データは、過去数十年でポルノの視聴が増加していることを示唆しており、これは1990年代後半にWorld Wide Webに広く一般にアクセスして以来、インターネットポルノの成長に起因している。 2010年代を通じて、多くのポルノ制作会社とポルノのトップWebサイト(PornHub、RedTubeなど)が大手に買収されていった。 ある人に対しては性的興奮を喚起させる図像でも、異なる性的嗜好を持った別の人に対してはまったくそのような効果はない、というようにポルノとそうでないものの境界は非常に曖昧であるが、おおむね「性的興奮・刺激を誘発する」「性描写を含む」「自慰行為に利用される」といった特徴を持ったものをポルノと考えるのが一般的である[10]。 女性がポルノを楽しむことも自由であり、グラビアアイドルの真島なおみは、「ゴッドタン」でAV(アダルトビデオ)を娯楽で鑑賞していることを告白し、「女性がAVを見るようになったのは、いい時代だと思います」と述べている[11]。一方で、保守的な反ポルノ運動のキャサリン・マッキノンは日本でレディースコミックが女性に読まれていることについて、(自分は日本文化には詳しくないと前置きした上で)それは「幼少期に性的虐待を受けたケースなど極僅かではないか」と発言をしている[12][13]。 日本国内では結合部を見せることは違法となっているため、性器にはモザイクをかけている。これは日本のポルノやセックスのあり方が、イスラム圏や途上国と欧米先進国の中間にあるためと見られる。日本とは異なり、世界のポルノグラフィは結合部を見せるものであり、この点からもかなりの相違点がある。日本フォーマットの洋モノ作品、ジャポルノも小さい市場だが存在する。 異性愛者の男性向けのポルノには、実写のエロ本・他に漫画の形態をとることも多い。これを守如子は、「流通形態」「読者の安心」の観点から次のように説明している[14]。例えばレンタルビデオ店のアダルトコーナーは多くの場合カーテンなどの向こう側に設置されており女性が入りにくい雰囲気となっているが、マンガの場合は売り場が男性向け・女性向けと分かれていることが多いため、女性がポルノを買う抵抗感が少なくて済むと考えられる。 異性愛者の女性向けのポルノとしては、レディースコミック・ティーンズラブ・ボーイズラブ(やおい)といったジャンルがある。ボーイズラブは男性同士の同性愛(ゲイ)を、レディースコミックやティーンズラブでは男女間の異性愛がメインとして描かれているが、経緯としてはボーイズラブ系の作家に「男同士の恋愛関係を男女の関係に置き換えて作品を執筆してほしい」と依頼する形でレディースコミックやティーンズラブというジャンルが誕生している[15]。 描写の内容として、異性愛者の男性向けポルノでは基本的には女性身体をエロティックに表現することに重点が置かれているが、異性愛者の女性向けのレディースコミックでは男性身体の描写に力点が置かれているかというとそうではなく、性行為のシーンでは女性身体の描写がメインとなっていることも多い[16]。また、男性向けの成人漫画の性交シーンは性的快感に関する描写が多いが、それとは違いレディースコミックの性交中のシーンでは、愛があるかどうかなど、そのセックスに関する不安や不満といった俯瞰的で細やかな心理描写が多用される特徴がある[17]。 また、性的少数者(LGBT・クィア)である同性愛者・両性愛者(レズビアン・ゲイ)向けのポルノは、異性愛者向けのポルノよりもかなり市場規模が小さい。詳細は「:en:Lesbian erotica 1980年代には保守化・右傾化の波に乗った右派のアメリカ合衆国大統領ロナルド・レーガンやモラル・マジョリティ、キリスト教原理主義者らによるポルノ批判が激しくなり、レーガンは反ポルノ法を成立させた[18]。日本では1970年代に、日本共産党の宮本顕治委員長が「11PMはポルノ番組だ」と批判したことがある。また1980年代には、山田洋次が「ポルノを見る人は、働くのが嫌いな人」とFMラジオで発言した。これをたまたま聴いていた若松孝二は、強い怒りを感じたという。 グロリア・スタイネムは、性描写を含む表現物の中でも男尊女卑、女性差別的な価値観に基づくポルノと、男女平等で友好的な性愛を追求するエロティカを区別した。そして前者を批判しつつ、エロティカという形で女性が性差別的な価値観を押し付けられることなく、「ポルノを楽しむことができる」可能性を提示した[19][20]。
ポルノの定義
男性向けポルノと女性向けポルノ
ポルノへの否定的意見