三菱総合研究所と大学生協はカルトによるマインド・コントロールを大学生活で注意すべき50の危険の1つに数え、大学生に向けて注意喚起を行っている[12]。 元々マインドコントロールという言葉は、「潜在能力を引き出すためのトレーニング法」という自己啓発的でポジティブな意味合いで使われていた[3]。マインドコントロールには、学校や教育、様々なトレーニングで使われる人の認知行動原理と同じ技術が用いられる[2]。自らの心を平静に保ったり、集中力を高めるなど、心理状態を制御・調整する意味で、この言葉が使われることもある[2][13]。そのため、良いマインドコントロールと悪いマインドコントロールがあるという考え方もあるが、一般的には、「破壊的カルト」等のように何らかの詐術的な意味、他者を騙す性格を持ったものをマインドコントロール、本人に役立つ心理学の応用をセルフコントロールと言う[2][14]。本項では前者について説明する。 マインドコントロール論では、支配された人の意識状態は、普段の正常な意識とはかけ離れたものになるとされる[10]。(1) 破壊的カルト教団による信者の利用、(2) 社会心理学的技術の応用、(3) 他律的行動支配 の3つが一般定義である[10]。人格の「解凍・変革・再凍結」の理論をベースに、認知不協和理論や影響力論、ジャック・ヴァーノンの感覚遮断実験、フィリップ・ジンバルドーの監獄実験、プライミング効果
概要
精神科医のロバート・ジェイ・リフトンは中国共産党が行っていたマインドコントロールに8つの要素を認めた[15]。
環境コントロール
密かな操作
純粋性の要求
告白の儀式
聖なる科学
特殊用語の詰め込み
教義の優先
存在権の配分
統一教会元信者で心理学者のスティーブン・ハッサンは、認知不協和理論を元にマインドコントロールの4つの構成要素を定義した[15]。
行動コントロール
思想コントロール
感情コントロール
情報コントロール
行動コントロールとは、個々人の身体的世界のコントロールであり、仕事、儀礼、その他個人が行う行為のコントロールとともに、住居や着用する衣服、食事、睡眠などの環境コントロールを含む。多くのカルト宗教は信者に対して非常に厳格なスケジュールを定めるが、これは行動コントロールの一種である。