ポーカー
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ただし、そのときに利用されているチップ単位で割れない端数が存在する場合は、当該端数については、最初にアクションを起こすべき人間(これを「ポジションの悪い人」と表現する)に与えられるというルールが一般的である。

通常はカードのスートは考慮に入れず、ランクのみを比較するが、日本国内で古くからある解説書などにおいては、スートを比較すると記述されているものもある。また中華圏のスタッドポーカーでもスートまで比較するのが普通である(♠>♡>♣>♢の順が普通)。欧米でもカジノ以外ではスートを比較することもあるが、その強弱の順序は統一されていない[1]

勝敗の判断ではなく、(スタッドゲーム等で)アクションを行う順番を決定する場合等では、スートの強弱(♠>♡>♢>♣の順)までを比較する。
ディーラー

カジノでは、カジノ側に雇われた専属のディーラーが各ポーカーテーブルに一人ずついて、このディーラーが全てのゲームでカードを配る。

トーナメントや大規模なプライベートゲームでは「アミューズメントディーラー」がゲーム進行などを行う。

大規模ではないプライベートゲーム(一般家庭など)では、プレイヤーの一人がディーラーを兼ねることが多い。どのプレイヤーがディーラーになるのかに関して決まったルールはないが、通常は次の4通りのいずれかの方法でディーラーを決める。
前のゲームにおけるディーラーの左隣の人が次のゲームのディーラーになる。

前のゲームの勝者が次のゲームのディーラーになる。

固定した特定のプレイヤーがディーラーになる。

カジノと同様に、プレイをしない人がディーラーになる。

どのルールでディーラーを決めるのかは、プレイヤー間で事前に話し合って決める。

またフロップ(コミュニティカード)・ポーカーでは、カードを配り始める基準、及び強制ベットを行わせる基準として「DEALER」と記されたプレートをゲーム毎に時計回りで動かして使用することが多い(このプレートのことを「ディーラー・ボタン」と称する)。
チップの種類

チップの種類と、その価値はプレーヤーの間で任意に決めればよく特にルールはないが、複数の価値のチップを用意することが便利である。海外カジノにおいては、白=1、赤=5、緑色=25、黒色=100という単位である場合が多いので、この色と価値を援用する場合も多い。
ポーカーチップの色

ポーカーチップの価値と色の規則に国際基準はない。国や地域で異なるだけでなく、施設ごと、あるいは単一の施設でもイベントタイプごとに異なることがある。チップの色と大きさの統一を図るため、その地域のカジノ規制当局による指定を受けることがある。例えば、ニュージャージー州とイリノイ州では統一された色が指定されている。ネバダ州では色についての規制はないため、ネバダ州のカジノ(ラスベガスとか)では1ドルチップに白、青、灰色が使われる。アメリカ合衆国のうちカジノが合法なすべての州の政府は、縁の模様の組み合わせがカジノ店舗やチップの価値により重複することがないよう要求している。

ニュージャージー州の規則では下表の通り[2]

チップの価値(ドル)色
1白
2.5ピンク
5赤
10青
20黄色
25緑
100黒
500紫
1,000蛍光オレンジ
5,000灰色
20,000マスタードイエロー

ポット

ポーカーではテーブルの中央付近を、賭けたチップを置く場所として使う。このチップを置く場所をポットと呼ぶ。

プレイヤー達は、ポットの中で自分に近い場所に、他のプレイヤーが賭けたチップと区別がつくように、賭けたチップを置く。

各ディールの最後に、そのディールの勝者が受け取る時を除いて、プレイヤー達は一度賭けたチップを再び手もとに戻すことはできない。
アンティ

プレイに参加する全員が、毎回ゲームが始まる前に一定の額を払わなければいけない参加費のことをアンティと呼ぶ。

アンティが必要かどうかは、あらかじめゲームによって決められている。スタッドゲームでは、アンティを払うように設定されているのが一般的であるが、それ以外のゲームでは必ずしも必要とは限らない。

支払われたアンティはポットに集められ(アンティをコミッションとして徴収されてしまい、ポットに入らないハウスもある)、それ以降の掛け金と合わせて勝者が獲得する。
ベット

ポーカーではゲーム中、何度かベット(賭け)をするための期間がある。その各々の期間をベッティング・インターバル(あるいはベットラウンド)と呼ぶ。各ベッティング・インターバルは次のように行う。

ベッティング・インターバルはいずれかのプレイヤー(フロップゲームではディーラーボタンの左隣りのプレイヤー)から開始し、時計周りに行われる。

ポーカーでは、プレイヤーはゲーム中の任意の時にゲームから降りる(フォールドする、あるいはダウン、ドロップするとも表現する)ことができる。フォールドしたプレイヤーはそのディールで負けたものとみなされる。

ディールに参加しているプレイヤーで、まだフォールドしていないプレイヤーのことをアクティブ・プレイヤーと呼ぶ。以後そのディールはアクティブ・プレイヤーのみで行われる。

フォールドの際そのディールで賭けたチップを取り戻すことはできない。フォールドしたプレイヤーがそのディールで賭けたチップはそのまま残しておき、ディールの最後にそのディールの勝者がそのチップを得る。例:25点をベットした後に相手からレイズが入った結果降りた場合、最初のベットである25点分のチップはポットに入る。

各ベッティング・インターバルはオープニングベット以前と以後とに分かれる。

オープニングベット以前では、各アクティブ・プレイヤーは自分の番が回ってきたら次のいずれかの行動を取る。

チェックする。

オープニングベットをする。

フォールドする。

チェック

チェックとはその回のベットをパスすることである。

チェックをするプレイヤーは「チェック」と宣言する代わりにテーブルを軽く2・3回叩いても、チェックの意思を表すことができる。


オープニングベットとは、ポットにチップを賭けることである。

全員がチェックした場合、ゲームは次のステップに進む。

オープニングベットが行われた後では、各アクティブ・プレイヤーは自分の番が回ってきたら次のいずれかの行動を取る。

コールする。

レイズする。

フォールドする。

アクティブ・プレイヤーは、自分の番が回ってきたら前のプレイヤーと同額もしくはそれ以上の金額をかけるかフォールドするかしなければならない。

前のプレイヤーと同額のチップを賭けることをコールと呼び、賭ける金額を吊り上げることをレイズと呼ぶ。

ベッティング・インターバルは、全てのアクティブ・プレイヤーがチェックするか、あるいは、全てのアクティブ・プレイヤーの出したチップの額が同額になるまで続けられる。
チェックレイズ

一度チェックしたプレイヤーが相手のベットに対してレイズする戦術を指します。

「一度弱いフリをして相手からチップを引き出した」とも解釈され、単にベットするよりもチェックレイズをする方が強い手を持っているように見えます。
ブラインド・ベット

フロップ(コミュニティカード)・ポーカーでは、上記のアンティを徴収しない形でプレイを行うことが多いが、これでは勝負にならない手を全て降りるという選択が用意されてしまうため、先述のディーラー・ボタンが置かれたプレイヤーから時計回りに2名が、それぞれ1ユニット、2ユニットのチップを強制的に(カードを配る前に)賭けさせられるという決まりが存在する。このときのベットを、「ブラインド・ベット」という。

ただし、ブラインド・ベットがあったからといって、アンティがかならず存在しないということはなく、アンティとブラインド・ベットを併用した形のゲームも可能であり、存在する。
ベットの上限

ゲームが青天井にならないように、ベットおよびレイズができる額に制限を設定しておく種類のゲームを、リミットゲームと呼ぶ。逆に上限額を全く設定しないで、無制限に行えるゲームをノー・リミットゲームと呼ぶ("NL","N/L"などと略されて表記される場合もある)。

レイズの値の制限方法には、以下のようなバリエーションがある。
フィックスドリミット (fixed limit)
あらかじめ定められた一定の額しか増額することができない。単に「リミット」と表記されている場合は、この「フィックスドリミット」を指す場合が多い。
スプレッドリミット (spread limit)
たとえば「$1から$5の範囲で任意の額を増額できる」といった、一定の幅を持たせた設定。(低額のマネーゲームで採用されている場合があるが、トーナメントではほとんど採用されない。)
ポットリミット(pot limit)
ポットにある合計金額をベットできる上限金額とするルール。
ノーリミット(no limit)
ベットおよびレイズができる額の上限を定めないルール。

ベットやレイズの額だけでなく、毎回のベットラウンドでのベットやレイズの回数にも制限が設定されている場合もある。この回数制限に達することをキャップという。

なお、ノーリミットのゲームであっても、通常は「ハンドの開始時点でテーブル上にある手持ちチップしか賭けることができない」というルール(テーブルステークスと呼ばれる)があるため、実際の上限は「自分、もしくは対戦相手の持っているチップの総額(のうち、少ない方)まで」となる。

これは、ハンドの途中でチップを買い足して不当にポットを大きくしたり、経済的に不利なプレイヤーが払いきれないベットを受けて強制的にフォールドさせられたりといった恫喝的なプレイを防止する目的で設定された制限である。

手持ちのチップ全てを賭けることを「オールイン」といい、オールインしたプレイヤーは、それ以降のラウンドをベットなしで最後まで参加できるが、その時点でアクティブプレイヤーではなくなる。オールインしたプレイヤーが受け取ることができるのは、オールインした金額に対応するベットまでで、それを超えた、あるいはそれ以降に賭けられたチップはサイドポットとして分けられ、アクティブプレイヤーのみで争われる。

逆に、自分の賭けたチップを対戦相手が受けきれない場合、対戦相手はオールインで受けることができ、その場合他にアクティブプレイヤーがいない場合は相手が受け切れなかった差額はベット不成立で返却される(他にアクティブプレイヤーがいる場合は差額がサイドポットへのベットとなる)。
ショーダウン

各ディールの最後にアクティブ・プレイヤー達は、全員にコールされたベットまたはレイズを行ったプレイヤーが最初に、その後はコールした順に、ハンドを公開して互いにハンドを比較しあう。また最終ラウンドが全員チェックで回った場合はチェックした順にショーダウンとなる。そして最強のハンドを持っているプレイヤーがポットのチップを全て獲得する。サイドポットのある場合は、各々のポットに対する権利を持つプレイヤー同士で比較が行われる。

ハンドの公開は必須ではなく、他者が既にオープンして確定した役に対して勝利することができない場合や、どんなハンドを持っているかを見せないと戦略的に見せる場合は、フォールドするときと同じように、カードを伏せた状態にしてディーラーへ投げて非公開とすることも可能である(この行為をマック (Muck) という)。
ポーカーの種類

ポーカーには主に以下の三種類がある。
クローズド・ポーカー

スタッド・ポーカー

フロップ・ポーカー

クローズド・ポーカー(ドローポーカー)

最も古い形のポーカーで、各プレイヤーは自分の手札を全て隠してプレイをする。カードが配られたらまずベット(賭け)をし、次にカード交換を行う。そして再びベットをし、最後に全員がハンドを公開して勝敗を決める。

代表的なゲーム名

ファイブカード・ドロー


デュース・トゥ・セブン

バドージ


スタッド・ポーカー(オープン・ポーカー)

スタッド・ポーカーはオープンなポーカーである。まず初めに各プレイヤーに何枚かの手札(枚数はポーカーの種類ごとに異なる)が裏向きに配られる。プレイヤー達は自分の手札を他のプレイヤーに見せないように自分だけで見る。次に各プレイヤーに表向きにカードが一枚ずつ配られる。ここでまず一度ベットをする。ベットが終わったら再び各プレイヤーに札が表向きに一枚ずつ配られ、ベットが行われる。以下同様にカード配布とベットとが交互に行われ、最後のベットが終わったら、全員最初に配られた裏向き札を明かし、勝敗を決める。

代表的なゲーム名

セブンカード・スタッド

ファイブカード・スタッド


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