ホーム・アンド・アウェー方式
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例として、阪神甲子園球場で行われる選抜高等学校野球大会全国高等学校野球選手権大会東大阪市花園ラグビー場で行われる全国高等学校ラグビーフットボール大会などが挙げられる。また、オリンピックなども、ほぼ全ての競技が1つの都市とその周辺で開催されるということから集中開催方式の一種と考えられる。
中立地開催
参加する各チームのホームタウンでない場所を選定して試合を行う。ホーム・アンド・アウェーでない1回戦制として行われる場合や、特定の事情(国際大会において国家間関係などから敵地を訪れることが困難な場合など)でホーム・アンド・アウェーの一方または両方の試合をホームタウンでない場所で行う場合がある(後者の場合、特に国際試合では「第三国開催」と称する場合もある[2])。2004年まで開催されたサッカーのトヨタカップは、かつてはホーム・アンド・アウェー方式であったが、治安や日程面の問題から中立地方式に変更された。また、いくつかのスポーツイベント(UEFAチャンピオンズリーグNFLスーパーボウルJリーグYBCルヴァンカップなど)のように、準決勝まではホーム・アンド・アウェー方式(あるいは一方のチームのホームでの試合)を採用し、決勝戦のみを中立地での一発勝負方式で行うトーナメント戦もある。この場合、決勝戦開催地は早い時点で決められるため、場合によっては決勝進出チームのホームグラウンドが会場となってしまうこともありうる[注 4][注 5]。上記のFリーグにおいても、試合日程確保の観点で、基本的に総当たりが奇数の3回(2013-14年度のみ4回)総当たりであるため、一部の節でリーグ直轄による全チーム総集結のセントラルシリーズが組まれている。
ダブルセントラル方式
集中開催方式(セントラル方式)とホーム・アンド・アウェーの中間的な方式で、リーグ戦日程の半分を1箇所で、残り半分を別の1箇所で開催する。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}「ワン・エンド・ワンセントラル方式」とも言う。[要出典]ホーム・アンド・アウェーでは全てのチームに長距離移動が生じる一方で、集中開催(セントラル方式)では特定のチームへの有利・不利が生じる場合の折衷案として用いられる。アジア地区におけるサッカーの国別対抗リーグ戦で採用されることがあり、アテネオリンピック男子サッカー・アジア最終予選は3グループのうち「日本と中東3カ国(バーレーン、アラブ首長国連邦、レバノン)」という組み合わせとなったグループBについて、関係国間の合意の上でこの方式が採用された[3]
ホームタウン以外での試合開催

ホーム・アンド・アウェー方式での試合は原則として、そのチームのホームタウン区域内にあるスタジアムなどで開催されるのが通常であるが、以下のような理由でホームタウン地域外で開催されることがある。

本拠地地域以外での市場開拓を目的とした開催。

NPB管轄のプロ野球においては、特定球団のホームタウンとなっていない空白地域が多い。これらの地域でスポーツ振興を図り、また市場開拓を行うといった目的のため、特定チームがホームタウン以外の地域において試合を主催することが少なくない。このような場合でも、主催側をホームチームと呼ぶが、ホームであることの有利さはほとんど享受できない
[注 6]

他球団の本拠地で主催試合を行うこともあり、セントラル・リーグ所属の読売ジャイアンツの本拠地である東京ドームではこれまでにパシフィック・リーグ加盟全球団がホームゲームを組んでいる。パ・リーグ所属大阪近鉄バファローズおよび近鉄と合併したオリックス・バファローズの本拠地・大阪ドームでは阪神タイガース(後述)、巨人、更にはオリックスと同じパ・リーグに所属する福岡ソフトバンクホークスがホームゲームを組むなどしている[注 7]。ただし、セ・パ交流戦導入以後はそれまで主催していた球場において本来その球場を本拠地にする球団と交流戦で対戦する(当然ビジターとして)ことになったため、以前に比べると減少している。

サッカー・Jリーグやバスケットボール・Bリーグではクラブ数がそれぞれ60、38と多く、カバーしていない都道府県の方が少ないため、ホームタウン地域以外での試合開催は少ない。2部制導入前のJリーグにおいては特定クラブのホームタウンとなっていない地域が多く、プロ野球同様の地方開催も多く見受けられたが、地方開催を行った地域の大半に新たなJリーグクラブが設立されているため、現在ではホームタウン地域外での開催は、ホームスタジアムが事故、災害、改修などで使用不能などの特殊事情がない限り(後述)ほとんど見られなくなっている。Bリーグの前身リーグであるJBL→NBL及びbjリーグも同様に地方開催が目立っていたが、Bリーグに統合されてからはその数を大きく減らしている。


かつての本拠地での開催

東京ドームは2003年まで、パ・リーグ所属日本ハムファイターズも本拠地として使用していた。2004年、日本ハムは札幌ドームに移転したが、2004年以降も札幌ドーム最終年の2022年まで、東京時代のファンへの配慮として、10試合程度の東京ドームでの主催試合を毎年開催していた。また、オリックス・バファローズは、2004年オフに大阪近鉄バファローズと合併する前は神戸市の神戸総合運動公園野球場を本拠地としオリックス・ブルーウェーブの名称で活動していたが、2005年の合併以後も、旧本拠地の神戸[注 8] で15試合程度開催している。この他にも、所沢移転後に旧本拠地の福岡市・平和台球場で主催試合を行った西武ライオンズや、川崎移転後に旧本拠地の仙台市・宮城球場で主催試合を行ったロッテオリオンズなどの事例がある。

Jリーグ・アビスパ福岡はJFL時代に藤枝市民グラウンドを本拠地とし藤枝ブルックスの名称で活動していたが、福岡移転初年度(当時の名称は「福岡ブルックス」)の1995年にもホームゲームを3試合開催した。なお、この開催は1995年夏季ユニバーシアードの開催により、ホームスタジアムの博多の森球技場がサッカー競技会場となった都合によるものでもあり、下記「他のイベントの都合」にも該当する。

三遠ネオフェニックスはbjリーグ時代に浜松市と豊橋市のダブルホームとする浜松・東三河フェニックスの名称で浜松アリーナを中心にホームゲームを開催していた。Bリーグ発足後は豊橋市をホームタウンに定め豊橋市総合体育館をホームアリーナとしているが、浜松でも数試合行っている。


他のイベントの都合

阪神タイガースの本拠地である阪神甲子園球場は、高校野球(選抜高等学校野球大会全国高等学校野球選手権大会)の開催会場であり、開催期間中は、阪神の主催試合を組むことができない。そのため、近隣(甲子園球場最寄りの阪神甲子園駅から大阪ドーム最寄りのドーム前駅まで阪神電車で20分程度である)の大阪ドームで代替開催する(詳細は「死のロード」を参照)。また、東京ドームが都市対抗野球大会を開催している時期、巨人が東京以外の地域で主催試合を行うことがある。

陸上競技場をホームスタジアムとしているクラブは陸上競技大会との兼ね合いで試合会場の変更を余儀なくされることもあり、2007年のセレッソ大阪は当時のホームスタジアム・長居陸上競技場にて世界陸上選手権が開催されたため、開催期間前後のホームゲームを福井鳥取三木で行った。また、2018年の川崎フロンターレはホームスタジアム・等々力陸上競技場が第87回日本学生陸上競技対校選手権大会で使用できなかったため、Jリーグカップの準決勝をFC東京のホームスタジアムである味の素スタジアムで行った。

2020年の日本シリーズは都市対抗野球大会の関係で巨人主催の試合を大阪ドームで開催した。日本シリーズを出場球団の本拠地以外で開催したのは、1980年に当時南海ホークスの本拠地だった大阪球場を借りた近鉄バファローズ(下記「本拠地地域に主催者の基準を満たすスタジアムがない」に該当)以来、40年ぶりだった。


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