ボイジャーには「地球の音」(The sounds of Earth) というタイトルの金めっきされた銅板製レコードがついており、そこには地球上の様々な音や音楽(日本の音楽からは尺八による「鶴の巣篭もり」(奏者: 山口五郎)を収録)、55種類の言語による挨拶(日本語の「こんにちは。お元気ですか?」など)や様々な科学情報などを紹介する写真、イラストなどが収録されている。中にはザトウクジラの歌も収録されている。これは、ボイジャーが太陽系を離れて他の恒星系へと向かうので、その恒星系の惑星に住むと思われる地球外知的生命体によって発見され、解読されることを期待して、彼らへのメッセージとして積み込まれたものである。レコードに収録されている55種類の言語による挨拶や自然音、効果音、画像の一部が公開されている[1]。
現状ヘリオポーズと探査機の位置関係
現在も1号・2号ともに稼働しており、ボイジャー1号は2020年6月現在で太陽から約224億km(約150 天文単位 (au))離れたところを太陽との相対速度・秒速約17.027kmで飛行中であり、地球から最も遠くにある人工物体となっている。
地球との通信のための電波は片道約17時間を要する。2010年12月、太陽風の速度がゼロになる領域に到達。2012年8月25日に太陽系(太陽圏)[注 3]を出ていたことが1年後に発表された[2]。
一方のボイジャー2号は2020年6月現在で太陽から約186億km(約124 au)離れたところを太陽との相対速度・秒速約15.497kmで飛行中であり、ボイジャー1号とパイオニア10号に次いで地球から遠いところを飛行している。こちらも2018年11月5日に太陽系(太陽圏)[注 3]を出ていたことが1か月後に発表された[3]。
2004年12月16日、ボイジャー1号は末端衝撃波面に到達した最初の惑星探査機となった。その後のボイジャー2号の観測によって末端衝撃波面が、南北対称ではなく歪んでいることがわかった。
原子力電池の出力低下にともない、少しずつ観測装置の電源を切っており、稼動を完全に停止するのは2025年頃の予定である[4]。 ドイツのアマチュア無線家が、アマチュアとしては初めて2006年3月31日にボイジャー1号の電波受信に成功。NASAに受信周波数などを確認申請したところ「ボイジャー1号の電波で間違いない」と確認された。そのときのボイジャー1号の位置は98.7 auで147.6億kmと推測されている。
通過記録
ボイジャー1号
打ち上げ 1977年9月5日
木星通過 1979年3月5日
土星通過 1980年11月12日
太陽系(太陽圏)[注 3]脱出 2012年8月25日
ボイジャー2号
打ち上げ 1977年8月20日
木星通過 1979年7月9日
土星通過 1981年8月25日
天王星通過 1986年1月24日
海王星通過 1989年8月25日
太陽系(太陽圏)[注 3]脱出 2018年11月5日
その他
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 探査の意義には全く関係ないことだが、当時は冥王星も惑星として分類されていた。
^ ただしボイジャーが接近できた時期は衛星カロンによる食の時期だったのに対し、ニュー・ホライズンズの接近時に太陽は冥王星のやや北側から照らしていたため、冥王星の南極付近の可視光画像はいまだ得られていない。
^ a b c d これについては「太陽圏」を脱出、または「太陽系」を脱出という2種類の見解がある[5]。また、前者の見解では、太陽系を完全に脱出するまでにはあと約3万年かかることになる。
出典^ https://voyager.jpl.nasa.gov/
^ ⇒“How Do We Know When Voyager Reaches Interstellar Space?”. NASA JPL. (2013年9月12日). ⇒http://www.jpl.nasa.gov/news/news.php?release=2013-278 2013年9月15日閲覧。
^ NASAの探査機が太陽系外に
^ ⇒Voyager - Spacecraft Lifetime
^ “「ボイジャー2号」太陽圏の最外部を抜け星間空間に到達”. sorae.jp (2018年12月11日). 2018年12月12日閲覧。
関連項目
ヴォイジャー大陸 - 冥王星の地形。本計画にちなんで命名された。
スタートレック (映画) - 惑星探査機ボイジャーがヴィジャー(V'ger)となって地球へ帰還する。
パイオニア10号 ・ パイオニア11号 - ボイジャーと同じく、地球外知的生命体に向けた金属板を搭載している。
太陽系を離れる人工物の一覧
外部リンク.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキメディア・コモンズには、ボイジャー計画に関連するカテゴリがあります。
Voyager web site (公式)
⇒ボイジャー探査機の寿命
⇒Spacecraft escaping the Solar System - 探査機の現在位置と軌道図
⇒ミッション状況
『ボイジャー計画』 - コトバンク
『ボイジャー』 - コトバンク
表
話
編
歴
ボイジャー計画
探査機
ボイジャー1号
ボイジャー2号
コンセプト
重力アシスト
放射性同位体熱電気転換器
ボイジャー1号の特定軌道エネルギー(英語版)
作品
ペイル・ブルー・ドット
太陽系家族写真
ボイジャーのゴールデンレコード(内容(英語版))