ボクシング
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クインズベリー・ルールにより行われた最初の公認世界ヘビー級タイトルマッチは、1892年9月7日、ジョン・ローレンス・サリバン(ジョン・L・サリバン)対ジェームス・J・コーベット戦である。コーベットは当時のスタイル「スタンド・アンド・ファイト」ではなく、相手から距離をとってパンチをかわし、左の軽いジャブを当て続けて相手を弱らせる「卑怯者の戦法」といわれたスタイルでサリバンを21回にKOし勝利をおさめた。

現在のように世界タイトルマッチのラウンド数の規定はなく、プロモーターや現地のコミッション的組織、対戦選手陣営同士の合意などで初期はその都度変わっており、初期の名選手で黒人初のヘビー級チャンピオンのジャック・ジョンソン1915年4月5日の防衛戦では全45ラウンド制(※結果は挑戦者の26回KO)だった一方、その2回前の1913年12月19日の防衛戦では、全10ラウンド制(※結果は10ラウンドPTSドロー)でバラバラであったが、自身の防衛戦を全て全10ラウンド制で行ったジーン・タニーの引退後の1930年6月12日に行われた空位の世界ヘビー決定戦以降は、世界タイトルマッチは一部の例外を除きほぼ全15ラウンド制で行われるようになったため、1930年代の半ば前には慣例として『世界タイトルマッチ15回戦制』が事実上成立した。しかし1982年11月13日以降の数年にわたって一連のリング禍事件が発生したことを受けて、世界戦をはじめ主要なビッグマッチにおいても最大12ラウンドまでに短縮される動きが広まり、現在に至っている。「日本のボクシング史」も参照

ボクシングの試合・スパーリングを挑んだり、実際に対戦しても「スポーツや格闘技である以上」は、それが違法性阻却事由となり決闘罪は成立し得ない。(「決闘罪ニ関スル件」を参照)
関連書籍

『ボクシングはなぜ合法化されたのか―英国スポーツの近代史』松井良明
平凡社 2007年 ISBN 978-4-582-83354-6

試合形式
アマチュア

アマチュアボクシングでは、シニア(18歳以上)では1ラウンドを3分間、ジュニア(高校生)では1ラウンドを2分とし、ラウンド間に1分のインターバルをおく。

ラウンド数は、日本国内では3ラウンドでおこなわれる形式が一般的であるが、国際試合では1990年代後半から2000年代前半にかけて、1ラウンドを2分間に短縮して5ラウンド制または4ラウンド制で行われるなどした。日本国内でも、全日本選手権とそのブロック予選では2分4ラウンド形式で試合がおこなわれた時期がある。しかし、国際アマチュアボクシング連盟では2009年1月より3分3ラウンド制に統一され、これに従って国内でも3分3ラウンド制に統一された。
プロ「プロボクサー」も参照

男子のラウンドは3分間で、各ラウンドの間に1分間のインターバルが入る。公式戦のラウンド数は、4、6、8、10、12の5種類があり、例えば4ラウンドの試合は4回戦と呼ぶ。選手の技量と戦績に応じて6回戦、8回戦、10回戦と上がっていき、日本タイトルマッチは10回戦、 世界タイトルマッチ(WBA、WBC、IBF、WBO)などは12回戦で行われる[3]

一方、新しく公認となった女子ボクシングは、1ラウンド2分、インターバル1分で、公式戦のラウンド数は、4、6、8、10の4種類、日本タイトルマッチは8回戦、世界タイトルマッチは10回戦となっている[4]

リングは正方形で、原則として1辺(ロープの内側)が18フィート(5.47メートル)以上24フィート(7.31メートル)以内とされている[4]
選手の服装
アマチュア2021年東京五輪におけるアマチュア・ボクシング

アマチュアボクシングでは、選手はトランクス、ランニングシャツ(女子はTシャツまたはノースリーブシャツ)、シューズ、グローブを着用する。男性シニアの場合、ヘッドギアの着用は2013年より禁止されており[5]、プロボクシング同様、選手は頭部を露出した状態で試合を行う。グローブの重さはシニア(18歳以上)の選手は全階級を通じて10オンス、ジュニア(高校生)はライトウェルター級までの選手は10オンス、ウェルター級以上の選手は12オンスである。負傷防止のためマウスピースとファウルカップを着用する。
プロ

男子のプロボクサーは原則的に上半身裸で対戦し、ランニングシャツの着用は認められていない。
技術詳細は「ボクシングの技術」を参照
階級

近代ボクシングが発祥したイギリスはヤード・ポンド法を用いることからボクシングの階級もポンドによるため、キログラムでは中途半端な数字だが、アマチュアの階級はキログラムを単位として区分されている。

本体級よりやや軽い級に「ライト」、やや重い級に「スーパー」が添えられて呼ばれるものもある。
アマチュア

国際ボクシング連盟が定める階級は以下の通り(AIBA Technical and Competition rules(PDF))。なお、エリート部門は2010年より改められ、男子はフェザー級が廃止され、それより下の3階級の上限が変更、男女とも10階級となった。

 年齢:Elite(19歳以上40歳以下)

    Youth(17歳および18歳)

    Junior(15歳および16歳)

 体重:

階級名称男子Elite

Youth女子Elite

Youth男女Junior
スーパーヘビー級91kg超------
ヘビー級81kg超 91kgまで81kg超80kg超
ライトヘビー級75kg超 81kgまで75kg超 81kgまで75kg超 80kgまで
ミドル級69kg超 75kgまで69kg超 75kgまで70kg超 75kgまで
ライトミドル級------66kg超 70kgまで
ウェルター級64kg超 69kgまで64kg超 69kgまで63kg超 66kgまで
ライトウェルター級60kg超 64kgまで60kg超 64kgまで60kg超 63kgまで
ライト級56kg超 60kgまで57kg超 60kgまで57kg超 60kgまで
フェザー級---54kg超 57kgまで54kg超 57kgまで
バンタム級52kg超 56kgまで51kg超 54kgまで52kg超 54kgまで
ライトバンタム級------50kg超 52kgまで
フライ級49kg超 52kgまで48kg超 51kgまで48kg超 50kgまで
ライトフライ級49kgまで48kgまで46kgまで





(参考)国内大会での階級

階級名称体重(男子)体重(女子)備考
スーパーヘビー級91kg超(設定なし)
ヘビー級81kg超 91kgまで80kg超 86kgまで
ライトヘビー級75kg超 81kgまで75kg超 80kgまで
ミドル級69kg超 75kgまで70kg超 75kgまで
ライトミドル級(設定なし)66kg超 70kgまで
ウェルター級64kg超 69kgまで64kg超 66kgまで
ライトウェルター級60kg超 64kgまで60kg超 63kgまで
ライト級57kg超 60kgまで
フェザー級(設定なし)54kg超 57kgまで
バンタム級52kg超 56kgまで52kg超 54kgまで
フライ級49kg超 52kgまで
ライトフライ級46kg超 49kgまで
ピン級42kg超 46kgまでジュニア(高校生)のみ

プロ

プロボクシングにおける階級は、以下の通り。以前は、日本ボクシングコミッションでは「ジュニア○○○級」の呼称を採用していたが、1998年5月1日世界ボクシング協会(WBA)と世界ボクシング評議会(WBC)とでルールが統合され、両団体で異なっていた呼称も「スーパー○○○級」に一本化されたため、同時に日本ボクシングコミッションでも「スーパー○○○級」に呼称が変更された。それにより、ジュニアミドル級はスーパーウェルター級へ、ジュニアウェルター級はスーパーライト級へ、ジュニアライト級はスーパーフェザー級へ、ジュニアフライ級はライトフライ級へ変更された。

WBAやWBC以外の団体ではジュニアの名称は今でも使われており、団体によって名称に差異はあれど同じウエイトである。男子は全17階級。女子は団体によって異なり、ミニフライ級(ミニマム級)の下にアトム級(ライトミニマム級)が設けられたり、スーパーミドル級より上の階級が一部または全部抜けていることもある。

階級名称体重
(キログラム/kg)体重
(ポンド/lb)備考
ヘビー級90.719kg超200lb超
ブリッジャー級/スーパークルーザー級101.604kg以下224lb以下WBC男子とWBA男子のみ[6][7][8]
クルーザー級/ジュニアヘビー級90.719kg以下200lb以下女子はWBOのみ
ライトヘビー級79.379kg以下175lb以下WBC女子はなし
スーパーミドル級76.204kg以下168lb以下
ミドル級72.575kg以下160lb以下
スーパーウェルター級/ジュニアミドル級/ライトミドル級69.853kg以下154lb以下


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