2006年3月からは、ラジオ番組『Theme Time Radio Hour』で、初めてDJを務めている(アメリカの衛星ラジオ局、MX・サテライト・ラジオの「ディープ・アルバム・ロック・チャンネル」にて放送)。5月、故郷のダルースで、ディランに関する地を巡る全長1.8マイルの道路に標識が設置され、「ボブ・ディラン・ウェイ」と命名された。毎年5月には、誕生日を祝うイベントも開催されている[117]。
同年8月29日には、5年ぶりのアルバム『モダン・タイムズ』を発表。このアルバムは、9月16日付ビルボードアルバムチャートで『欲望』以来、30年半ぶりの1位を獲得[118]した。また、このアルバムにも収録されている「サムデイ・ベイビー("Someday Baby")」は、ビルボードで98位と23年ぶりの100位以内に到達したシングル曲となった。米ローリング・ストーン誌や英Uncut誌は、このアルバムを2006年の年間ベスト・アルバム1位に挙げ[119][120]、2007年2月のグラミー賞では、『モダン・タイムズ』と「サムデイ・ベイビー」で2冠を獲得した。ノルウェー・オスロでのステージ。右側2番目でキーボードを弾いているのがディラン(2007年)
2007年、2008年の2年間をデビュー45周年とし、「DYLAN ICON」キャンペーンを実施。全キャリアを総括するベスト盤『DYLAN』発売を皮切りに、「我が道を行く("Most Likely You Go Your Way (And I'll Go Mine)") 」のリミックスの発表、「ニューポート・フォーク・フェスティバル」完全版DVD化、『オー・マーシー』から『モダン・タイムス』のアウトテイクやライブ音源などを収録した『テル・テイル・サインズ(ブートレッグ・シリーズ第8集)』の発売など、ディランの再評価を象徴する動きが見られた。
2007年10月には初の個展となる「The Drawn Blank Series」が、ドイツのケムニッツにて開催された。これは、1989年 - 1992年の間に描いたスケッチ(1994年に画集 "Drawn Blank" として発刊された)をもとに、ディラン自身が新たに手を加えて制作された絵画の展覧会である。2008年にはロンドンでも開催され、以後世界各地で展開されている。日本でも、2010年11月に六本木で開催された。
2008年には「卓越した詩の力による作詞がポピュラー・ミュージックとアメリカ文化に大きな影響与えた」としてピューリッツァー賞特別賞を受賞した[121]。2009年4月、スタジオ・アルバム33作目となる『トゥゲザー・スルー・ライフ』を発売。ビルボード200と全英アルバム・チャートの両チャートで初登場1位を記録した[122][123]。10月、売上印税を国際的な慈善機関に寄付するクリスマス・アルバム『クリスマス・イン・ザ・ハート』を発売[124]。 2010年3月、9年ぶり6度目の日本公演で、Zepp OsakaとZepp Nagoya、Zepp Tokyoの3か所で行われた[125]。 レコードデビュー50周年を迎えた2012年には、バラク・オバマ大統領より大統領自由勲章(文民に贈られる最高位の勲章)が授与された。9月には、35作目となる『テンペスト』を発売した。 2016年10月13日、「アメリカ音楽の伝統を継承しつつ、新たな詩的表現を生み出した功績」を評価され、歌手としては初めてノーベル文学賞受賞が決定した[8]。発表からしばらく沈黙を守っていたが、同月28日に授賞を受け入れると発表した[126]。2週間も沈黙し続けた理由について、「あまりの事に、言うべき言葉が見つからなかった」と答えている[127]。 2017年、収録曲が全てカバーソングであるCD3枚組のアルバム『トリプリケート』を発売した。 2020年、自身のYouTubeチャンネル
2010年代
ノーベル文学賞受賞
2020年代