ポルトガル語を母語とする人口は、約2億5000万人である。ポルトガルの人口は1000万人程度だが、約2億人の人口を抱えるブラジルの公用語になっているため、話者人口は多い。81%(約2億人)がブラジル国内で、残りの5,000万人は、ポルトガルおよびその旧植民地に分布し、世界で7番目または8番目に多い話者人口を有する。複数の大陸にまたがって話される数少ない言語の1つでもある。現在ポルトガル語を公用語としているのは、以下の諸国と地域である。
ヨーロッパ
ポルトガル
南アメリカ
ブラジル
アフリカ
アンゴラ
カーボベルデ
ギニアビサウ
サントメ・プリンシペ
モザンビーク
赤道ギニア
この6か国は、ポルトガル語公用語アフリカ諸国(Paises Africanos de Lingua Oficial Portuguesa、PALOP)と総称される。ただし赤道ギニアについては主要公用語はスペイン語だが、ポルトガル領であった歴史もある事や赤道ギニアに属するアンノボン島がかつてポルトガルの植民地であった事と島民がポルトガル語を話す事などから2007年にポルトガル語が公用語に追加された。
アジア
東ティモール
マカオ
上記のポルトガル語を公用語とする国及びポルトガル語話者の非常に多い地域は合わせてルゾフォニア(ポルトガルの古称であるルシタニアからとられた言葉で、「ルシタニア語(ポルトガル語)の世界」を指す)と呼ばれ、1990年代以降ポルトガル主導のもとで連携を強めている。ポルトガル語を公用語とする国家のうち、マカオと赤道ギニアを除く8カ国は1996年にポルトガル語諸国共同体を結成し、政治・経済・文化各面での協力及びポルトガル語の普及において協力体制を構築している。2006年に第1回大会がマカオで開催され、以降4年に1度開催されているポルトガル語圏競技大会などの交流も盛んに行われている。ポルトガル語による文学も盛んであり、多くの文学作品が輩出されている。ポルトガル語で書かれた作品を対象にポルトガルとブラジルが共同で選出するカモンイス賞は、ポルトガル語世界において最も権威のある文学賞であるとされる。
ほかにカリブ海の諸島やポルトガル語公用語アフリカ諸国などにおいては、ポルトガル語と現地の諸言語が接触し形成されたクレオール言語(crioulos)が、ポルトガル語と並んで話される地域もある。こうしたポルトガル語をベースとしたクレオール言語としては、オランダ領西インド諸島のアルバ島とボネール島、そしてキュラソー島(ABC諸島)で話されるパピアメント語や、カーボベルデのカーボベルデ・クレオール語、ギニアビサウのギニアビサウ・クレオール語、サントメ・プリンシペのフォロ語、アンゴラ語、プリンシペ・クレオール語、赤道ギニアのアノボネセ語、マカオのマカオ語などがある。