mauna Kea”. Global Volcanism Program. Smithsonian National Museum of Natural History. 2009年1月7日閲覧。
^ a b c d “Mauna Kea Hawai`i's Tallest Volcano”. Hawaiian Volcano Observatory. U.S. Geological Survey. 2009年1月7日閲覧。
^ Smith, P. (2008年). “ ⇒Which Mountain is the Tallest?”. Scienceray. 2009年1月7日閲覧。
^ “ ⇒Highest Mountain in the World”. Geology.com. 2009年1月7日閲覧。