マイク
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指向性による分類
指向性の種類

Omnidirectional

Bi-directional or Figure of 8

Subcardioid

Cardioid

Hypercardioid

Supercardioid

Shotgun

この図はある周波数の音において、マイク正面でどのような感度を有するかを示すもので、ポーラ・パターンまたはピックアップパターンと呼ばれる。
全指向性(無指向性)
360度全ての方向に対して感度が同等にあるものをいうが、可聴周波数全てに全指向性を得たものは無い。測定用マイクなどに使われる。オムニディレクション。
両指向性(双指向性)
正面とその反対側に対して感度がよいものをいう。両側で位相が逆になる。マイクを挟んで向かい合った2人の声の録音などに使われる。バイディレクション。
単一指向性
指向特性を図に表すと逆さのハート型を描くことから、心臓を意味するカーディオイドとも呼ばれる。正面に対して感度がよいものをいう。特定の方向以外の音を拾いにくいためハウリングやかぶりに強い。そのため舞台でのスピーチや楽器の拡声などに多く使われる。ユニディレクション。
サブカーディオイド(ワイドカーディオイド)
単一指向性と全指向性の中間的なもので、側面の感度も確保した単一指向性といえる。
狭指向性、鋭指向性、超指向性など
単一指向性より指向特性を鋭くしたものがあり、別の呼び名ではスーパーカーディオイド、ハイパーカーディオイド、ウルトラカーディオイドの順に鋭くなる。ゼンハイザーやシュアーなどではスーパーカーディオイド特性をもたせたショット・ガンをローバーと分類されることもある。

全指向性マイクは「吹かれ」に強く、近接効果が少ないのでENG等のインタビューマイクとして広く使われる。SHURE社のSM63、サンケン社のMS-5Cなどが有名である。音楽収音には全指向性マイクないし各種指向性マイクが用いられ、音響技術者や演奏者の意図、現場の音響状態、楽器の種類などさまざまな点から選択される。AKGのC414、DPAマイクロフォンの4006、ノイマン[要曖昧さ回避]のU87、シュアSM57ソニーのC38等数多くの有名機種がある。野外集音やビデオカメラ用マイクには鋭指向性のガンマイクが使われることが多く、ゼンハイザーのMKH416が夙に有名である。
指向性の実現法

正面を0とした音源の角度をθラジアン、感度をrとすると、

全指向性(無指向性)は r = 1

両指向性(双指向性、8の字指向性)は r = cos θ

カーディオイド特性は r = (1 + cos θ )/2

と表される。ここから判る通り、カーディオイド特性は、全指向性と両指向性の二つの特性を加算したものである。

全指向性を実現するには、カプセルがある位置での音圧を検出すればよく、両指向性を実現するには、ダイヤフラム前後の圧力勾配ないしは媒体の速度を検出すればよい。カーディオイド特性を実現するためには、両者を兼ね備えればよく、カプセル後方に音響抵抗をもった通路を設け、ある程度ダイヤフラム後方の音圧もダイヤフラムに影響を与えるようにする。コンデンサマイクでは、背極の両面にダイヤフラムを用意し、両者の出力を電気的に合成する手法もとられる。

ハイパーカーディオイド等は、カーディオイド特性より両指向性成分を増やしたもので、側面からの音を拾いづらく、背面からの音は逆相になるので、ステージでのPAに有効である。


ガンマイク(もしくはショットガンマイク)は全指向性と両指向性の加算ではなく、音響管による干渉を利用して非常に鋭い指向性を実現している。正面からの音はそのままマイクエレメントに到達するが、側面からの音は、音響管側面に配されたスリットと減速材を通る音と、正面から回り込んで音響管を通る音に分かれ、双方の音が干渉し、エレメントに届かない。これを音響管方式または位相管方式などと呼ぶ。ほかに、音響管にふたつのマイクエレメントを組み込み、正面からの音はそのまま正面用マイクエレメントに到達する。音響管側面からの音は別のエレメントに到達し、正面用とは逆相の信号を出力する。同時に正面に回り込んだ音が正面用エレメントに到達し、順相の信号を出力する。これを合成すると信号がほぼ無くなる。これを二次音圧傾度型と呼ぶ。音響管方式は側面からの音を減速させるために高精度な加工が要求され、なるべく長い音響管が求められるが、二次音圧傾度型よりも鋭い指向性が得られる。二次音圧傾度型は高度な加工が必要とされず、短い音響管でも鋭い指向性が得られるため、低コストである。アレイ・マイクロホンの指向性の原理アレイ・マイクロホンの指向性の原理 遅延器を使うと指向性の方向を変えられる。

また、放物面の焦点に全指向性マイクを置くと、遠くの音源に対する鋭い指向性と高い感度が得られる(集音器)。アレイ・マイクロホンは多数のマイクを並べてその出力を電気的に足し合わせて指向性を得るものがある。単純に足し合わせても高い指向性が得られるが、それぞれの信号を演算によって遅延器を通した効果を与えると、指向性の方向を変えられる。パッシブ・アレイ・レーダーの原理と同じである。また、それぞれのマイクの信号をいったんコンピューターに記録して、計算によって音源の方向(や距離)を割り出すことが騒音探査で応用されている。
用途による分類
ボーカルマイク

ヴォーカルマイク(vocal microphone)[3]とは、人の音(つまり歌声や話し声)を拾う目的で使われるマイクロフォンのこと。人間の音声の帯域幅の音をよく拾うマイクロフォンが選ばれる。ステージボーカルには、耐久性があり、吹かれに強く、低域をロールアウトした特性を持つ単一指向性マイクが適する。
インストゥルメント・マイク

インストゥルメント・マイク(instrument microphone)[3]とは、楽器の音響を拾う目的で使うマイクロフォンのこと。人の音声よりも広い帯域の音を拾うことができるもの[3]、より高音域や、より低音域の音を拾えるものでなければならない[3]
コンタクトマイク

音源に直接取り付けて使用するマイク。主に管楽器のホーン部、弦楽器の音孔の縁に取り付けて使われる。演奏を阻害しないよう小型にする必要があるためエレクトレットコンデンサー型が多い。また、これとは別にコンタクトピックアップと呼ばれるものもあるが、これは空気振動ではなく音源の振動を直接電気信号に変換するもので、マイクロフォンとは区別される。
接話型マイク


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