本作は批評家には概ね好意的な反応を得ており、Rotten Tomatoesでは231のレビュー中77%が支持して「フレッシュ」となっており、平均点は10点満点で6.7点を獲得した[79]。また、Metacriticでは、39のレビューで100点満点中58点となっている[80]。
『ハリウッド・リポーター』誌のメーガン・レーマンは「雷神のハンマーを投げつける衝撃音で今年のスーパーヒーローの夏がスタートする」と述べた[81]。『シカゴ・サンタイムズ』のリチャード・ローパーは、「オリジナルのスパイダーマン以来最も愉快なスーパーヒーローのデビューだ」と評した[82]。
逆に、『シカゴ・サンタイムズ』のロジャー・イーバートは「マーケティングには成功しているが作品としては失敗」と、否定的なレビューを書いた[83]。また、『ニューヨーク・タイムズ』のA・O・スコットは、「想像以上に商業的成功への打算がプログラムされた一例」と、映画を嫌った[84]。『ロサンゼルス・タイムズ』のケネス・トゥラン
は、絶賛も酷評もせず、「予測できる要素とできないものとの美的なにらみ合い」と記した。トゥランはヘムズワース、ホプキンス、エルバの演技を称賛したが、特殊効果が矛盾し、地球でのストーリーに目新しさが無いと感じていた[85]。日本ではパラマウント ジャパンよりBlu-ray、DVDが2011年10月21日に発売された。
続編と他のMCU作品とのタイ・イン
2011年4月、マーベル・スタジオの社長のケヴィン・ファイギは、『アベンジャーズ』に続いて「新たな映画でソーは新しい冒険を始め、キャプテン・アメリカは現代の世界を探検し続けるだろう」と語った[86]。
2011年6月、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズは『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』 を2013年7月26日に公開し、クリス・ヘムズワースのソー役での続投を発表した。ケネス・ブラナーは監督しないが、プロデューサーとして参加を続ける[87]。また後日、脚本のドン・ペイン続投も報じられた[88]が、11月8日に延期した。
本作ではS.H.I.E.L.D.のエージェントの1人・ホークアイが初登場する。ソーがムジョルニアを取り戻すため暴れまわるのを制圧するため召集され、弓矢を射つこともないカメオ出演だったが、後の『アベンジャーズ』に繋がる伏線となった。また、ソーも終盤でコールソンに「世界を守るためなら同盟を組んでもいい」と語る。
中盤、エリック・セルヴィグ教授が「自分の知り合いのガンマ線研究者がS.H.I.E.L.D.の連中と関わっている」と語るのはハルク(ブルース・バナー)を想起させる。
同じく中盤、地球に送り込まれたデストロイヤーを見たS.H.I.E.L.D.エージェントの「スタークの物か?」という台詞は、アイアンマンを想起させる。
終盤、S.H.I.E.L.D.長官のニック・フューリーがセルヴィグに解析を依頼する四次元キューブ(コズミック・キューブ)は「インフィニティ・ストーン」と呼ばれる強大なエネルギーを秘めた結晶の一つであり、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』『アベンジャーズ』など他のMCU作品にも度々登場する。
マーベル・スタジオ恒例であるスタン・リーのカメオ出演は今回も行われ、地球に落下したムジョルニアを持ち上げるため集まった群衆の中で、ムジョルニアを引っ張りあげようとするトラックの運転手役で登場している。
脚注
注釈^ ロキの実の親という点では共通しているが、北欧神話のラウフェイは女である。
^ 本来の発音だと“ミョルニル”になるが、本作だけでなく『MCU』の各作品では「ハンマー」と呼称されることが多い。
参考^ “ ⇒Thor”. thor.marvel.com. 2010年7月30日閲覧。
^ a b Matthew Vaughn (2007年10月7日). ⇒“My week: Matthew Vaughn”. The Guardian. ⇒http://film.guardian.co.uk/news/story/0,,2185548,00.html 2007年10月8日閲覧。
^ a b c d “Thor (2011)