1980年の大会では女子の先頭を切ってゴールしたのは、ロージー・ルイーズという選手であった(タイムは2時間31分56秒)。しかし、レース途中で彼女を見ていないという複数の証言や、ゴールしたときに彼女のウェアにほとんど汗がついていなかったこと、またゴール800m手前の地点で、群衆の中から彼女が飛び出してきたという目撃証言などから、主催者側は彼女が途中で何らかの方法で近道をしたと判断し、失格とした[17](なお、彼女は前年のニューヨークシティマラソンにも参加しているが、その際にも彼女が地下鉄に乗っていたという証言があった)。代わってカナダのジャクリーヌ・ガローが優勝者となった。こうしたマラソンの「キセル」は、1904年のセントルイスオリンピックでも起きているが(アメリカのフレッド・ローツによるもの)、草創期ならともかく現代のマラソンでこうした事件が起きたことは多くの人を驚かせた。 2007年に行われた大会では、国際宇宙ステーションに滞在中の女性宇宙飛行士、スニータ・ウィリアムズが参加した。NASAを通じて電子メールで送られた14000番のゼッケンをつけてトレッドミルで42.195kmを4時間24分で完走。宇宙からのマラソン大会への正式参加は史上初めて。 1984年から1991年まで8年間、リコーがスポンサーを務めていたが、スポンサー料が高くなりすぎたため、スポンサーをやめ、シットゴーがスポンサーとなったが、優勝賞金は5万5000ドルから3万ドルに減額された[18]。 ボストンを本拠地とするMLB球団のボストン・レッドソックスがボストンマラソン当日に本拠地のフェンウェイ・パークにて主催試合を行う場合には、大会に配慮する形で午前11時頃に試合開始という異例の時間帯で開催することが通例となっている[19]。 1975年、当時24歳のボブ・ホールという車いす使用の青年の参加を許可し、2時間58分の記録を公式に認めた。メジャー大会で初となったこのニュースは、多くの障害者が車いすマラソンに挑戦するきっかけとなった。 なお、1970年には非公式であるが、ベトナム退役軍人のユージン・ロバーツ(Eugene Roberts)が病院の車椅子を使って7時間掛けて完走している[20]。 日本人では、2007年と2011年に副島正純が優勝し、女子では土田和歌子が2007?2011年に5連覇している。 歴代優勝者開催年男子選手タイム女子選手タイム
宇宙からの参加者
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ボストン・レッドソックス
車いすの部2011年副島正純
1975 Bob Hall (USA)2:58(女子の参加なし)
1976
1977 Bob Hall (USA) -2-2:40:10 Sharon Rahn (USA)3:48:51
1978 George Murray (USA)2:26:57 Susan Schapiro (USA)3:52:53
1979 Ken Archer (USA)2:38:59 Sheryl Bair (USA)3:27:56
1980 Curt Brinkman (USA)1:55:00 Sharon Limpert (USA)2:49:04
1981 Jim Martinson (USA)2:00:41 Candace Cable (USA)2:38:41
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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