コショウは様々な形態で利用され、ホール(原形の粒の状態、粒胡椒)、あらびき(粗挽き)、パウダー(粉末状)などが市販されている[9][6]。また、使うたびにペッパーミル(図10)を用いてホールを挽いたほうが新鮮な風味を得ることができるとされる[6]。
異なる種類の胡椒を混ぜて使うこともあり、日本で市販品には黒胡椒と白胡椒を混合したものもある[31]。また塩などと混ぜた「味付塩こしょう」として市販されているものもある[32]。
コショウの消費期限は、製造方法や保管状況にもよるが、おおよそ2-3年である[33]。挽いた後のものは、挽く前(ホール)より香味が飛びやすい。また「黒胡椒」「白胡椒」の乾燥させたものは、「青胡椒」「赤胡椒」といった乾燥させる前のものより長持ちしやすくなる[要出典]。大航海時代など物流が発達する前は「青胡椒」「赤胡椒」は原産地での香辛料や食材として使用されていたのに対し、原産地から離れていたヨーロッパでは「黒胡椒」「白胡椒」が使用されていた。現在は物流が発達したことや世界各地でコショウの生産が行えるようになったこと、さらに各国の料理が世界中に広まっていることからこの区別はなくなっている[要出典]。 コショウの果実にはアルカロイドであるピペリンなどが含まれており、薬効を期待した料理や外用薬に使われることがある[10][13]。抗菌、食欲増進、消化促進、健胃、駆風、発汗促進、利尿、鎮痛などの作用があるとされ、食欲不振、消化不良、胃弱、嘔吐、下痢、腹痛、腹部膨満、歯痛などに使われる[13][10]。また、抗がん作用、抗酸化作用、止瀉作用も報告されている[34][35]。脂肪燃焼作用やエネルギー代謝の亢進によるダイエット効果、また他の成分の吸収率を高めることで一緒に摂取した医薬品の作用を増強する効果があるとして健康食品に使用されることもあるが、多量に摂取した場合に他の医薬品と相互作用を示すことから、健康被害が発生する可能性を否定できず注意が必要ともされる[34][36]。 アルカロイドであるピペリン(piperine 下図11a)やシャビシン(chavicine 下図11b)、ピペラニン (piperapine)、これらの構成要素であるピペリジン(piperidine 下図11c)などが辛み成分となり、また精油であるピネン(pinene 下図11d)、リモネン(limonene 下図11e)、カリオフィレン(caryophyllene 下図11f)、ピペロナール(piperonal 下図11g)などが香り成分となる[6][3][8][37]。11a ピペリン11b シャビシン11c ピペリジン11d ピネン11e リモネン11f カリオフィレン11g ピペロナール コショウでくしゃみが出るのは、辛味成分であるピペリンが鼻腔の神経を刺激するためである[38][39]。 コショウはインド原産であるが、世界中の熱帯域で広く栽培されている。2021年時点の生産量(ただしコショウ属の他種を含む)はベトナムが最大であり、以下ブラジル、インドネシア、ブルキナファソ、インドと続いている[40](表1)。 コショウ属の生産量上位10カ国の割合(2021年).mw-parser-output .legend{page-break-inside:avoid;break-inside:avoid-column}.mw-parser-output .legend-color{display:inline-block;min-width:1.5em;height:1.5em;margin:1px 0;text-align:center;border:1px solid black;background-color:transparent;color:black}.mw-parser-output .legend-text{} ベトナム (36.3%) ブラジル (14.9%) インドネシア (10.2%) ブルキナファソ (8.6%) インド (8.2%) スリランカ (5.4%) 中国 (4.2%) マレーシア (4.0%) タジキスタン (2.7%) メキシコ (1.2%) その他 (4.3%) 表1. コショウ属の生産量上位10ヵ国(2021年)[40]国生産量 (トン)
薬用
成分
産地
ベトナム288,167
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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