ボウリング・フォー・コロンバイン
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全米ライフル協会のサイトを確認すると、年次集会の日程は前年の時点で既に決定済みであることが分かる[5]。また、被害者達に配慮して[6]通常は数日かけて行われる行事のほとんど(銃製造会社による商品の説明や講習会、バーベキューなど)を取りやめており、ニューヨーク州を本拠地とする非営利団体が法律上行わなければいけない集会しか行わなかったため1日で終了している[7]。さらには銃乱射事件から1年後の集会でチャールトン・ヘストンが言った台詞を、彼がデンバーでの集会で言ったかのように誤認させる演出が為されている(注意深く見ると、ヘストンのネクタイの色が別物であることなどがわかる)。

もっとも、コロンバイン高校で起きた事件直後にNRAがデンバー市長の中止要請を押し切って集会を開催し、それに対する市民の大規模な抗議活動が行われたことは事実である。NRA側は上記のとおり「事件に配慮して集会の規模を縮小した」「会場はすでに決定済みだった」などと主張したが、主要メディアでは「無神経かつ傲慢であることに何ら変わりはない」とする強い批判が行われた[8]。またチャールトン・ヘストンは映画の末尾でマイケル・ムーアによるインタビューの中で「会場に行くまで事件のことは知らなかった」などと釈明している。

また作中で「暴力的ゲームの多くは日本製だ(Most of the violent video games are from Japan)」とナレーションされるシーンにおいて、初めの映像はセガの『バーチャファイター』であり日本製だが、続いて映される『モータルコンバット』はアメリカ製である。ただし、映画公開当時に流行していた人気ゲームの多くが日本産だったこと自体は事実である[9]

アメリカを中心に各国ではきわめて高い評価を受けている。2003年にはフランスのセザール賞(最優秀外国映画賞)・アメリカのアカデミー賞(長編ドキュメンタリー映画賞)を受賞したほか、カンヌ映画祭においても55周年を記念した特別賞を授与されている[10]
受賞歴

2002年 -
カンヌ国際映画祭 55周年記念特別賞受賞

2002年 - アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭 観客賞受賞

2002年 - アトランティス映画祭 観客賞受賞

2002年 - ベルリン国際映画祭 観客賞受賞

2002年 - ブロードキャスト映画批評家協会賞受賞

2002年 - シカゴ映画批評家協会賞 最優秀ドキュメンタリー賞受賞

2002年 - ナショナル・ボード・オブ・レビュー 最優秀ドキュメンタリー賞受賞

2002年 - サン・セバスティアン国際映画祭 観客賞受賞

2002年 - サウス・イーストン映画批評家協会賞 最優秀ドキュメンタリー賞受賞

2002年 - サンパウロ国際映画祭 ドキュメンタリー部門 観客賞受賞

2002年 - トロント映画批評家協会賞 最優秀ドキュメンタリー賞受賞

2002年 - バンクーバー国際映画祭 最優秀作品賞受賞

2002年 - アメリカ脚本家組合 最優秀脚本賞受賞

2003年 - フロリダ映画批評家協会賞 最優秀ドキュメンタリー賞受賞

2003年 - ゴールデン・サテライト賞 最優秀ドキュメンタリー賞受賞

2003年 - インディペンデント・スピリット賞 最優秀ドキュメンタリー賞受賞

2003年 - カンザス・シティ映画批評家協会賞 最優秀ドキュメンタリー賞受賞

2003年 - オンライン映画批評家協会賞 最優秀ドキュメンタリー賞受賞

2003年 - セザール賞 最優秀外国語映画賞受賞

2003年 - ダラス・フォース・ワース映画批評家協会賞 最優秀ドキュメンタリー賞受賞

2003年 - アメリカ映画編集者協会賞 最優秀編集賞エディー賞受賞

2003年 - アカデミー賞 長編ドキュメンタリー映画賞受賞

脚注^ a b “Bowling for Columbine”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2013年3月7日閲覧。
^ ムーア監督はこの手法を原一男監督の『ゆきゆきて、神軍』をヒントに確立したという(『ゼロ年代アメリカ映画100』(芸術新聞社 2010年)p.77)。
^ Kmart Kills Ammunition Sales (CBS News, Jan. 29, 2001); Kmart to end handgun ammo sales (UPI News, June 29, 2001)
^ "'Bowling' takes a hilarious look at gun violence" (Chicago Tribune, Oct. 18, 2002); "Film Review: Bowling for Columbine" (The New York Times, Oct. 11, 2002)
^http://www.nraam.org/ 全米ライフル協会年次集会の公式サイト]
^NRA letter regarding Annual Meeting
^1999 Annual Meeting Report - ニューヨーク州では、同地に本拠地を置く非営利団体は年1回必ず集会を行わなければならない、と規定している。
^Colorado turns out to protest NRA meeting (The Baltimore Sun, 1999/5/2); ⇒Mass student protests expected over NRA meeting in Denver (CNN, 1999/5/1); ⇒NRA and Protesters Face Off in Denver (Washington Post, 1999/5/1); R. Doherty, "Michael Moore's Bowing for Columbine" (Film Quarterly, No. 46, 2004)
^ K. Kayle, "Criticism on Michael Moore's documentary films" (Journal of American Film, 22:1, 2005)
^Cannes Festival 2003

参考

デヴィッド・T. ハーディ&ジェイソン クラーク著/明浦綾子、小林敦子、岡本千晶、友田葉子訳 『アホでマヌケなマイケル・ムーア』(白夜書房)
2004年 ISBN 4-89367-968-6

映画『エレファント』 - この映画と比較される作品でコピーは「キスも知らない17歳が銃の撃ち方は知っている」

映画『ダイアナの選択』 - 似たような乱射事件がトラウマになった女性の話

関連項目

クー・クラックス・クラン

ロッキード・マーティン

軍産複合体

奴隷貿易

南北戦争

銃規制

スミス&ウェッソン

ストリート・ギャング

シッコ

全米警察24時 コップス

オクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件

この素晴らしき世界

外部リンク

公式ウェブサイト(日本語)

公式ウェブサイト(英語)

参考文献の著者による反ムーアサイト1

参考文献の著者による反ムーアサイト2

ボウリング・フォー・コロンバイン - allcinema

ボウリング・フォー・コロンバイン - KINENOTE


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