この種の設立の基となったのは、1907年にドイツのハイデルベルク近郊のマウエル村から発見された下顎骨である。マウエル村の砂採取場で作業員により偶然発見された。出土したのは下顎骨ただ1個で、他の部分の骨も、石器などの文化遺物も無い。この下顎骨は、翌1908年にドイツの人類学者シェッテンザックにより、Homo heidelbergensis と命名された[1]。ハイデルベルク人と通称される。
その後、南アフリカや東アフリカでも同様の化石が発見された。これはホモ・ローデシエンシスという別の名称で呼ばれることもあるが、通常は、別種とは見なされず、ホモ・ハイデルベルゲンシスと見なされる。(亜種ふうの扱い。) ネアンデルタール人と比べても、眼窩上隆起が非常に大きく、前脳部は小さい。このことからネアンデルタール人よりは原始的な種と見なされる。 下顎骨は非常に大きく頑丈であるが、歯は小型で現生人類よりやや大きい程度で、同時代と思われる北京原人より小さい。そのためこの人類は、原人であるのか、原初的な旧人であるのかが議論されたが、巨大な下顎骨の形質や伴出した動物化石との比較などから、時代的に見て原人であろうと考えるのが一般的である。 ただし現生人類へと繋がる系統とネアンデルタール人との分岐直前(47万 - 66万年前)の時期・または分岐後のホモ・サピエンスへと続く系統側で、ホモ・サピエンスに進化する前段階には旧人段階の「ホモ・ヘルメイ」あるいは「ホモ・ローデシエンシス」にまで進化していたことも考えられる。
骨格と進化
画像
頭蓋骨を横から見た写真
顎を正面から見た写真
アタプエルカ遺跡
表
話
編
歴
人類の進化
ヒト科 Hominidae
オランウータン亜科 Ponginae
ヒト亜族 Homininae
サヘラントロプス・チャデンシス
fr:Toumai
オロリン・トゥゲネンシス
アルディピテクス属
ケニアントロプス・プラティオプス
アウストラロピテクス属
アウストラロピテクス・アファレンシス
ルーシー
セラム
アウストラロピテクス・アフリカヌス
アウストラロピテクス・アナメンシス(英語版)
アウストラロピテクス・バーレルガザリ
アベル(英語版)
アウストラロピテクス・ガルヒ
アウストラロピテクス・セディバ
パラントロプス属
パラントロプス・エチオピクス
パラントロプス・ボイセイ(英語版)
パラントロプス・ロブストス
ヒト属
ホモ属
ホモ・エルガステル
トゥルカナ・ボーイ
ホモ・ガウテンゲンシス(英語版)
ホモ・ハビリス
ホモ・ルドルフエンシス
ホモ・ナレディ
ホモ・エレクトス
ホモ・エレクトス・エレクトス
ホモ・エレクトス・ゲオルギクス
ホモ・エレクトス・ラティアネンシス
ホモ・エレクトス・ナンキネシス(英語版)
ホモ・エレクトス・ペキネンシス
ホモ・エレクトス・ソロエンシス(英語版)
ホモ・エレクトス・トータベレンシス(英語版)
ホモ・エレクトス・ウシャネンシス(英語版)
ホモ・エレクトス・ユァンモウエンシス
カヤオマン(英語版)
デニソワ人
ホモ・アンテセッサー
ホモ・ケプラネンシス
ホモ・フローレシエンシス
ホモ・ハイデルベルゲンシス
ホモ・ヘルメイ(英語版)
ホモ・ネアンデルターレンシス
ホモ・ローデシエンシス
澎湖1号(英語版)
馬鹿洞人
ホモ・サピエンス
クロマニョン人
ホモ・サピエンス・イダルトゥ
マノット1号(英語版)
ムンゴマン
ホモ・サピエンス・サピエンス
用語
猿人
原人
旧人
旧人類
新人
解剖学的現生人類(英語版)
関連項目
古人類学
化石人類
人類の知能の進化
人類の進化の年表(英語版)
人類の進化に関係する化石の一覧(英語版)
人類の進化遺伝学(英語版)
起源
アフリカ単一起源説
多地域進化説