株式会社ポニーキャニオン(英: PONY CANYON INC.)は、日本の大手映像・音楽ソフトメーカー。フジ・メディア・ホールディングスの連結子会社で、フジサンケイグループに属する。通称は「ポニキャン」[2][注釈 1]。
日本映像ソフト協会(JVA)、日本レコード協会(RIAJ)の正会員であり、過去両協会に会長を輩出している[注釈 2]。
日本で最初期にミュージックテープ、ビデオソフトを販売したことで知られ、欧米メジャーに属さない独立系レコード会社としては世界有数の規模である[注釈 3](ソニーグループの音楽映像事業は、それ自体が欧米のメジャー領域で大きな一角を占めている)。
沿革2019年4月まで本社が置かれていた住友不動産虎ノ門ビル(現在は解体済)
1955年、ニッポン放送の関連会社として設立された「株式会社ニッポン放送事業社」(ニッポンほうそうじぎょうしゃ)が前身である。
1966年10月1日、当時ニッポン放送の常務だった石田達郎がカーステレオの普及を見越し8トラックによるミュージックテープを販売するため、現法人「株式会社ニッポン放送サービス」(ニッポンほうそうサービス)を設立。翌1967年4月に8トラック「ポニーパック」を発売。
1970年に「株式会社ポニー」と社名変更、コンパクトカセットを使用したミュージックテープ、およびビデオソフトの販売も開始した。ニッポン放送系列のレコード会社として「株式会社キャニオン・レコード」も石田が設立した。
1975年に発売された「およげ!たいやきくん」が450万枚(オリコン調べ)の大ヒットを記録。1978年には九段北に新社屋を建設、通称「たいやきビル」と呼ばれた(1986年九段NPビルに移転、2012年まで一口坂スタジオが使用)。
設立の経緯からキャニオン・レコードがレコードと大半のCD、ポニーがミュージックテープ・ごく一部のCD・ビジュアルソフトと事業分野が分けられていたが、1987年10月21日に両社は合併し「株式会社ポニーキャニオン」となった。
1992年に製造部門(足立センター。ニッポン放送送信所の跡地(現:ニッポン放送足立予備送信所)にあった)と子会社のピーシープロジェクトが統合してポニーキャニオンエンタープライズとして独立した。その一方で、1994年にポニーキャニオン販売を吸収合併、本社を八丁堀に移転。
2006年4月にフジサンケイグループ(FCG)の再編[注釈 4]が実施され、ニッポン放送の子会社からフジテレビの子会社に移行した。
2007年3月にはフジテレビの全額出資による完全子会社(扶桑社も同時期に完全子会社化された)となり、2008年10月フジテレビ等のFCGに属する放送事業者各社を認定放送持株会社傘下に統合することを核としたグループ再々編に伴い、グループ統括会社であり認定放送持株会社であるフジ・メディア・ホールディングスの完全子会社となった。
2009年、ポニーキャニオン音楽出版とPCI MUSIC設立。
2011年、アミディア設立。
2012年、ポニーキャニオン代々木スタジオ開設。閉鎖された一口坂スタジオから機材の一部を受け継いだ。
2013年、ポニーキャニオン渋谷スタジオ開設。ぽにきゃんBOOKS創刊 書籍事業がスタート。
2014年、エグジットチューンズ株式会社を完全子会社化。
2019年、エグジットチューンズから音楽出版事業と作家マネジメント以外の全事業を、ポニーキャニオンアーティスツから声優マネジメント事業を吸収し、エグジットチューンズはエグジット音楽出版に改称。
1998年から約20年に渡り、本社を虎ノ門(2020年開業の東京メトロ日比谷線・虎ノ門ヒルズ駅に隣接)にある住友不動産虎ノ門ビル(一棟借り[3])に置いていたが、2022年度竣工予定の虎ノ門ヒルズステーションタワーの隣接地(「都市再生特別地区(虎ノ門一・二丁目地区)」のA-4街区[4])にあたるため、2019年5月7日に六本木一丁目の泉ガーデンアネックス(一棟借り[5])に本社を移転している。 映像ソフト販売会社としては老舗であり1970年3月11日に石田が「1980年には日本のビデオソフトが5,000億円産業に成長する」という趣旨の「ビデオソフト5千億産業宣言」を行い[6]、同年7月1日にビデオソフト(オープンリール式)『ポニービデオ』を発売[7][注釈 5]。オリジナル作品・およびフジテレビ系列の番組・映画の映像化作品はもとより、系列外の放送局(NHK・TBSテレビ・テレビ朝日・テレビ東京など)の番組DVDなども販売している。特にTBS系列はTBSホールディングスがカルチュア・コンビニエンス・クラブ、毎日放送などと共同出資したTCエンタテインメントがあるが、2010年時点でも『けいおん!!』や『アイリス』(フジ・メディア・ホールディングスの2011年3月期中間報告書[9]にヒット作品として記載)などが当社からリリースされている。2000年には日本で初めて有料映像配信を開始。 なお、日本テレビ系の番組に関しては原則として日本テレビ子会社で系列各社も出資しているバップからリリースされているが、ドラマ『大都会』シリーズや、読売テレビ制作のアニメ『結界師』などのソフトは当社からリリースされている。 また、1984年にはウォルト・ディズニー・カンパニー(日本法人も)と契約、同社の映像ソフトの販売を受託している(そのため、日本テレビが製作に名を連ねるスタジオジブリ作品についても、ジブリとディズニーの間で映像ソフト販売契約を結んでいるため当社が販売を担当する)。 かつてはMGM/UA・コロンビア ピクチャーズとも契約していたが、前者はワーナー・ホーム・ビデオに移管(現在はワーナー ブラザース ジャパン合同会社が発売元を、NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン合同会社が販売元を担当)、後者は株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが自ら販売業務を担当していた(現在は株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが権利元を、株式会社ハピネット・メディアマーケティングが発売・販売元を担当)。
映像ソフト