マウス・ハント
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そして屋敷に戻ってきた2人が見たものは、車のウィンチに引きずられるなどして重傷を負ったシーザーであり、彼は「あれは悪魔だ」と呻きながら病院へと搬送されていく。

ネズミとの戦いが再開されるものの、やはり兄弟は勝てない。その中で留守電の録音から、ラーズは兄がこっそり工場を売ろうとしていたことを知り激怒する。兄もまた弟が最初に売却を断っていたことを怒る。激しい口論の中でラーズがアーニーに投げたが避けられたオレンジが、偶然にもあのネズミにヒットし、気絶する。散々自分たちを苦しめたネズミにトドメを刺そうとする2人であったが、気絶して無防備である小さな姿に殺す気が失せ、代わりに空気穴を開けたシーガーボックスに閉じ込めてキューバへと郵送する。ネズミがいなくなったため、翌日から兄弟たちのリフォーム作業は順調に進んでいく。しかし、その頃、キューバに届いた箱は、ネズミの重量分の考慮不足で料金が足りておらず送り返されていた。

オークション当日。屋敷には購入を希望する富豪達が一堂に会する中、ラーズは料金不足で戻ってきていた箱を発見する。既に蓋は開いており、中身は空だった。ネズミが戻ってきたことを知った兄弟はオークションの開始と共に、ネズミを捕まえようとする。次々と値段が上がっていき狂喜する兄弟であったが、ネズミを水攻めにする作戦が仇となり、屋敷の基礎や壁裏は水で満杯となる。やがて水圧で壁が崩壊し、兄弟はオークション参加者らと共に外へ押し流されてしまう。怒る客たちを前にアーニーは半壊状態の屋敷を背にして必死に「この屋敷は絶対に壊れない!」と言い張り最後の抵抗を試みるが、それもむなしく屋敷は直後崩れ落ちる。富豪達は兄弟を嘲笑いながら去っていく。2人が再び口論を始める中、あの父の形見の縒り糸がどこからか降ってくる。2人が手に取ろうとすると糸は解け2つとなり、自分たちを暗示するようで2人は気まずくなる。

寝る場所を探して兄弟は工場の事務室へとやってきた。だが、その道中の車には屋敷の崩壊で死んだと思われたネズミもこっそり乗っていた。深夜、兄弟は動き出した工場の機械の音で目を覚ます。訝しんで状況を確認する2人は製糸機械が糸ではなく、毛糸玉状のチーズを作っていることに気づく。そのチーズは、一流シェフであったアーニーが認めるほどの美味さであった。そこにあのネズミが現れる。兄弟はこのネズミがチーズを作ったことを知り、そこであることを思い立つ。

製糸工場はチーズ工場として活気が戻っていた。コック帽を被ったアーニーの肩の上には同じく帽子を被るネズミがおり、彼は品質管理係として新商品の味見を行い、アーニーにアドバイスをする。険しかった父の肖像画は穏やかな表情を取り戻し、側には2本の糸と、父の格言「糸のない世界はカオスだ」の文言が飾られていた。
キャスト

役名俳優日本語吹替
劇場公開版
TBS
アーニー・シュマンツネイサン・レイン稲葉実内海賢二
ラーズ・シュマンツリー・エヴァンス落合弘治三ツ矢雄二
エイプリル・シュマンツヴィッキー・ルイス日野由利加勝生真沙子
アレキサンダー・ファルコモーリー・チェイキン滝口順平
ルドルフ・シュマンツウィリアム・ヒッキー青野武
クインシー・ソープマイケル・ジェッター城山堅
モーリーアーニー・サベラ緒方賢一塩屋浩三
シーザークリストファー・ウォーケン水野龍司野沢那智


劇場公開版:発売ソフトに収録。

TBS版 - 初放送2001年08月01日『夏休みファミリー映画スペシャル』

評価

本作に対する映画評論家の反応は賛否両論であった。レビュー集計サイト「Rotten Tomatoes」では専門家による31件のレビューを基に42%の支持となっている。同サイトの批評コンセンサスでは「マウス・ハントは、その過剰なドタバタなおふざけの重みに閉じ込められている」となっている[2]。CinemaScoreでの観客評価では、A+からFまでの平均点で「B」と評価された。

ロジャー・イーバートは、本作を4つ星のうち星2とし否定的に評した。「あまり面白くないし、何をやっても面白くない。観客は誰を笑えばいいのか、誰と笑えばいいのかわからないから一部の登場人物に共感を覚えず、逆に嫌な人物もいないコメディは多くの笑いを得ることは期待できない」。また、イーバートは本作の売りであったデジタル特殊効果についても「特殊効果の現代的進歩が映画を台無しにすることを示す優れた例だった(この逆に賢かった例は『タイタニック』である)。ネズミがあらゆる巧妙な動作を見せることができる映画を作れるようになったから、ネズミがそれをするのを見たら面白いだろうなと製作者たちは錯誤したのだ」と評した[3]。一方で彼のビジネス・パートナーでもあったジーン・シスケルは本作を気に入っていた。

それにも関わらず、本作は興行的に成功を収めた。1997年12月19日に公開され、北米で4位のオープニングを飾り、公開初週(週末)の興行収入は2152の劇場から平均して約2,817ドル、合計6,062,922ドルを稼いだ。2週目も4位を維持し、60%増の9,702,770ドルを稼ぎ出した。10日間の興行収入は21,505,569ドルに達した[4]。公開は1998年7月1日に終了し、この間に、北米市場で6,019万7,389ドル、その他の地域で6,050万ドル、全世界で1億2,240万7,389ドルの最終興行成績を達成した。予算は3800万ドルであり大成功だった。イギリスでは1998年4月3日に公開されたが、これは『タイタニック』に次ぐ2位の成績を収めた[5]
出典^ a b c “Mousehunt (1997)” (英語). Box Office Mojo. Amazon.com. 2010年11月15日閲覧。


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