作家集団や企業など、自然人ではない団体が、著作権管理などの目的で便宜的に個人(自然人)として見せるため、個人名のペンネームを用いることがある。ドラマやアニメなどの原作・脚本名義で使用される。一つの過程に複数人が共同作業で関わるために特定個人の業績と分けられない場合があり、これを解決するためのもの。
東堂いづみ -東映アニメーションが使用。『おジャ魔女どれみ』(原作)、『プリキュアシリーズ』(原作)など。
八手三郎 - 東映が使用。スーパー戦隊シリーズの脚本等。平山亨の個人ペンネームでもある。
矢立肇 - サンライズが使用する。ガンダムシリーズ(共同脚本)など。
紗吹 都、東 富耶子/東 冨耶子、椎谷 太志 - シャフトが使用する。いずれも「シャフト」、もしくはその逆から読みの当て字。
葉村彰子 - 逸見稔を中心とした脚本家集団。『水戸黄門』『大岡越前』『江戸を斬る』など。
魔久平(ま・くへい) - エド・マクベインにあやかった、『太陽にほえろ!』のシナリオライターチーム(岡田晋吉他)の共同筆名
シブサワ・コウ - コーエー(現 コーエーテクモゲームス)が信長の野望シリーズなどでプロデューサー名義として使用。同社創業者の襟川陽一の個人ペンネームでもあり、同社のブランド名でもある。
文月えがく - 電通がCMソング作詞の際に用いる。
ニコラ・ブルバキ - 数学者の結社が教科書刊行に際し作成使用。結社自体を指しても使われるようになった。
個人を秘匿するためのペンネーム「アラン・スミシー」も参照
アメリカの映画業界には、何らかのトラブルで監督やスタッフがキャストとして名前を公表することを拒否した場合、また権利関係が不明確な場合には「アラン・スミシー」というペンネームでクレジットされる制度が存在していた。また日本においても同様の事態に陥った際、アラン・スミシーをもじった名称でクレジットされる例がある。
19世紀以前のヨーロッパでは、女性が執筆業を行うことは風変わりなことと考えられたため、ブロンテ姉妹の Acton Bell、Currer Bell、Ellis Bell のように男性名が使用された。
20世紀のアメリカでは、一年に2冊の本を出版するのは異例なため、スティーヴン・キングは別名義で実力を試したかったことからリチャード・バックマン名義で一年に2冊の出版を行った。 ペンネームは、文章や漫画作品などの発表時に使用されるものだが、それ以外にも本名とは別の名を名乗ることがある。
「ペンネーム」と意味が近い語
ラジオネーム
「ラジオネーム」を参照
ハンドルネーム
「ハンドルネーム」を参照アマチュア無線(日本・外国問わない)では英語人名の短縮形に近い(「石井」さんだと欧文モールス符号では短点だらけになってしまい手間がかかる。使われるのは常に姓ではなく名)。
俳号
「俳号」を参照
活動家名
かつて社会主義・共産主義の活動家によく見られた例で、政治活動を行うときに使う本名以外の名前。著述活動もこの名で行っているため、ペンネームと呼ぶ事もある。党派によってはその党派組織内部で用いられたことから、「組織名」という言い方もある。本来は地下活動などのための偽名・変名であるが、公で活動できる立場になった後もその時の名前を継続して用いた。