1999年9月1日より、従来のソ連方式の8・4制を改め、6・3・3制に移行した。 ポーランドの特徴のひとつはその教育水準にある。先進国ほどの所得水準でないにもかかわらず、2012年の経済協力開発機構OECD生徒の学習到達度調査(PISA)の成績は総じて高い。また国際数学コンペティションで総合優勝[76]を果たしたこともあった。 2017年には、就職難のために若者の68%が四年制大学へ進学していた(当時の日本は49%)[77]。この数字はOECD加盟国では8位(日本は23位)である。近年では、若者の95%が高校を卒業した後にも、短大を含めた大学型高等教育を受けることを望む希望者が多いという調査結果もあり、教育熱が日本や韓国の受験戦争時代以前から伝統的に非常に高い[78]。ポーランドの階級社会では、高卒は原則ホワイトカラー職に就けない。これは、大学の入試倍率が極めて高いからである。しかし、2020年代のポーランドは大学を卒業したところで多くは就職先がなく、西欧先進国などへ労働移民者とし移住しているのが現状である[66]。国立大学の授業料は無料でも、少子化は進行中である。 IT教育に熱心な国のひとつで、2014年に開催された第1回コーディング世界大会ではポーランドのチームが優勝した[79][80]。ポーランドの街と子ども 平均寿命は77.1歳[81]。かつてはユニバーサルヘルスケアが実現されていたが、法改正により保険料不払い者が資格を喪失するようになり、2013年には加入率91.6%に転落した[81]。 世論調査会社Homo Hominiが2010年12月に行った調査によると、ポーランドと陸続きで国境を接する7か国(ドイツ、チェコ、スロバキア、ウクライナ、ベラルーシ、リトアニア、ロシア)すべての人々のうち、ポーランド人がもっとも親近感を持つのは、順に以下のようであることが分かった(複数回答)[82]。
教育水準
大学進学率
保健詳細は「ポーランドの保健(英語版
医療詳細は「ポーランドの医療(英語版
社会
隣国に対する感情
チェコ人(39%)
スロバキア人(32%)
ドイツ人(23%)
リトアニア人(21%)
ロシア人(15%)
ウクライナ人(14%)
ベラルーシ人(10%)
治安詳細は「ポーランドにおける犯罪(英語版
2013年における経済協力開発機構(OECD)加盟国の治安ランキングによると、ポーランドの治安の安全性は、36か国中日本に次いで2位、3位はイギリス[83]。
OECD加盟国内、人口10万人あたりの殺人発生率の比較は、ポーランド(2010年)17位、1.3件(日本、0.5件)[84]。
国連、UNODCによる人口10万人あたりの発生率では、強盗率(2012年)70か国中37位、43.67件(日本は64位、2.87件)[85]。
暴力行為の発生率も低く、OECD加盟国中でもっとも少ないほうから3位[86]。
観光ガイドブックや外務省の海外渡航情報のウェブサイトではポーランドの治安が悪いような印象を読者に与えるような記述がされていることが多いが、実際のところは上記のようにポーランドの犯罪被害は稀で、アイルランド、イギリス、アイスランド、エストニア、オランダ、デンマーク、スイス、ベルギー、スウェーデン、ノルウェーといった、一般に「治安がいい」と考えられている国々よりも犯罪被害率が低いことは2000年代前半からの事実である[87]。
このすでに低い犯罪被害率でさえも年々さらに急速に低下しており(2004年から2010年にかけての7年間で25%の減少)、ポーランドの警察への国民の信頼度は非常に高い[88]。犯罪被害率は2013年から2014年にかけての1年間でもマイナス14%と劇的な低下が見られ、特に暴行、器物損壊、強盗はいずれも1年間でマイナス約20%の大幅な低下を続けている[89]。
ポーランド人にはヨーロッパ人のうち犯罪被害に遭うのをもっとも恐れる用心深い気質があるとされており[90]、刑法では、他人を大声で罵ったり侮蔑的な言葉を投げかけただけでも暴行罪が成立する[91]。