ホログラム
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合成開口レーダーを使用するリモートセンシング等で使用される[14]
応用

ホログラフィーは像を記録する以外にも、さまざまな応用がなされている。
計測

現在、ホログラフィー顕微鏡などホログラフィーを利用した計測機器が次々と作られている[15][16][17]。ホログラフィー顕微鏡はホログラフィーを利用することにより、微小な物体の立体像を得るものである。これをコンピュータ処理することにより、3次元情報を得ることが可能でさまざまな応用が期待されている。また、振動の計測にも使用される[18]。他に応力測定や微小変位の計測にも使用される[19]
光コンピュータ

演算素子として利用できる。例えば、1枚のホログラムに2つのホログラムの実像を写せば、2つの3次元像の和をとれる。また、フーリエ変換面にホログラムフィルタをはさみこむことにより、微分演算を行える。他にも、パターン認識等、さまざまな処理がホログラフィーで可能である[20][21][22]。一般的に、半導体コンピュータが画素ごとしらみつぶしに計算しなければならない計算をホログラムは一瞬で計算できる[23]。光を情報キャリアに使ったコンピュータ一般に関しては、光コンピューティングを参照。
ホログラフィックメモリ

ホログラフィックメモリは、結晶やフォトポリマーの中に高密度の情報を記録するものである。現在一般的な記録媒体(メモリ)である DVD は面上に記録するため光源の波長に依存する回折限界の制約を受ける。DVDはほぼこの上限に達しておりこれ以上容量を増やせない。しかし、メディアの容積全体に記録できるホログラフィックメモリは次世代記憶素子としての可能性を秘めている[24][25]

空間光変調を使えば、1024×1024ビットの解像度の異なった画像1000枚を1秒で再生できる。メディアによっては、1ギガビット毎秒という速度で書き込むことができ、読み込み速度は1テラビット毎秒に達すると考えられている。

2004年、NTTはプラスチック製の切手サイズで1GBの記憶ができるInfo-MICA(インフォ・マイカ)を発表。2005年、オプトウェアは記憶容量1TB、直径120mmのホログラフィック・バーサタイル・ディスク (HVD) を製造した。しかし、共に製品化までのアナウンスは聞こえてこない。

2009年4月27日、アメリカGE社が標準サイズのディスク一枚に、500GBの容量を持つディスクについて発表[26][27]。将来的には、1TB以上まで拡大も可能だという。フォーマットなどは現行のDVD・ブルーレイディスクと似ており、互換性に優れているという。
ホログラフィック立体ディスプレイ「3Dテレビ」および「フォトニック結晶」も参照

NHK放送技術研究所などが開発を行っている[28]。多数の光変調素子を並べ、被写体からの干渉縞自体を再現している[29][30]。プロジェクターの一種である。かつてはLCOSDMDが研究に用いられてきたが、可視光の波長と同程度の画素ピッチが必要なため、磁気光学空間光変調器を使った研究もされている[31]
芸術

ホログラフィは芸術にも利用されている。ホログラフィック・ディスプレイ研究会[32]では、毎年大学ホログラフィー展を開いており、芸術的なホログラムを誰でも無料で見ることができる。フルカラーのホログラムや手前に大きく飛び出るホログラムなどもあり、芸術の手法として確立されつつある。代表的な作家では、石井勢津子、中村郁夫[33]ヒロ・ヤマガタ等が活躍している。

トレーディングカードゲーム (TCG) には、レアカードであることを示すためにホログラム加工がなされているものがある。コンピュータゲームのTCGにも、ホログラムのようなエフェクトが表示されるものもある。
光学素子

HUDヘッドアップディスプレイ)の表示素子にも使用されつつある。複雑な光学素子でもホログラフィック光学素子を使用すれば軽量にできる[34][35]分光器回折格子等も製造される。
その他の立体映像技術

これらは一見ホログラフィック立体ディスプレイのように見えるが、別の技術である[36]
ペッパーズ・ゴースト詳細は「ペッパーズ・ゴースト」を参照

音声合成歌手の歌を流しながら、コンピューターグラフィックスで歌唱する姿をディスプレイ等へ映し出し、オンラインで公演するものを指すことがある[37][38]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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