ポリ乳酸
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2019年には大林組がCO2資源化研究所と共同でポリ乳酸の実用化検討を進めることを発表した[4]。これはCO2資源化研究所が保有する水素細菌を利用するもので、再生可能エネルギーから製造した水素と二酸化炭素を与えて乳酸を生合成させ、これを原料としてポリ乳酸を生産する。建設業は土嚢や養生シートなどの形で世界のプラスチック需要の16%を使用する大規模需要者であり、これを微生物由来のポリ乳酸プラスチックで置き換えることで食料と競合することなく脱石油化を目指している[4]

ただし、ポリ乳酸を合成するためにはある程度のエネルギーを必要とし、そのエネルギーは石油など化石燃料由来であることも多い。このためポリ乳酸を真の意味でカーボンニュートラルと呼んでよいかについては議論があり、カーボンニュートラルを考慮してもポリスチレンに比べて排出される二酸化炭素が多いとの見方も存在する[5]
合成法

ラクチドを経由する方法と、直接重合による手段とが知られている。
ラクチド法

乳酸を加熱脱水重合すると低分子量のポリ乳酸が得られるが、これは分子が短すぎるためプラスチックとしては役に立たない。このオリゴマーをさらに減圧下加熱分解することにより、乳酸の環状二量体であるラクチドが得られる。ラクチドは金属塩触媒存在下で容易に重合し、ポリ乳酸を与える。

触媒としては、毒性の低いオクタン酸スズ(II)がよく用いられる。この他にアルミニウムランタノイドのイソプロポキシド、亜鉛の塩なども重合活性がある。
直接重合

ジフェニルエーテルなどの溶媒中で乳酸を減圧下加熱し、水を取り除きながら重合させることによって直接ポリ乳酸が得られる。この他、溶融法などによる合成法も研究されている。
脚注^ a b c 旬な材料 ポリ乳酸とは日経デジタルヘルス(2006年5月19日)2019年9月16日閲覧
^バイオマスプラQ&A日本バイオプラスチック協会(2019年9月16日閲覧)
^ 日精ASB、分解速い生分解性プラボトル成型技術確立日本経済新聞ニュースサイト(2019年9月5日)2019年9月16日閲覧
^ a b “CO2から生産する生分解性プラスチックの実用化検討を開始”. 大林組 (2019年6月17日). 2019年6月20日閲覧。
^ “生分解性プラスチックの LCA 分析?2005 年度 事例研究最終報告書?” (PDF). 武蔵工業大学 伊坪研究室. 2020年11月23日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2024年1月11日閲覧。










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