ポルノグラフィ
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1990年代に有害コミック(青少年向けの露骨な性描写を含む漫画)の規制運動がおこったとき、「母親運動」側は規制を推進すべきとの立場であったが、「行動する女たちの会」はこれに対して『異議を申し立てた』[26]

フェミニストの中にも既存の性秩序への破壊力をポルノに認め、ポルノ一般に寛容な立場もある[27]。特にその根拠となるのは、ポルノの規制は公権力の介入によって表現の自由が制限されることが問題であるというものである。猥褻表現と芸術表現の境界をどう判断するかという論点に関しては、大島渚監督は「猥褻で何が悪い」と、芸術と猥褻を区別することは誤りだと主張した。このほか、ポルノからエロティカを区別して排除する考え方は、「女性の性的嗜好の多様性を否定するものである」という批判もある[28]

「現実(の性犯罪・性被害)とポルノの関係」については、ポルノが現実の性犯罪を誘発しているという実証的な根拠に乏しいという批判や、ジュディス・バトラー赤川学のようにポルノは現実とは異なる「別種の現実」あるいは「代償的幻想」であるという批判がある。[29]また、代償としてポルノが利用されればカタルシスによって現実での性犯罪が抑制されるという見方もあり、実証的な研究論文などでは、ポルノグラフィと性犯罪に直接の関係がないとの主張も存在する[30](メディア効果論も参照のこと)。

「ポルノは男性優位的な社会構造の反映である」というテーゼについては、アンソニー・ギデンズらはむしろ男性社会の権威が低下しているからこそそれを補強するためにポルノが必要とされているのであると論じている[31]

VCR、ホームビデオ、および手頃な価格の家庭用ビデオカメラの登場により、フェミニストポルノの可能性が生まれたという主張もある。消費者ビデオにより、ビデオポルノの配布と消費が、女性をポルノの正当な消費者として位置付けることが可能になった。トリスタン・タオルミーノは、フェミニストポルノは「公正な労働環境を作り、関係者全員に力を与えることすべてに貢献する」と述べている。フェミニスト・ポルノ・ディレクター(監督)は、男性と女性の挑戦的な表現に関心を持っているだけでなく、多くの種類の身体を特徴とする性的に力を与える画像を提供している。

ライターのスーザン・ファルディは、1995年のニューヨーカーのエッセイで、「ポルノは女性が職場で力の利点を享受する数少ない業界の1つである」と主張した。『女優は力を持っている』と男性の批評者アレック・メトロは、業界のX格付けについて指摘した。メトロはそのポルノ業界で「逆差別」が進行していると語った。女性パフォーマーは多くの場合、男性俳優を決定したり拒否したりすることができるという。

日本では、堀あきこ[32]守如子[33]は、従来のポルノ批判は男性向けのポルノばかりを想定して、「女性向けのポルノの存在」を黙殺しているのだとして、レディースコミックティーンズラブボーイズラブやおい)といった形で女性向けのポルノ表現が定着しておりそれらには(保守的な道徳観によって抑圧されてきた)「女性が性的な欲望を持つこと」が肯定されるのだと、人間の自由から論じている。ただし、堀あきこは男性向けのポルノと女性向けのポルノは異なる価値観に沿っているとしており、この点については守如子と立場が異なる[34]
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アジアにおける日本のポルノ人気

2013年11月経済産業省主導でクールジャパン機構が発足し、マンガ和食ファッションなど、日本のカルチャーを海外に売り込もうという動きが活発化しているが、日本政府の助けなど借りなくとも易々と海外市場を制覇している産業があり、それが日本のポルノだという[35]


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